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原田英語の沼 Harada Eigo no Numa

TED FOR LEARNERS NEW

TED史上屈指の1本を、英語教師が3分だけ切り取ってみる

Amy Cuddy「ボディランゲージ」。20分を通しで見ると挫折します。名台詞のある1分だけを、10回まわしてください。

Your body language may shape who you are

ボディランゲージが人をつくる/Amy Cuddy(社会心理学者)・2012年・約21分 字幕つきで見る ↗

なぜ、これほど届いたのか

TEDを英語学習に使って挫折する人には、共通のパターンがあります。いきなり字幕なしで21分を通しで見る。無理です。

このトークを教材として見ると、優れているところが3つあります。

① 1文が短い。関係代名詞で節を重ねる話し方をほとんどしません。短い文を積むだけで意味が作れるという、話し言葉の基本形がここにあります。

② 抽象語を使わない。two minutes、your body、your phone。手で触れるものに落として話すから、英語が母語でない人にも届きます。

③ 同じ形をくり返す。聞き手は2回目で構えができ、3回目で意味を予測できる。くり返しは、聞き取りの補助輪です。

なお、このトークの科学的な主張(姿勢がホルモンに影響する)は、その後の追試で再現できないという報告が相次ぎ、いまも議論が続いています。それでも英語の教材としての価値は変わりません。主張の当否と、話し方のうまさは別の話です。

名台詞

Don't fake it till you make it. Fake it till you become it.

Our bodies change our minds, and our minds can change our behavior.

Tiny tweaks can lead to big changes.

和訳 「できるまでふりをしろ」じゃない。「そうなるまでふりをしろ」だ。 体が心を変え、心が行動を変える。 小さな調整が、大きな変化につながる。

ここが聞き取れない

want to → ワナ
I want to ask you の t は消えて wanna に近い音になります。文字を追っていると永久に聞こえません。「ワナ」と覚えて、自分でもそう言ってしまうのが早道です。
till you → ティリュ
Fake it till you make it. の till you は l と y がくっつきます。さらに fake it は「フェイキッ」。単語の切れ目は、音の切れ目ではありません。
can / can't
肯定の can は弱く「クン」としか聞こえません。逆に can't は強く長い。強く聞こえたら否定、が実戦の見分け方です。

この1本の使い方

  1. 日本語字幕で1回、通して見る。内容を先に知っておく。「分からない不安」を消してから英語に入るのが鉄則です。
  2. 名台詞のある1分だけを、英語字幕で3回。知らない語は3つだけ拾う。それ以上は拾わない。
  3. 字幕を消して、同じ1分をシャドーイング。0.5秒遅れで追いかける。ここまで来ると、上の3つの音が自分の口から出るようになっています

英語の先生として言わせてもらうと、このトークの価値は Fake it till you become it. の一言に集約されています。

有名な言い回しを、1語だけ変えて自分の主張に作り替える。これは英語のいちばん powerful な使い方で、日本の英語教育がまず教えないものでもあります。

私たちは慣用句を「そのまま覚えなさい」と教わってきました。でもネイティブは、覚えた形を平気で壊します。壊して、そこに自分の意味を入れる。

21分のうち、まずは1分でかまいません。今日はそこだけ、10回聞いてみてください。

あわせて見る

Do schools kill creativity?|Sir Ken Robinson (TED) 同じくTED屈指の再生数。こちらはイギリス英語で、間の取り方がまるで違います。聞き比べると発見があります

よくある質問

このトークの内容は科学的に正しいのですか?

姿勢がホルモンに影響するという部分は、その後の追試で再現できないという報告が相次ぎ、心理学の世界では議論が続いています。本記事は英語の話し方を教材として扱うもので、主張の当否とは切り離して読んでください。

TEDは初心者には難しくありませんか?

21分を通しで見ようとすると難しく感じます。名台詞のある1分だけを繰り返す使い方なら、中級の手前からでも取り組めます。

TEDで英語(原田先生の視点で読む)をもっと読む 万バズしたTEDを、英語学習の教材として解剖する 一覧へ → Haradaeigo.com 原田英語.com(本体サイト)へ戻る 英語コラム、スラング辞典、英検対策、授業実践。 20年ぶんの記事が本体サイトにあります。 原田英語.com を見る