Julian TreasureのTED英語|HAILの話し方
『人々が耳を傾けたくなる話し方』というTEDトークで、音の専門家が声の使い方を解説します。Honesty・Authenticity・Integrity・Loveの頭文字が、そのまま『歓迎する』という単語になる仕掛けに注目です。
How to Speak So That People Want to Listen
人々が耳を傾けたくなる話し方/Julian Treasure(サウンド(音)の専門家)・2013年・約10分 字幕つきで見る ↗
なぜ、これほど届いたのか
冒頭の一文 "The human voice — it's the instrument we all play." は、聴衆全員を「話し手」として巻き込む主語の置き方です。抽象的な話術論ではなく、自分自身の道具として声を意識させる入り方になっています。
続く "It's the only one that can start a war or say 'I love you.'" は、戦争と愛の告白という正反対の結果を1文に並べる対句です。声の力の大きさを、一瞬で印象づけます。
中盤に出てくる HAIL(Honesty・Authenticity・Integrity・Love)は、4つの単語の頭文字を、そのまま『歓迎する』という意味の単語に組み立てている点が巧みです。内容と音の両方で記憶に残ります。
締めの一文も、TEDのスローガンである "ideas worth spreading"(広める価値のある考え)に自分の主張を接続させて終わっており、余韻を残さず、次に聴衆が持ち帰る合言葉で終わる構成になっています。
名台詞
The human voice: It's the instrument we all play. It's the most powerful sound in the world, probably. It's the only one that can start a war or say 'I love you.'
The H, honesty, of course, being true in what you say, being straight and clear. The A is authenticity, just being yourself. A friend of mine described it as standing in your own truth, which I think is a lovely way to put it. The I is integrity, being your word, actually doing what you say, and being somebody people can trust. And the L is love.
That would be a world that does sound beautiful, and one where understanding would be the norm, and that is an idea worth spreading.
和訳 人間の声。それは、私たち全員が奏でる楽器だ。おそらく世界でいちばん強力な音だろう。戦争を始めることも、『愛してる』と言うこともできる、唯一の音なのだから。Hは正直さ。話す内容に嘘がなく、まっすぐで分かりやすいこと。Aは本物であること、つまり自分らしくいること。友人はこれを『自分の真実の上に立つこと』と言い表したが、素敵な言い方だと思う。Iは誠実さ、自分の言葉に責任を持ち、言ったことを実行し、信頼される人であること。そしてLは、思いやりだ。それは、確かに美しく響く世界であり、理解し合うことが当たり前になる世界だろう。それこそ、広める価値のある考えだ。
ここが聞き取れない
- 対句のリズム
- "start a war" と "say 'I love you'" のように、正反対の内容を同じ長さで並べると、英語は驚くほど耳に残ります。声に出して読むときも、間を置く場所は同じにしてみてください。
- 頭文字がそのまま単語になる仕掛け
- HAIL は、Honesty・Authenticity・Integrity・Love の頭文字であり、同時に「歓迎する」という意味の単語でもあります。4つの単語を覚えるとき、この仕掛けごと覚えると忘れにくくなります。
この1本の使い方
- 字幕なしで、まず10分を通しで聞く。聞き取れない単語があっても止まらない。
- 上の3つの引用を、間の取り方を意識しながら声に出して3回ずつ読む。
- 今日これから話す予定の場面を1つ選び、HAILの4つのうちいちばん足りていないと思う1つを、英語で1文だけ書いてみる。
このトークが伝えているのは、話し方のテクニックではありません。正直さ・自分らしさ・誠実さ・思いやりという、当たり前のようで難しい4つを、声にどう乗せるかという話です。今日は3つの引用を音読するところまでで十分です。明日は、字幕なしでもう一度、同じ10分を聞いてみてください。
よくある質問
このTED動画は、どんな人におすすめですか?
人前で話すときの声の使い方や、相手に伝わる話し方を知りたい人におすすめです。抽象的な「話し方」の話を、HAILという覚えやすい頭文字にまとめているので、英語が中級レベルでも要点をつかみやすくなっています。
HAILとは何ですか?
Julian Treasureが提案する、伝わる話し方の4つの要素の頭文字です。Honesty(正直さ)、Authenticity(自分らしさ)、Integrity(誠実さ)、Love(思いやり)を指し、この4つを合わせるとHAIL(歓迎する)という英単語になります。