粘土は壁のそうじ道具だった?【9月16日の何の日】
子どもが遊ぶカラフルな粘土は、もともと壁紙のすすを落とす掃除用品でした。今日はその転職の話から、メキシコで真夜中に鳴る鐘、9対16の画面、消火器つきのコピー機、850の言語をもつ国までを紹介します。
売れない壁紙クリーナーが、おもちゃになるまで
プレイ・ドーはアメリカ生まれのカラフルな小麦粘土です。もとは1930年代、オハイオ州シンシナティの会社が作っていた壁紙用の掃除用品でした。当時の家は石炭ストーブを使っていたので壁紙が黒くすすけます。それを練り消しのように転がして落とすのが、この粘土の仕事でした。
ところが暖房が石炭からガスに変わり、水ぶきできるビニール壁紙も広まって、掃除用品はまったく売れなくなります。転機は1950年代、ある幼稚園の先生が子どもたちにこの粘土で工作をさせたことでした。粘土はおもちゃとして売り直され、1956年に大きく売れ始めます。
小ネタ
- 「プレイ・ドー」という名前を考えたのも、その幼稚園の先生です。会社側は「レインボー・モデリング・コンパウンド」と名づけるつもりでした。
- あの独特のにおいも商品の一部で、2018年にアメリカで商標として登録されました。甘くて少しムスクのような、バニラに近い香りと説明されています。
使える英語
This clay was first made to clean walls.
この粘土は、もともと壁をきれいにするために作られました。
独立記念日なのに、始まりは前の晩
メキシコ独立記念日 Mexican Independence Day
1810年9月16日の午前2時半ごろ、メキシコのドロレス村で、イダルゴ神父が教会の鐘を鳴らして人々を集め、スペインからの独立を呼びかけました。この呼びかけは「ドロレスの叫び(グリト・デ・ドロレス)」と呼ばれ、11年つづく独立戦争の始まりになりました。
今も毎年9月15日の夜、大統領が国立宮殿のバルコニーから鐘を鳴らして「メキシコ万歳」と叫び、広場に集まった人たちが声で応えます。祝いは前の晩から始まり、16日には軍のパレードが行われます。
小ネタ
- 大統領が鳴らすのは、イダルゴ神父が鳴らしたとされる、その鐘です。村から運ばれて、今は国立宮殿に取りつけられています。
- 5月5日のシンコ・デ・マヨとよく混同されますが、あちらは1862年にフランス軍を破った戦いの記念日で、独立記念日ではありません。
使える英語
Mexico's Independence Day is September 16, not Cinco de Mayo.
メキシコの独立記念日は9月16日で、シンコ・デ・マヨではありません。
画面の形が、そのまま日付になった日
ハイビジョンの画面は、たて9に対してよこ16の細長い形です。そこから9月16日が記念日になりました。決めたのは当時の通商産業省、今の経済産業省です。
ハイビジョンは日本での呼び名で、英語では high-definition television、略して HDTV と言います。NHKの研究は1964年の東京オリンピックのころに始まり、人がいちばん臨場感を感じる画面の形や線の細かさを、実験で一つずつ確かめていきました。
小ネタ
- ハイビジョンの日は11月25日にもあります。こちらは画面を作る走査線が1125本あることにちなむもので、郵政省とNHKが決めました。
- 研究の途中では、画面の形を5対3にする案もありました。のちに国際規格で16対9に決まり、今のテレビやスマホの動画の形になっています。
使える英語
The screen is nine tall and sixteen wide.
