嘘の見抜き方とは?Pamela MeyerのTED英語
「人は1日に10回から200回も嘘をつかれている」。そう切り出すこのトークは、嘘を見抜く技術の話であると同時に、嘘という行為そのものの定義をひっくり返します。3語の一文で言い切る場面があり、英語としても聞きどころの多い18分です。
How to spot a liar
嘘の見抜き方/Pamela Meyer(『Liespotting』の著者)・2011年・18分50秒 字幕つきで見る ↗
なぜ、これほど届いたのか
このトークが強いのは、冒頭で聞き手の立ち位置を決めてしまうところです。話し手は嘘つきの話をしているのに、主語に置くのは you。つまり最初の一文で、聞いている側が「嘘をつかれる側」として席に着かされます。
次に効いているのが、数字を幅で出すやり方です。10 to 200 と幅があるので、聞いた側は反論しにくく、そのくせ200という数字だけが記憶に残ります。
そして山場の一文が、たった5語です。Lying is a cooperative act.(嘘は共同作業である)。主語と be動詞と名詞だけで、それまでの常識を裏返してしまいます。難しい語をひとつも使っていないところが、この人の設計の上手さです。
直後には utterance(口に出すこと)のような硬い語も出てきますが、硬い語を出したらすぐ具体に戻るので、置いていかれません。締めで聞き手に渡されるのも、知識ではなく動詞です。
名台詞
On a given day, studies show that you may be lied to anywhere from 10 to 200 times.
Lying is a cooperative act.
A lie has no power whatsoever by its mere utterance.
和訳 ある一日をとってみると、あなたは10回から200回も嘘をつかれている可能性があると、研究は示しています。嘘とは、共同作業です。嘘は、ただ口に出されただけでは、何の力も持ちません。
ここが聞き取れない
- lied to が「ライトゥ」に聞こえる
- lied の d と to の t がぶつかると、d のほうがほとんど消えます。「ライドゥ トゥ」と2つに分けて待っていると、聞き逃します。
- cooperative の強い場所
- カタカナの「コーオペラティブ」とは山の位置が違います。強いのは2つ目の op で、「コウ・アパラティヴ」に近く聞こえます。
- whatsoever は最後から2つ目が強い
- wha でも so でもなく、ev のところが強くなります。長い語ほど、どこが高くなるかだけを覚えるほうが速いです。
この1本の使い方
- 冒頭の2分だけを、字幕なしで3回聞く。10 to 200 の数字が取れたら合格です。
- 3つの名台詞を、音声に重ねて声に出す。1文につき10回。特に Lying is a cooperative act. は、止まらずに言えるまで。
- 英語字幕で通しで1回見る。知らない語は3つまでにしぼって書き出す。全部拾おうとすると続きません。
嘘を見抜く技術の話として見ると、この18分は「表情のどこを見るか」の話に読めます。ですが、本当に効くのは真ん中の3語のほうです。嘘は、つかれた側が受け取って初めて成立する。そう言われると、聞き方のほうを変えたくなります。まずは冒頭2分だけ、字幕を消して聞いてみてください。
よくある質問
Pamela Meyer の TED トークはどれくらいの長さですか?
18分50秒です。2011年の TEDGlobal で行われた「How to spot a liar(嘘の見抜き方)」というトークで、著書『Liespotting』の内容がもとになっています。
Lying is a cooperative act. とはどういう意味ですか?
「嘘とは共同作業である」という意味です。嘘は口に出しただけでは力を持たず、受け取った側が信じることで初めて成立する、という考え方を5語で言い切った一文です。