2026年2月8日の夜。
X(旧Twitter)で、あるポストが英語学習界隈を一気に駆け巡りました。
投稿主はボガード(@bogard_main)さん。
“てかなんで世の人々は
英語を形態素で覚えないんだ?”
たった一文のこのポストが、投稿からわずかな時間で85.8万インプレッションを記録。
リプライ欄は「わかる」「もっと早く知りたかった」「学校で教えろ」の嵐。
英語の先生、受験生、社会人学習者まで巻き込んだ大論争に発展しました。
「え、形態素ってなに?」と思ったあなた。
大丈夫です。この記事を最後まで読めば、あなたも明日から英単語の見え方がガラッと変わります。
学校がそもそもそう教えてないのか
このポストをきっかけに、英語学習界隈のタイムラインが一斉に沸きました。
一部を紹介します。
まさに「みんな思ってたけど言語化できなかったこと」が刺さった瞬間でした。
💡
形態素(morpheme)とは?
「意味を持つ最小の単位」のこと。英単語をこれ以上分解したら意味がなくなるところまでバラした、パーツのようなものです。
日本語でいうと「食べ(語幹)」+「られ(可能)」+「ない(否定)」のように、単語は実はパーツの組み合わせでできています。英語もまったく同じです。
たとえば “unbelievable” という単語。
これを形態素で分解するとこうなります。
believe = 信じる
-able = 〜できる
→ 「信じることができないほどの」(=信じられない)
こういうふうに英単語を「パーツの組み合わせ」として捉えるのが、形態素で覚えるということ。
ボガードさんの言葉を借りれば、
「分解できた時の独特な快感が良くてね」——まさにパズルです。
これが最大のメリットです。
たとえば入試本番で “incomprehensible” という単語に出会ったとします。
丸暗記派なら「見たことない、終わった」。
でも形態素を知っていれば——
com- = 完全に
prehend = つかむ
-ible = 〜できる
→ 「完全につかむことができない」(=理解不能な)
リプライでもみんちさん(@4QglXX16gvApiC9)がこう言っていました。
自力で気づいた人はみんな「最強の武器」だと感じている——それが形態素学習の本質です。
たとえば “re-“(再び)というパーツを知っていると、こうなります。
1つのパーツが何十、何百もの単語に共通している。
だから「1覚えたら10わかる」が現実に起きるんです。
丸暗記は「単語 = 意味」の1対1の紐づけ。紐が切れたら終わりです。
形態素学習は「なぜその意味になるのか」というロジックの紐づけ。
ストーリーがあるから忘れにくい。忘れても推測で復元できる。
ボガードさんもこう言っています。
ボガードさんのリプで出てきた例も含めて、受験・TOEIC・英検で超頻出のパーツを整理しました。
| パーツ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| un- | 否定・反対 | unhappy, undo, unknown |
| re- | 再び・戻す | return, rebuild, review |
| pre- | 前もって | prepare, prevent, predict |
| trans- | 超えて・向こうに | transport, transform, translate |
| in- / im- | 否定・中に | impossible, include, import |
| dis- | 否定・分離 | disagree, disappear, discover |
| com- / con- | 共に・完全に | combine, connect, community |
| ex- | 外へ・元〜 | export, exclude, ex-president |
| パーツ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| -tion / -sion | 名詞化 | education, decision, information |
| -ment | 名詞化(〜すること) | payment, movement, agreement |
| -able / -ible | 〜できる | readable, visible, possible |
| -ness | 名詞化(状態) | kindness, happiness, darkness |
| -ful | 〜に満ちた | beautiful, hopeful, careful |
| -less | 〜がない | homeless, careless, endless |
| -ly | 副詞化 | quickly, happily, carefully |
| パーツ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| vis / vid | 見る | vision, video, visible, visit |
| port | 運ぶ | transport, import, export, report |
| duct / duc | 導く | conduct, produce, educate |
| ject | 投げる | project, reject, inject, object |
| spect | 見る | inspect, respect, prospect, expect |
| quire | 求める | acquire, require, inquire |
ポイント:上の表にある約20個のパーツだけで、数百〜数千の英単語をカバーできます。コスパが異常。
今回のポストで最も白熱したのが、「なぜ学校教育で形態素を教えないのか」という論点です。
リプライ欄に寄せられた意見を整理すると、大きく3つの立場がありました。
「学習指導要領に入ってないから」派
大森さん(@y_omori)の指摘。参考書はあっても、カリキュラムに組み込まれていないため、体系的に教える教師が少ない。
「例外が多すぎて教えづらい」派
ボガードさん自身も「英語って暗記科目なんだよな。例外が多すぎる」と認めるように、形態素だけで全部解決しない現実がある。
「実は教科書に載ってるけどオマケ扱い」派
sc_ksさん(@sc_ks)の「参考書に3〜4ページのオマケ扱いで載っていた」という証言。教えてはいるが、主役にはなれていない。
天目さん(@Navy_dx)は「そもそもの基礎知識が要求されて、生徒間格差が広がりかねない」という現場の懸念も指摘していました。
ボガードさんもこれに対して「覚えることには変わりないですしな」「形態素なんて知らない人からしたらこじつけみたいなもんですし」と冷静に返しています。
🗣 結局どうすればいい?