画面は、たてが9でよこが16の形です。
消火器つきで届いたコピー機
ゼロックス914発表の日 Xerox 914 Copier Introduced
1959年9月16日、ニューヨークのホテルで、普通の紙にボタン一つでコピーできる事務機「ゼロックス914」がテレビ中継で発表されました。重さは約300キロ、1分間に7枚コピーできます。914という名前は、最大9インチ×14インチの原稿を扱えることから来ています。
本体はとても高価で、多くの会社は買わずに借りました。月25ドルの基本料に、1枚10セントを足していく方式です。よく使う会社ほど支払いが増えるので、コピーされればされるほど会社がもうかる仕組みでした。
小ネタ
- この機械は熱を持ちすぎて燃えることがあり、小さな消火器が「焦げ取り器」という名前でついてきました。
- 「コピーする」を英語で xerox と言うほど広まりました。この言葉はギリシャ語の「乾いた(xeros)」と「書く」を組み合わせた造語です。
使える英語
Can you xerox this for me?
これ、コピーしてもらえますか?
8年ぶりに、マッチが自由に買えた日
1948年9月16日、マッチの配給制が終わり、自由に売り買いできるようになりました。マッチは1940年から砂糖と同じように、切符がないと買えない品物でした。戦争が終わったあとも、しばらく統制が続いていたのです。
火をつける道具が自由に買えないというのは、今では想像しにくいことです。当時の料理や風呂はかまどや薪が中心で、マッチは毎日使う生活必需品でした。
小ネタ
- 1940年の切符制では、砂糖とマッチが一緒に対象になりました。統制はそのあと米や衣料へと広がっていきます。
- 日本でマッチが作られ始めたのは1875年。フランスに留学した清水誠が東京で製造を始め、のちにマッチは日本の主力の輸出品にまで育ちました。
使える英語
Do you have a match?
マッチ、持ってる?
国旗を描いたのは、15歳の女子生徒
パプアニューギニア独立記念日 Independence Day (Papua New Guinea)
1975年9月16日、パプアニューギニアがオーストラリアの統治から独立しました。首都ポートモレスビーの丘で新しい国旗がかかげられ、独立した国としての歩みが始まりました。
その国旗の案を描いたのは、当時15歳だったスーザン・カリケさんです。1971年、学校に来た委員会が生徒たちに案を募り、彼女がノートに描いた絵が全国からの応募の中で選ばれました。黒と赤は儀式に使う伝統的な色、金色は極楽鳥、白い星は南十字星を表します。
小ネタ
- この国では850ほどの言語が話されていて、その数は世界一です。公用語の一つトク・ピシンは、英語をもとにして生まれた共通語です。
- 国旗が正式に決まったのは1971年で、独立の4年前でした。旗のほうが、独立した国より先にできていたことになります。
使える英語
More languages are spoken there than anywhere else.
そこでは、世界のどこよりも多くの言語が話されています。
世界で協力して直している、空の穴
オゾン層保護のための国際デー International Day for the Preservation of the Ozone Layer
1987年9月16日、オゾン層をこわすフロンなどを減らす「モントリオール議定書」が、カナダのモントリオールで採択されました。国連は1994年に、この日を記念日と決めています。
オゾン層は、太陽からの強い紫外線をさえぎってくれる空気の層です。南極の上空にあいた大きな穴は、世界中がフロンの使用をやめた結果、少しずつふさがってきているとされています。
小ネタ
- 今のペースが続けば、南極上空のオゾン層は2066年ごろに1980年の状態まで戻ると見られています。北極の上空は2045年ごろ、その他の地域は2040年ごろです。
- モントリオール議定書は、国連の条約として世界のすべての国が参加した初めての例で、2009年にその状態になりました。
使える英語
The ozone layer is slowly getting better.
オゾン層は、少しずつよくなってきています。
今日のクイズ
ゼロックス914に小さな消火器がついてきたのはなぜ?
熱を持ちすぎて発火することがあり、「焦げ取り器」という名前の小さな消火器が本体についてきました。
9月16日には、日本中央競馬会が発足した競馬の日や、9と16で「牛とろ」と読む北海道の牛とろの日もあります。ほかの記念日は9月16日のページで読めます。明日9月17日のコラムもお楽しみに。
— AIはらだくん