要旨把握問題の解き方|具体例ではなく一般文を探す
「本文の要旨として最も適切なもの」を選ぶ問題で、印象に残った具体的なエピソードを選んでいませんか。正解は、たいてい具体例をまとめた一般的な文のほうです。
たぶん、こう解いています
参考書には『本文全体をよく読んで、主旨をつかみましょう』と書いてあります。間違ってはいませんが、これも確かめ方であって探し方ではありません。
多くの生徒は、本文の中でいちばん印象に残った具体的なエピソード(数字や固有名詞が出てくる部分)と一致する選択肢を選びがちです。印象に残っているからこそ、選択肢にその内容を見つけると『これだ』と思ってしまうのですが、要旨問題の正解は、具体例そのものではなく、その具体例が何を言うために使われていたかを一般化した文であることがほとんどです。
原田英語式手順
- 選択肢を、
具体例と 一般文に 仕分ける 4つの選択肢を見て、人名・数字・固有名詞・1つの出来事だけを指しているものには印をつけます。要旨問題では、これらは正解になりにくい候補です。
- 残った
一般文の 中から、 最初と 最後の 段落に 近いものを 探す 英語の文章では、言いたいことは最初か最後の段落に置かれることが多くあります。一般文が2つ以上残ったら、本文の最初の文・最後の文と近い内容のものを優先します。
- 『言いすぎている』選択肢を
外す always・only・the only way のように、本文よりも強く言い切っている選択肢は、たとえ方向性が合っていても不正解です。本文の主張の強さと、選択肢の強さをそろえます。
- 残った
1つが、 本文の 具体例を すべて 説明できるか 確かめる 候補が1つに絞れたら、本文に出てきた具体例のどれもが、その一般文の『例』として成立するかを確認します。1つでも説明できない具体例があれば、選び直します。
やってみる
次の英文は、この記事のために書き下ろした練習用の文章です。要旨として最も適切な選択肢を選びましょう。
Many companies now let employees choose their own work hours instead of arriving at nine o'clock every day.
One company even closed its office on Fridays for an entire summer, and productivity did not drop.
Studies from several countries have found that workers who control their own schedules report less stress and stay at their jobs longer.
The bigger lesson is that flexibility, not the number of hours worked, may be the key to a happier workplace.
本文の要旨として最も適切なものはどれか。
選んでみてください。押すと、答えと解説が出ます。
正解は ①
英文の意味
多くの企業は今、社員が毎日9時に出社する代わりに、自分で勤務時間を選べるようにしている。ある企業は、夏の間ずっと金曜日をオフィス閉鎖にしたが、生産性は下がらなかった。複数の国の研究で、自分でスケジュールを管理できる労働者は、ストレスが少なく、長く仕事を続けると分かっている。より大きな教訓は、働く時間の長さではなく柔軟性こそが、幸せな職場のカギかもしれないということだ。
- ①は一般文で、4文目の "The bigger lesson is that flexibility ... may be the key" とそのまま対応します。残りの3文(多くの企業が勤務時間を選べるようにしたこと、ある企業の夏の実験、各国の研究)は、この一般文を裏付ける具体例にすぎません。
- ②は具体例そのものです。2文目に書かれてはいますが、本文の一部を説明しているだけで、要旨ではありません。
- ③は本文と逆の内容です。1文目には「9時に出社する代わりに、自分で時間を選べるようにしている」とあり、9時出社への統一とは正反対です。
- ④は言いすぎです。4文目は "may be the key"(カギかもしれない)という控えめな言い方で、しかも話題は「労働時間を減らすこと」ではなく「柔軟性」です。"the only way" のような言い切りは、本文のどこにも書かれていません。
したがって、具体例をまとめた一般文である①が正解です。
要旨把握問題で見るべきは、印象に残った具体的なエピソードではなく、それを一般化した文です。まず選択肢を具体例と一般文に仕分け、一般文の中だけで最初と最後の段落と照らし合わせれば、遠回りせずに正解へたどり着けます。
明日、この形式の問題を解くときは、選択肢に人名・数字・固有名詞が入っていないかを先に確認するところから始めてみてください。
1問だけ
要旨把握問題で、選択肢を仕分けるときにまず外すべきものは?
よくある質問
要旨把握問題で、具体的なエピソードを選ぶとなぜ不正解になるのですか?
具体例は、本文全体の主張を裏付けるための一部にすぎないからです。要旨問題の正解は、複数の具体例が何を言うために使われていたかを一般化した文であることがほとんどです。
選択肢が2つとも一般的な内容に見えるときは、どう見分ければいいですか?
本文の最初の文・最後の文と近い内容のほうを優先してください。また、always・only・the only wayのように本文より強く言い切っている選択肢は、方向性が合っていても不正解になりやすいです。