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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
COLUMN 第10回 基礎 読了 4分

単語帳の覚え方|隠した瞬間から効きはじめる

はらだコラム

テスト前に単語帳を何往復もしたのに、翌朝ほとんど思い出せない。あれは記憶力のせいではありません。「眺める」という練習が、「思い出す」という本番と違う動きだからです。意味を隠して、思い出そうとして、確かめる。順番をこれに変えるだけで、同じ10分の中身が変わります。

監修:原田高志(原田英語.com)

テスト前の夜、単語帳を1ページ目から何往復もしたのに、翌朝になるとほとんど思い出せない。そんな経験はありませんか。

あれは、記憶力のせいではありません。練習の形が、本番の形と違っていただけです。今日はその違いと、直し方を書きます。

「眺める」と「思い出す」は、別の練習です

単語帳を眺めているあいだ、意味はずっと目の前に書いてあります。つまり、「思い出す」という作業を、脳は一度もしていません。

ところがテスト本番でやることは、思い出すことだけです。練習では「見る」をやり、本番では「思い出す」をやる。やっていることが最初から違っていたのです。

泳ぎ方の本を何度読んでも、水に入らなければ泳げるようにならないのと同じです。思い出せるようになりたいなら、練習の中に「思い出す」を入れる必要があります。

見えているときの「分かる」は、あてになりません

単語の隣に意味が書いてあると、「ああ、これね」という感じがします。この「見れば分かる」を「思い出せる」と勘違いすることが、『覚えたつもり』の正体です。

本当に思い出せるかどうかを確かめる方法は、1つしかありません。隠すことです。手でも、赤シートでも、紙でもかまいません。隠した瞬間、「見れば分かる」は使えなくなり、頭の中に本当にあるものだけが残ります。

隠して、3秒詰まって、確かめる

やり方は3つの手順だけです。

  • 隠す … 意味の側を手や赤シートで隠す
  • 思い出す … 3秒だけ、日本語の意味を思い出そうとする
  • 確かめる … 開いて、合っていたかを見る

②で詰まっている3秒が、この練習の本体です。思い出そうとして頭の中を探す。その動きをするたびに、記憶は強くなります。心理学ではこれを「テスト効果」と呼びます。自分に小さなテストを出すこと自体が、覚える練習になるという意味です。

眺めるだけの10分には、この3秒が1回も入っていません。隠して回る10分には、何十回も入ります。かかる時間は同じでも、練習の回数がまるで違うのです。

思い出せなかった単語は、失敗ではありません

隠して確かめると、思い出せない単語が必ず出てきます。がっかりする場面ではありません。本番の前に、穴が見つかったということだからです。

思い出せなかった単語には、印を1つ付けてください。次の日は、印のついた単語だけを同じ手順で確かめます。思い出せたら、印はそのまま卒業です。印の数は、あなたの弱点一覧そのものになっていきます。眺めるだけの勉強では、この一覧は最後まで手に入りません。

今日の英語のひとかけら

Cover the answers and quiz yourself.

答えを隠して、自分に問題を出そう。

quiz はここでは動詞で、「問題を出す」という意味です。単語帳を開いたら、まずこの一言を思い出してください。眺める10分が、練習の10分に変わります。

今日、単語帳を開いたら、最初に意味の側を隠してください。そして10個だけ、①隠す ②3秒思い出す ③開いて確かめる、の順でやってみる。思い出せなかった単語には印を1つ。明日は、その印の単語から始めます。

かかる時間は、これまでと同じです。変わるのは、その時間の中で「思い出す」を何回やったかです。

原田高志