大学受験英会話文・口語表現問題集

【大学受験英会話文・口語表現問題集】~第34回~「リアルな英語を手に入れろ!大学入試突破のための英会話・口語表現ガイド」法政大学(T日程)2025編

142. 【2025 法政大学 2/5,T日程】

つぎの会話を読んで,問いに答えよ。

つぎの会話は,演劇作品Arsenic and Old Lace (Joseph Kesselring原作)の一節である(一部改変)。Elaineは牧師(minister)の娘で,劇評家Mortimerの恋人である。AbbyとMarthaはMortimerの叔母であり,Elaineの父の牧師館(parsonage)の隣人である。ElaineとMortimerは,叔母たちの家でデートの待ち合わせをしている。

Elaine: Good afternoon, Miss Abby. Good afternoon, Miss Martha. I thought Father was here.

Martha: He just this minute left. Didn’t you meet him?

Elaine: No, I took the short cut through the cemetery. Mortimer hasn’t come yet?

Abby: No, dear.

Elaine: Oh? He asked me to meet him here. [ (ア) ]

Martha: Not at all.

Abby: Why don’t you sit down, dear?

Martha: But we really must speak to Mortimer about doing this to you.

Elaine: Doing what?

Martha: (A)Well, he was brought up to know better. When a gentleman is taking a young lady out he should call for her at her house.

Elaine: Oh, there’s something about calling for a girl at a parsonage, that discourages any man who doesn’t like needlecraft.

Abby: He’s done this too often ― we’re going to speak to him.

Elaine: Please don’t. (B)After young men whose idea of night life was to take me to prayer meeting, it’s wonderful to go to the theatre almost every night of my life.

Martha: It’s comforting for us too, because (C)if Mortimer has to see some of those plays he has to see ― at least he’s sitting next to a minister’s daughter.

Elaine: By the way, Father must have been surprised not to find me at home. I’d better run over and say good night to him.

Martha: [ (イ) ]

Elaine: If Mortimer comes you tell him I’ll be right back.

[She has opened door, but sees Mortimer just outside.] Hello, Mort!

Mortimer: Hello, Elaine.

Abby: How are you, dear?

Mortimer: All right. And you look well. You haven’t changed much since yesterday.

Abby: Oh, my goodness, it was yesterday, wasn’t it? [ (ウ) ] Well, come, sit down. Sit down.

Martha: Abby ― haven’t we something to do in the kitchen?

Abby: Huh?

Martha: You know ― the tea things.

Abby: [Suddenly seeing Mortimer and Elaine, and catching on to the situation.] Oh, yes! Yes! The tea things! Well ― you two just make yourselves at home.

Martha: Make yourselves at home.

[They exit kitchen door, Abby closing door.]

Elaine: [Stepping to Mortimer, ready to be kissed.] [ (エ) ]

Mortimer: No… that was pretty obvious. A lack of refinement, I should say.

Elaine: (D)Yes ― that’s exactly what you’d say.

Mortimer: Where do you want to go for dinner?

Elaine: I don’t care. I’m not very hungry.

Mortimer: Well, I just had breakfast. [ (オ) ]

Elaine: But that will make it pretty late, won’t it?

Mortimer: (E)Not with the disaster we’re seeing tonight. From what I’ve heard about it we’ll be having dinner by ten o’clock.

Elaine: You ought to be fair to these plays.

Mortimer: Are these plays fair to me?

Elaine: I’ve never seen you walk out on a musical.

Mortimer: That musical isn’t opening tonight.

Elaine: [Disappointed.] No? I was hoping it was a musical.

Mortimer: You have such a simple perspective.

Elaine: Not at all. Musicals somehow have a humanizing effect on you. After a serious play we join regular workers going home in the subway and I listen to a [ (X) ] on the drama. After a musical you bring me home in a taxi whispering romantic words.

Mortimer: (F)Now wait a minute, darling, that’s a very inaccurate piece of reporting.

1.下線部(A)~(F)の発話の意味または意図として,最も適切なものをa~cの中から一つずつ選び,その記号を解答欄にマークせよ。

(A) a.そのくらい誰にでもわかることよ。 b.そのくらいのマナーは教わったはずよ。 c.そのくらい無視しても平気よ。

(B) a.これまで父がお芝居を観せてくれなかったの。 b.これまで通りお祈りの会にも行くつもりよ。 c.これまでのボーイフレンドは退屈だったの。

(C) a.モーティマーの観るお芝居は感心しないけど,あなたが一緒なら安心だわ。 b.モーティマーの観るお芝居は面白いので,あなたにも楽しんでほしいの。 c.モーティマーの観るお芝居は難しいので,あなたには退屈かもしれないわね。

(D) a.あなたの言うとおりね。 b.そう言うと思ったわ。 c.それは言わない約束よ。

(E) a.空腹でも集中できるよ。 b.先に夕飯でもいいよ。 c.途中で抜け出すんだよ。

(F) a.君が楽観的で助かるよ。 b.仕事だから仕方ないんだ。 c.その評価は正しくないな。

2.空所[ (ア) ]~[ (オ) ]に入る最も適切な発話を,つぎのa~eの中から一つずつ選び,その記号を解答欄にマークせよ。ただし,同じ選択肢を二度以上使用しないこと。

a.Do you mind if I wait?

b.It’s a shame you missed him, dear.

c.Suppose we wait until after the show?

d.Well, can’t you take a hint?

e.We’re seeing a great deal of you lately.

