本文へスキップ
本体サイト 原田英語.com に戻る

原田英語.com 別館

原田英語の沼 Harada Eigo no Numa

ASK MR. HARADA

BYOBとは?アメリカのお店にお酒を持ち込めるんですか?

アメリカのレストランの張り紙にある「BYOB」は、客が自分のお酒を持ち込んでよいという意味です。背景にあるのは、お酒を店で売るための許可(リカー・ライセンス)が取りにくい地域が多いというアメリカの事情でした。

修学旅行でアメリカに行ったとき、レストランのドアに「BYOB」と書かれた張り紙があって、意味が分からず戸惑いました。もしかして、お店にお酒を持ち込んでいいということですか?だとしたら、なぜそんな仕組みがあるんですか?

高校3年生・修学旅行でアメリカに行ったさんより

はい、その通りです。BYOB(Bring Your Own Bottle=自分のお酒を持ってきてね)は、客が自分のお酒を店に持ち込んでよいという意味です。背景にあるのは、アメリカの複雑な酒類販売の許可(リカー・ライセンス)制度。お酒を店で売る許可を取るのが難しい地域で、この仕組みが広まりました。

始まりは、1915年にアラバマの新聞に載った漫画でした

記録に残るいちばん古い例は、1915年12月26日、アラバマ州の新聞「モンゴメリー・アドバタイザー」に載った漫画です(Wikipedia|BYOB)。作者はフランク・M・スパングラー。当時のアラバマ州は州の法律で禁酒に踏み切ったところで、酒を売ることは禁止でも、飲むこと自体は禁止していませんでした。だから、自分の分は自分で持っていくしかなかったのです。招待状の、ふつうなら RSVP(お返事ください)と書かれる場所に「BYOL」という見慣れない文字があり、登場人物がそれを社交名鑑で調べる、という内容の漫画で、答えは Bring Your Own Liquor(自分の酒を持ってきてね) でした。

このジョークは1919年6月ごろから全国の新聞に広まりはじめ、その年の終わりには広く出回っていたとされています。ちょうどアメリカ全土が禁酒法(1920年施行)に向かっていた時期でした。

いまの形になったのは、リカー・ライセンスの壁のためです

禁酒法が終わったあとも、お酒を店で売るための許可(リカー・ライセンス)は、簡単には取れません。地域によっては発行数そのものに上限があり、順番待ちや高額な費用が必要になることもあります。

そこで、許可を取れない飲食店が、代わりに「お酒は各自で持ってきてください」という形を選ぶようになりました。1950年代には、いまと同じ bring your own bottle という言い方が、酒類販売の許可を持たないレストランの話として使われるようになりました(前掲・Wikipedia)。

いちばん有名なのはフィラデルフィアです。ペンシルベニア州は住民3,000人につき1つしか許可を出さないと決めており、そのぶん許可の値段が跳ね上がりました。そこで小さな個人経営の店が許可を取らずにBYOBを選び、周辺を含めて300軒を超えるBYOBの店が集まっていますVisit Philadelphia|BYOB Restaurants: A Philadelphia Phenomenon)。お店によっては、持ち込んだお酒を開けてもらう際に corkage fee(持ち込み料)という少額の手数料がかかることもあります。

会話で見る
A

This place says BYOB on the door. What does that mean?

B

It means we can bring our own wine or beer.

A

Really? Do we need to buy it somewhere first?

B

Yeah, there's a liquor store just around the corner.

和訳
  • A このお店、ドアに「BYOB」って書いてある。どういう意味?
  • B 自分たちでワインやビールを持ち込めるってことだよ。
  • A 本当に?どこかで先に買っておく必要があるの?
  • B うん、すぐそこの角に酒屋があるよ。
耳で確かめる

Is this restaurant BYOB?

We're BYOB, so feel free to bring your own wine.

There's a small corkage fee if you bring your own bottle.

和訳
  • このレストランはBYOB(酒持ち込み可)ですか?
  • うちはBYOBなので、お好きなワインを持ってきていただいて大丈夫です。
  • ご自分でお酒を持ち込む場合、少額の持ち込み料がかかります。

明日から使えるのは、Is this place BYOB?(ここは酒持ち込み可ですか)の1文です。張り紙の意味が分からず困ったら、まずお店の人に聞いてみてください。次にアメリカのレストランへ行く機会があれば、BYOBの張り紙を探してみるのも面白いと思います。

動画で見る

The BYOB Restaurant Business Model: Cut Costs, Simplify Operations, and Increase Profit (Toast, Inc.) BYOBというしくみが、アメリカの飲食店経営でどう使われているかを解説する動画です。

このコーナーは、いただいた質問でできています。どんなに小さな疑問でも お問い合わせフォーム からお送りください。

1問だけ

アメリカのレストランで見かける「BYOB」とは、どういう意味ですか?

よくある質問

BYOBとはどういう意味ですか?

Bring Your Own Bottleの略で、客が自分のお酒をレストランに持ち込んでよいという意味です。お店によっては、開栓してもらう際にcorkage fee(持ち込み料)という少額の手数料がかかることがあります。

なぜアメリカにBYOBの店が多いのですか?

お酒を店で販売するための許可(リカー・ライセンス)が、地域によっては発行数に上限があったり取得が難しかったりするためです。許可を取れない飲食店が、代わりに客に自分のお酒を持ってきてもらう形を選ぶようになりました。

教えて原田先生!をもっと読む 生徒と読者からの英語の質問に、全力で答えます 一覧へ → Haradaeigo.com 原田英語.com(本体サイト)へ戻る 英語コラム、スラング辞典、英検対策、授業実践。 20年ぶんの記事が本体サイトにあります。 原田英語.com を見る