慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)の英語。
受験生なら誰もが知っている、日本の大学入試で最も長い英語長文が出題される学部です。
700語級の長文が2題、1,000語超の”超長文”が1題。
合計約2,500語。設問は全60問。しかも設問も全部英語。
試験時間は120分。「余裕じゃん」と思うかもしれません。
でもこの120分には小論文の時間は含まれていません——英語だけで120分です。それでも時間が足りない受験生が続出するのがSFCの恐ろしさ。
特に大問3の超長文パート。ここで30問が出題され、配点の半分がこの1題に集中しています。
「全文をていねいに読んでから設問を解く」——この正攻法で撃沈する受験生が、毎年あとを絶ちません。
そこで今回は、SFC英語を戦略的に攻略するための読み方、
“スキャニング・メソッド”を徹底解説します。
攻略法を語る前に、まずSFC英語の構造を完璧に把握しましょう。
敵を知らずに戦場に出るのは自殺行為です。
| 項目 | 大問1・2 | 大問3(超長文) |
|---|---|---|
| 語数 | 各700語前後 | 1,000〜1,200語超 |
| 設問数 | 各15問 | 30問 |
| 設問形式 | 空所補充10+内容一致5 | 空所補充20+内容一致10 |
| 目標時間 | 各30〜35分 | 45〜50分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
注目すべきは大問3。30問で全体の半分を占めるうえ、語数も最長。
ここで「時間切れで読めなかった」は致命傷になります。
⚠️
SFC英語最大の罠
設問も全部英語で書かれています。つまり本文2,500語+設問の英語(約500語)=合計3,000語以上の英語を処理する必要があるのです。「長文を読む力」だけでなく「英語で情報処理する力」が問われます。
多くの受験生がやりがちなのが、こんな読み方です:
🚫 典型的な失敗パターン
① 大問1を最初から最後まで丁寧に読む(40分)
② 大問2も同じように読む(40分)
③ 大問3に入ったとき、残り40分
④ 1,000語超の超長文+30問を40分で?→ パニック
これは「真面目な人ほどハマる罠」です。
SFCの英語は全文を精読することを想定していません。
出題者が求めているのは、「膨大な英文から必要な情報を素早く取り出す力」——つまり情報処理能力です。
ここで必要になるのが、英語リーディングの世界でScanning(スキャニング)と呼ばれる技術です。
英語のリーディングには、大きく分けて3つの読み方があります。
| 読み方 | 英語名 | 目的 | 日常の例え |
|---|---|---|---|
| 精読 | Intensive Reading | 全文を正確に理解する | 契約書を1行ずつ確認 |
| 速読 | Skimming | 全体の大意をつかむ | 新聞の見出しを流し読み |
| 走査読み | Scanning | 特定の情報だけを探す | 電話帳で名前を探す |
Scanning=テキストの中から特定の情報だけをピンポイントで探し出す読み方。
辞書で単語を引くとき、あなたは1ページ目から順番に読みますか?
読みませんよね。目当ての文字に向かって一直線に目を走らせるはずです。
それがScanningです。
SFCの英語、特に大問3では、このScanningの技術が合否を分けるのです。
🗣 ネイティブの研究者も使っている
Scanningは「手抜き」ではありません。英語圏の大学生は論文を読むとき、まずScanningで必要な箇所を特定し、そこだけ精読するのが当たり前。むしろ「全部読む」方が非効率とされています。
ここからが本題です。
SFCの大問3(超長文+30問)を25分以内で処理するための具体的な手順を解説します。
設問を”先に”読む(3分)
本文に一切触れる前に、30問の設問すべてに目を通す。
「何を聞かれるのか」を先に知ることで、本文を読むときの目的が明確になります。
特に注目すべきは “In the Nth paragraph…” という指示。これが出てきたら、その段落番号を本文にマーキングしておきましょう。
段落に”濃淡マーク”をつける(1分)
設問で名指しされた段落は「精読ゾーン」(★マーク)。
名指しされていない段落は「スキミングゾーン」(△マーク)。
この時点で「ここは飛ばしていい」「ここは集中する」という地図が完成します。
各段落の”第1文だけ”を拾い読み(3分)
英語の論説文では各段落の第1文(トピックセンテンス)に要点が凝縮されています。
全段落のトピックセンテンスだけを読むことで、文章全体の論理の流れを2〜3分で把握できます。
この段階で「何の話をしている文章か」「どこで論点が変わるか」が見えてきます。
