数字が出てくる読解問題の解き方|数字の前後の1語を疑う
本文に出てくる数字と選択肢の数字が一致していれば正解、とは限りません。数字そのものではなく、数字のすぐ前後にある1語(more than、nearly、about など)が入れ替えられていないかを見る手順を、自作の実演つきで解説します。
たぶん、こう解いています
多くの生徒は、本文の数字と選択肢の数字が同じかどうかだけを確かめて、正解を決めてしまいます。これでは足りません。入試問題の作成者は、数字そのものはそのまま使い、その前後にある1語だけをすり替えて、もっともらしい誤りの選択肢を作ります。
"more than 300"(300人以上)を "exactly 300"(ちょうど300人)に、"nearly half"(半数近く)を "more than half"(半数以上)に変える、というのが典型的な手口です。数字だけを見ていると、この1語の違いに一生気づけません。
原田英語式手順
- 本文中の
数字に 丸をつけ、 直前・直後の 1語に 下線を 引く "more than" "less than" "nearly" "about" "over" "exactly" "at least" のような、数字の意味を決める1語だけに下線を引きます。数字と、この1語はセットで覚えておきます。
- 選択肢の
数字が、 本文の 丸と同じかを 確認する まず数字そのものが一致しているかどうかだけを見ます。数字が違っていれば、その時点で不正解です。ここまでは、多くの生徒がすでにやっている作業です。
- 数字が
一致していても、 前後の 1語が 同じ意味かを 必ず照らす 数字が一致していても、油断しないでください。"nearly"(〜近く、〜未満)と "more than"(〜以上)は、同じ数字を使っていても意味がまったく逆です。本文の下線と、選択肢の同じ位置にある語を、指で押さえながら見比べます。
- 選択肢が
本文に 無い情報を 付け足していないか 確認する 数字も前後の1語も合っているのに、場所や理由が本文に書かれていない情報にすり替わっている選択肢もあります。数字の周りだけでなく、その1文全体を本文と照らして確認します。
やってみる
次の英文は、この記事のために書き下ろした練習用の文章です。設問に答えてください。
A small library in a rural town started a summer reading program three years ago.
In the first year, more than 300 children joined the program.
The number grew every year, and this summer, nearly 900 children took part.
The librarian said the program succeeded because local schools started giving extra credit to students who joined.
本文の内容と一致するものはどれか。
選んでみてください。押すと、答えと解説が出ます。
正解は ①
英文の意味
ある田舎町の小さな図書館が、3年前に夏の読書プログラムを始めた。1年目には、300人以上の子どもがこのプログラムに参加した。その数は毎年増え、この夏は900人近くの子どもが参加した。図書館司書は、地元の学校が参加した生徒に加点を与えるようになったことが、プログラム成功の理由だと語った。
2文目に "more than 300 children"(300人以上)とあり、3文目に "nearly 900 children"(900人近く)とあります。この2つの数字と、その前後の1語をセットで覚えておくことが出発点です。
- ②は "nearly 900"(900人近く)を "exactly 900"(ちょうど900人)にすり替えた誤りです。数字は合っていても、"nearly" と "exactly" では意味が違います。③は "nearly"(〜近く、〜未満)を "more than"(〜以上)に変えており、これも数字の前後の1語をすり替えた誤りです。④は4文目の内容とずれており、成功の理由は『学校の加点』であって『図書館の予算』ではありません。本文に無い情報にすり替えられています。
したがって、"more than 300" と "nearly 900" の両方を、前後の1語まで含めて正しく引用している①が正解です。
数字が出てくる読解問題で見るべきは、数字そのものの一致ではありません。"more than" "nearly" "about" のような、数字の直前・直後にある1語まで含めて、本文と選択肢を照らし合わせることです。数字が同じだからといって、油断しないでください。
明日、この形式の問題を解くときは、本文の数字に丸をつけたら、その両どなりの1語にも必ず下線を引くところから始めてみてください。
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1問だけ
数字を含む選択肢を検討するとき、数字が本文と一致していても油断してはいけない理由は何か。
よくある質問
数字が出てくる読解問題は、なぜ数字が合っているだけでは不十分なのですか?
入試問題では、数字そのものは変えずに、その前後にある『more than』『nearly』『about』のような1語だけをすり替えて、誤りの選択肢を作ることがよくあるためです。数字と、その前後の1語をセットで確認する必要があります。
この解き方は、資料読み取り問題と同じですか?
似ていますが別物です。資料読み取り問題はグラフや表を読む力を問いますが、この形式は本文の文章中に埋め込まれた数字の表現を、正確に読み取れているかを問います。