具体例と抽象的主張の対応関係の解き方|固有名詞に丸をつける
本文中の具体的なエピソードが、どの一般論を支えているのかを問う問題。生徒の多くは文意をなんとなく読んで解こうとしますが、プロは固有名詞・数字・年号の『有無』だけで抽象文と具体文を一瞬で仕分けます。
たぶん、こう解いています
多くの生徒は、本文を頭から読んでなんとなく内容を理解してから、選択肢を選ぼうとします。文章が短ければそれでも解けますが、具体例が長く続く文章では、どの一般論を説明するための具体例だったのかを見失います。
入試問題の作成者は、具体例の中の印象的な事実を1つだけ取り出します。それをそのまま『一般論』であるかのように書き換えて、もっともらしい誤りの選択肢を作るのです。文意を漠然と覚えているだけでは、この入れ替えに気づけません。
原田英語式手順
- 固有名詞・数字・年号が
出てくる 文に丸をつける 人名・会社名・地名・数字・年号が出てくる文は、ほぼ確実に具体例です。抽象的な主張の文には、これらはほとんど出てきません。読みながら、これらの文にどんどん丸をつけていきます。
- 丸をつけた具体例の
直前・ 直後に ある、 断定を 避けた 一般論の 文を探す 具体例は単独では登場しません。その前後に、many、often、tend to、it is sometimes said that のような、やわらかい言い方の一般論の文が必ずあります。この文が、具体例が支えている『抽象的な主張』です。
- 具体例の
中の1つの 行動を、 一般論の キーワードに 置き換えて 読み直す 具体例の中で登場人物が実際に何をしたかを短くまとめ、それが一般論の文のキーワードと同じことを言っているかを確かめます。ずれていれば、対応関係を取り違えています。
- 選択肢が
『事実』ではなく 『対応関係』を 正しく 述べているか 見る 誤りの選択肢は、具体例の中の事実そのものは正しく書かれていることがよくあります。問われているのは事実の正誤ではなく、その事実がどの一般論を支えているかという対応です。
やってみる
次の英文は、この記事のために書き下ろした練習用の文章です。設問に答えてください。
Many successful entrepreneurs share one habit: they treat early failures as information, not as an ending.
Sara Blakely, the founder of Spanx, has said that her father used to ask her at the dinner table what she had failed at that week.
If she had nothing to report, he seemed disappointed, because it meant she hadn't tried anything new.
This kind of thinking helped her keep experimenting even after early versions of her product were rejected by manufacturers.
本文中のSara Blakelyのエピソードが支えている一般論はどれか。
選んでみてください。押すと、答えと解説が出ます。
正解は ①
英文の意味
成功した起業家の多くには、1つの共通した習慣がある。彼らは初期の失敗を『終わり』ではなく『情報』として扱うのだ。Spanxの創業者Sara Blakelyは、父親が夕食の席で、その週に何に失敗したかを尋ねるのが習慣だったと語っている。もし報告することが何もなければ、父親はがっかりした様子を見せた。それは、彼女が何も新しいことに挑戦しなかったという意味だったからだ。こうした考え方のおかげで、彼女は製品の初期モデルがメーカーに何度も断られたあとも、実験を続けることができた。
1文目には固有名詞も数字もなく、"many entrepreneurs"というやわらかい言い方で始まっています。ここが抽象的な主張の文です。2〜4文目には"Sara Blakely""Spanx"という固有名詞が出てくるので、こちらが具体例だと分かります。
- ②は、具体例の中の『夕食の席で父親に報告する』という1つの場面だけを取り出し、それをそのまま一般論であるかのように書き換えた誤りです。本文は『家族への報告』自体を成功の習慣だとは述べていません。③も同様に、『製造業者に断られても諦めない』という具体例の後半だけを取り出しており、1文目が述べている『失敗を情報として扱う』という、より広い主張とはずれています。
したがって、1文目の一般論をそのまま正しく言い換えている①が正解です。
具体例が出てくる読解問題で最初にやることは、内容を理解しようとすることではありません。固有名詞・数字・年号に丸をつけて、抽象文と具体文をまず2種類に仕分けることです。
明日、この形式の問題を解くときは、本文を読みながら固有名詞に丸をつけ、その前後にある一般論の文を先に探すところから始めてみてください。
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1問だけ
抽象的な主張の文と具体例の文を見分ける最初の目印として、本文で紹介された基準は何か。
よくある質問
抽象的な主張の文と具体例の文は、どう見分ければいいですか?
固有名詞・数字・年号が出てくるかどうかで見分けます。これらが出てくる文はほぼ確実に具体例で、抽象的な主張の文にはほとんど出てきません。
この解き方は、内容一致問題と同じですか?
似ていますが別物です。内容一致問題は本文と選択肢の事実が一致するかを問いますが、この形式は具体例がどの一般論を支えているかという『対応関係』を正しく理解できているかを問います。