英作文が書けない理由は?先に日本語を言い換えます
はらだコラム
英作文が書けないのは、英語の力が足りないからだと思っていませんか。手が止まる原因の多くは、書こうとしている日本語のほうにあります。「忍耐力」のような語をそのまま訳そうとするから、辞書の前で止まります。英検の採点が何を見ているのかも合わせて、日本語をやさしく言い換える3つの手順を書きました。
監修:原田高志(原田英語.com)
英作文の宿題で、1行目から手が止まったことはありませんか。書きたいことは日本語で決まっている。それなのに、英語にならない。
そのとき止まっているのは、英語ではなく日本語のほうです。言いたい日本語が重すぎて、英語が追いつけていません。
「忍耐力」を訳そうとするから、止まります
「私は部活で忍耐力を身につけました」。この日本語を英語にしようとすると、たいてい忍耐力で止まります。辞書を引くと perseverance と出てきます。つづりも使い方も、自信が持てません。
そこで、英語にする前に日本語を言い換えます。中学1年生に説明するつもりで、やさしい日本語に直すのです。
「私は部活で、つらいときでもやめない力を身につけました」
ここまで来れば、知っている語で足ります。I learned not to give up, even when practice was hard. 難しい単語は1つも使っていません。
もう1つ。「彼は口が軽い」も、そのままでは訳せません。「彼は秘密を守れない」と言い換えれば、He can't keep a secret. です。
英検の採点は、難しい単語を求めていません
英検のライティングは、4つの観点で採点されます。内容・構成・語彙・文法の4つです。3級では観点ごとに0〜4点で評価され、満点は16点だと書かれています(英検|ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点および注意点(3級))。
語彙の観点の説明は「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」です。難しい語をいくつ使えたか、とは書かれていません。
同じページには、こうも書かれています。「解答内容がQUESTIONに答えていないと判断された場合は、すべての観点で0点と採点されることがあります」。
大きく点を失うのは、難しい語を知らないことではありません。聞かれたことに答えていないことです。難しい語を探しているあいだに、書くべき中身から離れていく。それがいちばんもったいないと思います。
動画で見る
明日からできる、3つの手順
- ①日本語で書く … 言いたいことを、まず日本語のまま書く。英語のことは考えない
- ②言い換える … その日本語を、中学1年生に伝わる形に直す。四字熟語や漢語を、動詞の文にほどく
- ③訳す … 言い換えたほうだけを英語にする
手順の中心は②です。「忍耐力」を「やめない力」に、「口が軽い」を「秘密を守れない」に。日本語をやさしくした分だけ、英語は書けるようになります。
辞書は③で引いてください。②の段階で引くと、知らない語をそのまま文に入れることになります。意味は合っていても、使い方でつまずきます。
今日の英語のひとかけら
I learned not to give up, even when practice was hard.
練習がつらいときでも、あきらめないことを覚えました。
「忍耐力」にあたる英単語は使っていません。give up は「あきらめる」、not to give up で「あきらめないこと」です。中学で習う語だけで、同じ中身が言えています。
英作文が書けない日は、英単語をもう1つ覚えるより先に、書こうとしている日本語を読み返してみてください。
自分でも意味をはっきり言えない言葉が、混じっていませんか。「主体性」「グローバル化」「絆」。日本語として重い語ほど、英語にすると止まります。
次に英作文を書くときは、いきなり訳し始めないでください。日本語をやさしく言い換える1分を、先に取ってみてください。辞書を引くのは、そのあとで十分です。
原田高志
よくある質問
英作文では、難しい単語を使ったほうが点は高くなりますか。
英検の採点観点には「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」と書かれています(英検|ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点および注意点(3級))。見ているのは語の難しさではなく、課題に合っているかと正しく使えているかです。自信のない語を無理に入れて間違えるより、確実に使える語で書くほうが安全だと思います。
日本語を言い換えるとき、何を目安にすればよいですか。
中学1年生に話して伝わるかを目安にしてください。四字熟語や漢語は、動詞の文にほどきます。「忍耐力がある」なら「つらくてもやめない」、「積極的だ」なら「自分から話しかける」です。