ENGLISH TEACHER’S BRIEFING
📬 原田先生の英語教育ニュースレター
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年2月19日(木)| Vol.004
⚡ TODAY’S HEADLINE
OECD報告書が警告「AI丸投げは学力低下を招く」— 教育専用AIの開発を提言
OECDが2026年1月に発表した『Digital Education Outlook 2026』が世界の教育界に衝撃を与えています。報告書は、生徒がChatGPTなどの汎用AIに課題を丸投げすると「見せかけの習熟」に陥り、深い理解が育たないと警告。一方で、教育目的に設計されたAIツールは教師と組み合わせることで大きな効果を発揮するとし、「AIは教師の代替ではなく増幅装置であるべき」と結論づけました。授業でAIをどう使わせるか — 私たち英語教師にとっても喫緊の課題です。
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今日の帯活動アイデア(5分でできる!)
🧩 “Odd One Out” 仲間はずれを探せ!
対象:中学1年〜高校 | 時間:5分 | 準備:黒板のみ
▶ やり方:
① 先生が黒板に4つの英単語を書く:“apple / banana / carrot / grape”
② 生徒はペアで「仲間はずれ」とその理由を英語で話し合う
③ 発表:“Carrot is the odd one out because it’s a vegetable, not a fruit.”
④ 慣れてきたら抽象的なセットに挑戦!:“happy / excited / angry / delighted”
💡 ポイント:「because」を使った理由説明の練習に最適。答えは1つとは限らない=多様な意見が出て議論が深まります。上級者は “I think … because …” の構文を使わせると◎
⏱ “Speed Definitions”(即興英英辞典)
対象:中学2年〜高校 | 時間:5分 | 準備:単語カード(なくてもOK)
▶ やり方:
① 先生が英単語を1つ見せる(例:“umbrella”)
② 生徒は30秒以内にその単語を英語だけで説明する
③ 例:“It’s something you use when it rains. You hold it over your head.”
④ ペアで交互に出題し合うと、全員が話す時間を確保できる!
💡 ポイント:英検のスピーキング対策にも直結!「It’s a thing/place/person that…」のパラフレーズ力が自然と身につきます。日本語禁止ルールで盛り上がること間違いなし。
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AI × 英語指導 最前線
🆕 注目ツール:Mizou
教師がカスタムAIチャットボットを作成し、生徒と1対1のスピーキング練習ができるプラットフォーム。教師がプロンプト・ルール・ルーブリック(評価基準)を設定すると、AIがそれに沿って会話を進行。生徒はアカウント作成不要で、教師はリアルタイムで全セッションを監視+自動採点が可能です。
✅ 生徒のアカウント登録不要(個人情報保護に◎)
✅ 音声対話機能あり — スピーキング練習に最適
✅ 教師がルール・評価基準を完全にコントロール
✅ AIが会話セッションを自動採点+レポート生成
🎓 活用例:「レストランで注文する」シナリオのチャットボットを作成し、生徒が自分のペースでロールプレイ練習!教師は後から全会話ログを確認・評価。
📊 OECD報告書が示す「AI × 教育」の3原則
OECD Digital Education Outlook 2026が提示した教育現場でのAI活用の核心をまとめました。
① 汎用AIより教育専用AIを
ChatGPTは作文の質は上げるがテスト成績は向上せず。学習科学に基づく教育AIこそ効果的。
② AIは「思考の足場」として使う
答えを与えるのではなく、考えを深める問いかけツールとして設計すべき。
③ 教師との共同設計が鍵
教師が開発段階から関わったAIツールは、そうでないものより学習効果が高い。
💡 授業準備の時短効果も実証:ある研究では授業計画にかかる時間が31%削減されたとの報告も。
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英語教育ニュース FLASH
🇯🇵 JAPAN
視覚障害の大学生が英語教師を目指し渡英 — インクルーシブ教育の新たな一歩
愛知県の大学で英語教員免許の取得を目指す視覚障害のある学生(21歳)が、大学のプログラムで英国留学を実現。盲学校で学んできた彼女の転機は、高校時代に適切な教材を使ってくれた英語教師との出会いでした。大学はオンライン事前学習と現地授業を組み合わせたプログラムを開発し、24時間体制でサポート。障害のある学生の大学等への在籍者数は約5万5,500人と10年前の4倍に。英語教育のインクルーシブ化は着実に進んでいます。
🔗 参考:The Japan Times — Inclusive education for students with disabilities advancing in Japan
🇯🇵 JAPAN
高校無償化が4月スタート — 公立高校への影響に懸念の声
2026年4月から高校授業料の実質無償化が全国展開。私立高校生には年間最大45万7,200円の補助金が支給され、公立との学費差が大幅に縮小します。先行実施された大阪では私立志向が加速し、名門公立高校でも定員割れが発生。「公立高校の存在意義が問われる時代」に。英語教育においても、公立と私立の指導力格差をどう埋めるかが重要な論点になっています。
🔗 参考:The Japan Times — Tuition elimination program fuels fears for public high schools
🌍 GLOBAL
シンガポール政府、国家AIプラットフォームに「英語ライティング添削AI」を本格導入
シンガポール教育省は、全国オンライン学習基盤「Student Learning Space」にAI搭載の英語ライティング添削ツール(LangFA-EL)を導入。スペル・文法・構文のフィードバックを即時提供し、教師はより高度な指導(文体・説得力・創造性)に集中できる仕組みです。TALIS 2024によるとシンガポールのAI活用率は教員の約75%と世界トップクラス。「国家主導のAI教育」の先進事例として注目されています。
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超絶使える!英語学習ツール
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世界の英語授業から学ぶ
🇸🇬 シンガポール式:国家プラットフォームで「AI × 英語教育」を全校展開
EF英語能力指数で常にアジア上位のシンガポールは、教育省が国家オンライン学習基盤「Student Learning Space(SLS)」を運営。ここにAIツール群を統合し、全公立校の教師と生徒が無料でアクセスできる仕組みを構築しています。英語ライティング添削AI、適応型学習システム、授業設計AIなど5つのAIツールが稼働中。「国が教育AIのインフラを整える」という発想は、日本のGIGAスクール構想の次のステップとして参考になります。
🔑 明日から使えるテクニック
シンガポールの「LangFA-EL」の発想を授業に応用:生徒がライティング課題を提出する前に、まずAI(ChatGPTやGrammarly等)でセルフチェック → その後教師が「AIが指摘しなかった部分」を重点的に添削。教師の添削負担を減らしつつ、AIでは見抜けない論理展開や表現の深さに集中できます。
TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS
“Education is not the filling of a pail,
but the lighting of a fire.”
— ウィリアム・バトラー・イェイツ(アイルランドの詩人・ノーベル文学賞受賞者)
「教育とは、バケツに水を満たすことではない。火を灯すことである。」
💡今日の1分ティップス
英語で指示を出すときは「3語ルール」を意識。”Open your textbook, page 42, exercise 3.” のように、1文に情報を3つまでに抑えると生徒の理解度がグッと上がります。「一度にたくさん言って伝わらない」問題は、情報量の整理で解決できることが多いです。
📎 今号の参考リンクまとめ
📰 ニュース・レポート
・OECD — Digital Education Outlook 2026
・The Japan Times — インクルーシブ教育の進展
・The Japan Times — 高校無償化と公立校への影響
・Singapore MOE — AI in Education
・Faculty Focus — 2026年AI教育トレンド
🛠 ツール・サービス
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haradaeigo.com
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