形態素は「万能薬」ではなく「最強の補助ツール」。丸暗記の土台があったうえで、形態素の知識を「推測力ブースター」として重ねるのが最適解です。竹岡先生のLEAPのように語源付き単語帳を使うのが、いちばん実践的な入り口でしょう。
ここまで読んだあなたなら、もう解けるはず。
以下の単語を形態素に分解して意味を推測してみてください。
Q1. “predict”
▶ 答えを見る
pre-(前もって)+ dict(言う)= 「前もって言う」→ 予測する
Q2. “export”
▶ 答えを見る
ex-(外へ)+ port(運ぶ)= 「外へ運ぶ」→ 輸出する
Q3. “invisible”
▶ 答えを見る
in-(否定)+ vis(見る)+ -ible(〜できる)= 「見ることができない」→ 目に見えない
Q4. “transportation”
▶ 答えを見る
trans-(超えて)+ port(運ぶ)+ -ation(名詞化)= 「向こうへ運ぶこと」→ 交通・輸送
Q5. “disrespectful”
▶ 答えを見る
dis-(否定)+ re-(再び)+ spect(見る)+ -ful(〜に満ちた)= 「敬意がないことに満ちた」→ 失礼な・無礼な
どうですか?
「分解したら意味がわかる!」という快感、味わえましたか?
まず「主要な接頭辞10個」を覚える
上の表の接頭辞から始めましょう。un-, re-, pre-, trans-, in-, dis-, com-, ex-, sub-, inter-。この10個だけで英単語の50%以上をカバーできます。
知ってる単語を「分解」してみる
新しい単語を覚えるのではなく、すでに知ってる単語をバラしてみてください。「あ、これもこのパーツだったのか!」という発見が快感になります。
語源付きの単語帳を1冊持つ
リプで話題になった竹岡先生の『LEAP』や、語源特化の『英単語の語源図鑑』がおすすめ。読むだけでも世界が変わります。
✍️ ボガードさんのアドバイス:
「自分自身でこの単語とこの単語はこのパーツが共通でこれがこう変化して…というふうに概念レベルでバラしていくということをする」——受け身で表を見るのではなく、自分で「発見」するプロセスが大事です。
大森さんが挙げた acquire / require / inquire の例。
動詞はどれも -quire(求める)で統一されているのに、名詞になると——
全員バラバラ。これがボガードさんの言う「英語って暗記科目なんだよな。例外が多すぎる」の正体です。
ボガードさんは「ラテン語から来てるっぽいですねー」と分析していますが、ラテン語・フランス語・ゲルマン語が混ざりまくった英語の歴史が、こうした不規則性の原因です。
つまり、形態素は「規則がある部分を効率化する」ツールであって、「すべてを規則で説明する」魔法ではない。この理解が大事です。
ボガードさんのたった一言のポストが85万インプに達したのは、みんなが心のどこかで感じていたことだったからです。
「なんで英語ってこんなに暗記ゲーなんだ?」
「もっと効率的なやり方あるんじゃないの?」
答えは「ある」。それが形態素です。
万能ではない。例外もある。でも、知っているだけで英単語との向き合い方がガラッと変わる。
この記事を読んだあなたはもう、英単語を「分解」する目を持っている。
次に知らない単語に出会ったとき、パニックになる代わりに「このパーツ、見たことあるぞ」と思えたら——それだけでもう、あなたの英語は確実に変わっています。
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