段落ごとに3〜5語のメモを余白に書いておくと、後半の内容一致問題で威力を発揮します。
★ゾーンだけ精読しながら設問を解く(15分)
ここがメインの作業。設問が指定した段落だけを集中的に読み、その場で解答します。
空所補充問題は、空欄の前後2〜3文を精読すれば解けることがほとんど。
文法的なつながり・コロケーション・5文型がヒントになるケースが非常に多いです。
△ゾーンは第1文の情報だけで判断し、詳細が必要な場合のみピンポイントで読みます。
全体内容一致問題を段落メモで処理(3分)
後半に出てくる「文章全体の趣旨に合うものを選べ」系の問題。
ステップ3で書いた段落メモを見れば、文章全体の流れが一目でわかるので、再読不要。
迷った選択肢があれば、該当の段落だけScanningで確認して解答。
⏱
合計時間の目安
設問先読み(3分)+ 濃淡マーク(1分)+ トピックセンテンス拾い読み(3分)+ 精読&解答(15分)+ 全体問題(3分)= 約25分
残りの5分を見直しに使えば、大問3だけで30分以内に完了できます。
せっかくなので、この2つの読み方を英語でも理解しておきましょう。
英検やTOEFLのリーディングでもそのまま使える知識です。
💡 覚え方のコツ
Scan = スキャナーのScan。バーコードリーダーのようにピンポイントで情報を読み取る。
Skim = スキムミルク(脂肪を取り除いた牛乳)のSkim。表面をサーッとすくい取るイメージ。
スキャニング・メソッドでは、ステップ3でSkimmingを使い、ステップ4でScanningを使う——つまり両方の技術を戦略的に組み合わせています。
SFCの空所補充問題で圧倒的に多いのが、文のつなぎ(ディスコースマーカー)とコロケーションが関わる問題です。
以下はSFCで出やすいディスコースマーカーのリスト。空所補充の選択肢に頻出です。
これらを見た瞬間に「あ、ここは空所の前後の論理関係がカギだ」と判断できれば、
本文全体を読まなくても空欄の前後2〜3文だけで正解が出せるケースが大量にあります。
スキャニング・メソッドを全大問に適用したときの、理想的な時間配分はこちら。
| フェーズ | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 大問1 | 30分 | 設問先読み→本文読解→解答(15問) |
| 大問2 | 30分 | 設問先読み→本文読解→解答(15問) |
| 大問3 | 45分 | スキャニング・メソッド全開(30問) |
| 見直し | 15分 | マーク確認・迷った問題の再検討 |
💡
大問1・2でもスキャニングは使える
大問1・2は語数が短いので全文精読でも対応可能ですが、設問先読みはすべての大問で必須です。先に設問を読んでおくだけで、読むスピードと正答率が劇的に変わります。
大事なことを言います。
スキャニングは「テクニック」であって「魔法」ではない。
テクニックが効果を発揮するには、最低限の語彙力・文法力が土台として必要です。
SFCの英語は英検準1級〜1級レベルの単語が普通に出てきます。
知らない単語だらけの状態では、いくらスキャニングしても情報を拾えません。
語彙力という「基礎体力」があって初めて、スキャニングという「戦術」が活きる。
両方セットで仕上げてください。
📋 SFC超長文 スキャニング・メソッド
Step 1:設問を先読みし、段落指定をチェック(3分)
Step 2:段落に「精読ゾーン★」「スキミングゾーン△」をマーク(1分)
Step 3:全段落のトピックセンテンスを拾い読み+段落メモ(3分)
Step 4:★ゾーンだけ精読し、設問をその場で解答(15分)
Step 5:全体問題を段落メモで処理(3分)
SFCの英語は、「頭から全部読む」のではなく「設問から逆算して読む」試験です。
出題者が求めているのは、膨大な英文から必要な情報を素早く正確に取り出す力。
これはまさに、大学に入ってから論文を読むときに求められるスキルそのものです。
スキャニング・メソッドを身につければ、SFCの英語は「長いだけの難問」から「戦略で攻略できる良問」に変わります。
SFCの英語は、たしかに日本一レベルの超長文が出ます。
帰国子女も大量に受験してきます。
でも、「長い」と「解けない」はイコールではありません。
正しい戦略を知り、十分な語彙力をつけ、過去問で練習を重ねれば、
純日本人の受験生でも合格点は十分に取れます。
この記事を読んだあなたは、もう「全部読まなきゃ」という呪縛から自由になっています。
設問から読め。濃淡をつけろ。段落メモを残せ。
この3つを意識するだけで、あなたのSFC英語は確実に変わります。
SFCで待ってます。
がんばれ、受験生。
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