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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
COLUMN 第9回 標準 読了 4分

英検の受験者数142万人が意味すること

はらだコラム

2026年8月17日、高校生の英検受験者数が142万人に達し、高校卒業時の2級以上取得率が49.1%になったという調査結果が発表されました。この数字が示しているのは、一部の得意な生徒だけの話ではありません。

監修:原田高志(原田英語.com)

2026年8月17日、高校生の英検受験142万人に増加、2級以上取得率は49%という記事を読みました。高校を卒業するまでに英検を受けたことがある生徒は86%、2級以上を取得している生徒は49.1%にのぼるという調査結果です。

この数字を見て最初に思ったのは、『英検はもう、得意な生徒だけの試験ではなくなった』ということでした。

『受けるかどうか』から『どこまで受けるか』へ

少し前まで、英検は「受けるかどうか」を選ぶ試験でした。英語が得意な生徒が挑戦し、そうでない生徒は受けない。そんな空気が、少なくとも私の身の回りにはありました。

いまの数字が示しているのは、その前提が変わったということです。高校卒業までに86%の生徒が英検を受けているなら、もう「受けるかどうか」の話ではありません。「どの級まで届いたか」という、全員に共通する物差しになりつつあるということです。

49.1%という数字の、もう半分

2級以上の取得率が49.1%というと、「半分近くが達成した」という明るい話に聞こえます。実際、前年度より上位級への挑戦者が7.9万人増えたという数字も出ていて、これは素直に喜んでよい伸びだと思います。

ただ、残り約51%の生徒がいる、という事実も同時に見ておきたいところです。全員が受けるようになった試験だからこそ、届かなかった側にどう寄り添うかが、これからの英語教育でより問われるようになるはずです。

物差しが揃うことの、良い面と難しい面

全員が同じ試験を受けるようになると、自分の位置が数字で分かるようになります。これは励みになる人もいれば、プレッシャーになる人もいます。

級や点数は、英語力の一部を映す物差しであって、英語力そのものではありません。同じ2級でも、話せる人と読める人では中身が違います。数字が揃ってきたいまだからこそ、その数字の向こう側に、どんな英語の姿があるのかを見失わないでいたいと思います。

今日の英語のひとかけら

Progress isn't always about being ahead of others.

成長は、いつも誰かより先に進むことではありません。

級や点数で比べたくなる場面でこそ、思い出したい一文です。数字はきっかけであって、ゴールではありません。

数字が揃うと、つい他人と比べたくなります。けれど英検の142万人という数字は、比べるためではなく、それだけの人が、同じように英語と向き合った時間を持っているという事実として読むほうが、私にはしっくりきます。

2級を取った人も、これから挑戦する人も、向き合っている時間の重さは変わりません。その時間の先に、数字だけでは測れない英語の姿があることを、忘れずにいたいと思います。

原田高志