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The Shoes of Fortune (5)

幸福の長ぐつ(その5)
★★★☆☆3分389語朗読 Kathy Wright原文そのまま一致率 95.2%

「いちばん幸せなところへ行きたい」――神学生の願いに、長ぐつがかなえたものとは? 幸福の長ぐつの物語、いよいよおしまいです。

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幸福の長ぐつ(その5)の場面のイメージ

“Travelling would be agreeable enough,” said he groaning, “if one only had no body, or could send it to rest while the spirit went on its pilgrimage unhindered, whither the voice within might call it.「旅はじゅうぶん楽しいものだろうに」と神学生はうめきながら言いました。「もし体というものがなければね。あるいは、体を休ませておいて、心だけが、内なる声のよぶところへ、じゃまされずに旅していけたらね。 Wherever I go, I am pursued by a longing that is insatiable—that I cannot explain to myself, and that tears my very heart.どこへ行っても、わたしはみたされることのないあこがれに追いかけられる――自分でも説明できない、胸がはりさけそうなあこがれに。 I want something better than what is but what is fled in an instant.一瞬で消えてしまうものではない、もっとよいものがほしいのだ。 But what is it, and where is it to be found?でも、それは何なのだろう。どこで見つかるのだろう? Yet, I know in reality what it is I wish for.それでも、本当は自分が何を願っているのか、わかっている。 Oh! most happy were I, could I but reach one aim—could but reach the happiest of all!”ああ! たった一つの目的に行きつけたら――あらゆるものの中でいちばん幸せなところに行きつけたら、どんなに幸せだろう!」

And as he spoke the word he was again in his home; the long white curtains hung down from the windows, and in the middle of the floor stood the black coffin; in it he lay in the sleep of death.そう言ったとたん、神学生はまた自分の家にいました。窓からは長く白いカーテンがたれ下がり、部屋のまん中には黒いひつぎがおかれていました。その中で、神学生は死のねむりについていました。 His wish was fulfilled—the body rested, while the spirit went unhindered on its pilgrimage.神学生の願いはかなったのです――体は休み、心はじゃまされずに旅に出ていました。 “Let no one deem himself happy before his end,” were the words of Solon; and here was a new and brilliant proof of the wisdom of the old apothegm.「だれも、最期をむかえるまでは自分を幸せだと思ってはならない」というのは、ソロンの言葉です。そしてここに、この古い格言のかしこさを示す、新しいみごとな証拠がありました。

Every corpse is a sphynx of immortality; here too on the black coffin the sphynx gave us no answer to what he who lay within had written two days before:どんななきがらも、永遠の命についてのなぞをかけるスフィンクスです。ここでも黒いひつぎの上のスフィンクスは、中によこたわる人が二日前に書いた言葉に、何の答えもくれませんでした。

Two figures were moving in the chamber.部屋の中で、二つのすがたが動いていました。 We knew them both; it was the fairy of Care, and the emissary of Fortune.わたしたちはその二人を知っています。「心配」の妖精と、幸運の使いでした。 They both bent over the corpse.二人はなきがらの上にかがみこみました。

“Do you now see,” said Care, “what happiness your Galoshes have brought to mankind?”「これでわかったでしょう」と「心配」は言いました。「あなたの長ぐつが、人間にどんな幸せをもたらしたか。」

“To him, at least, who slumbers here, they have brought an imperishable blessing,” answered the other.「少なくとも、ここにねむっている人には、いつまでも消えない幸せをもたらしたわ」ともう一人は答えました。

“Ah no!” replied Care.「いいえ、ちがうわ!」と「心配」は言い返しました。 “He took his departure himself; he was not called away.「この人は、自分で行ってしまったのよ。よばれたわけではないわ。 His mental powers here below were not strong enough to reach the treasures lying beyond this life, and which his destiny ordained he should obtain.この世でのこの人の心の力は、この命の向こうにある宝物――運命によってこの人が手に入れることになっている宝物に、とどくほど強くはなかったの。 I will now confer a benefit on him.”今からわたしが、この人によいことをしてあげましょう。」

And she took the Galoshes from his feet; his sleep of death was ended; and he who had been thus called back again to life arose from his dread couch in all the vigor of youth.そして「心配」は、神学生の足から長ぐつをぬがせました。すると死のねむりは終わり、こうして命によびもどされた若者は、若さの力にみちあふれて、おそろしい寝床から起き上がりました。 Care vanished, and with her the Galoshes.「心配」は消えてしまいました。長ぐつもいっしょに。 She has no doubt taken them for herself, to keep them to all eternity.きっと「心配」が自分のものにして、いつまでもしまっておくのでしょう。

さいごまで よめたね!

「よめた!」をおすと、スタンプがもらえて おはなしの森 に木や動物がふえるよ。

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おうちの方・大人の学習者へ
「最期をむかえるまで幸せとは言えない」という重いテーマですが、最後に「心配」が若者をよびもどし、長ぐつを持ち去るところに救いがあります。願いがかなうことは本当に幸せなのか、話し合いたくなる結びです。

出典台帳 — このページの「本物」の証明

英文
原文そのまま(1語も書きかえていません)。Project Gutenberg 電子書籍 #1597(Hans Christian Andersen (tr. H. P. Paull et al.)、1846年の本)
挿絵
この本(底本)には挿絵がありません。ページの絵は、場面をイメージして AI(Codex)で描いたものです(本の挿絵ではありません)。
朗読
Kathy Wright(LibriVox のボランティア。Andersen's Fairy Tales (Version 2)「The Shoes of Fortune, Part 2」)。録音はパブリックドメインで、元のファイルをそのまま使っています(音質を落とす加工なし)。
照合
朗読を音声認識(Whisper)で文字起こしし、原文と1語ずつ照らし合わせました。一致率 95.2%
文が光るタイミングはこの照合で決めています。
和訳
和訳はAIと人が作成。AIは3重チェック。人の目でも順次確認しています。英文には一切手を入れていません。