3.空所[ (X) ]に入るのに最も適切な語を,つぎのa~dの中から一つ選び,その記号を解答欄にマークせよ。

a.chorus b.lecture c.poem d.verse

4.つぎの(1)と(2)のそれぞれについて,本文の会話から明らかであると判断できるものをa~dの中から一つずつ選び,その記号を解答欄にマークせよ。

(1) a.Elaine does not like Mortimer’s aunts. b.Elaine’s father does not like Mortimer. c.Elaine often sings for her father’s service. d.Elaine prefers musicals to heavy dramas.

(2) a.Mortimer’s aunts are old-fashioned about dates. b.Mortimer’s aunts do not want Elaine to get married to Mortimer. c.Mortimer’s aunts are so rich that they can donate much to a parsonage. d.Mortimer’s aunts would like to live with the couple, Mortimer and Elaine.

解答・解説

解答:

1-(A): b
1-(B): c
1-(C): a
1-(D): b
1-(E): c
1-(F): c
2-(ア): a
2-(イ): b
2-(ウ): e
2-(エ): d
2-(オ): c
3-(X): b
4-(1): d
4-(2): a

解説:

【下線部(A)~(F)の意味・意図】

(A) Well, he was brought up to know better.

叔母のMarthaが、恋人であるElaineを家まで迎えに行かず、ここで会う約束をしたMortimerの行動について「紳士なら女性を家まで迎えに行くべき」と述べた後のセリフです。”be brought up to know better” は「もっと分別があるように育てられたはずだ」という意味で、彼のマナーの欠如を嘆いています。したがって、「そのくらいのマナーは教わったはずよ (b)」が最も適切です。

(B) After young men whose idea of night life was to take me to prayer meeting, it’s wonderful to go to the theatre almost every night of my life.

Elaineが、Mortimerの叔母たちに「彼に説教しないで」と頼んだ後のセリフです。「夜遊びといえば私を祈りの会に連れて行くような男性たちの後では、ほぼ毎晩劇場に行けるなんて素晴らしいことだ」と述べています。これは、以前付き合っていた男性たちが退屈で、Mortimerとの刺激的なデートをとても楽しんでいることを示しています。よって、「これまでのボーイフレンドは退屈だったの (c)」が文脈に合います。

(C) if Mortimer has to see some of those plays he has to see ― at least he’s sitting next to a minister’s daughter.

叔母たちが、劇評家であるMortimerの仕事について話している場面です。「Mortimerが見なければならないような(感心しない)演劇を見るときでも、少なくとも隣には牧師の娘さんが座っている」と述べています。これは、Mortimerが見る芝居の内容に少し懸念を抱きつつも、品行方正なElaineが一緒なら安心だ、という気持ちの表れです。したがって、「モーティマーの観るお芝居は感心しないけど,あなたが一緒なら安心だわ (a)」が正解です。

(D) Yes ― that’s exactly what you’d say.

Mortimerが、キスを待つElaineの仕草を “A lack of refinement”(品がない)と評したことに対する返答です。”that’s exactly what you’d say” は、直訳すると「それはまさにあなたが言いそうなことだ」となり、相手の言動を予測していた、あるいは「またそういうこと言うんでしょ」というニュアンスを含みます。したがって、「そう言うと思ったわ (b)」が最も近いです。

(E) Not with the disaster we’re seeing tonight.

Elaineが「(観劇後に食事をすると)とても遅くなるんじゃない?」と心配したのに対し、Mortimerが返した言葉です。”disaster”(災害、大失敗)という単語で今夜見る演劇を表現しており、その芝居がつまらないだろうと予測しています。つまらないから途中で劇場を出ることになり、結果として10時までには夕食がとれるだろう、という皮肉が込められています。よって、「途中で抜け出すんだよ (c)」が彼の意図するところです。

(F) Now wait a minute, darling, that’s a very inaccurate piece of reporting.

Elaineが「シリアスな劇の後はドラマの講義を聞かされ、ミュージカルの後はタクシーでロマンチックな言葉を囁かれる」と述べたことに対するMortimerの反論です。”a very inaccurate piece of reporting”(非常に不正確な報告)という表現で、Elaineの分析が事実と異なると指摘しています。したがって、「その評価は正しくないな (c)」が最も適切な訳です。

【空所補充】

(ア) ElaineはMortimerを待つために叔母たちの家に来ました。ここで待ってもよいか許可を求めるのが自然な流れです。「ここでお待ちしてもよろしいですか? (a. Do you mind if I wait?)」が適切です。

(イ) Elaineが父親に挨拶するために一度家に戻ると言った場面です。叔母のMarthaが「お父さんに会えなくて残念だったわね」と気遣う言葉をかけるのが自然です。「彼(お父さん)に会えなくて残念だったわね (b. It’s a shame you missed him, dear.)」が入ります。

(ウ) Mortimerが到着し、叔母のAbbyが「昨日ぶりね」と言った後のセリフです。親しい間柄で頻繁に会っていることを示す「最近よくお会いしますね (e. We’re seeing a great deal of you lately.)」という言葉が会話の流れに合致します。

(エ) 叔母たちが気を利かせて退室し、二人きりになった場面です。Elaineはキスを期待してモーティマーに近づきますが、彼は応じません。Elaineは「ねえ、ヒントも分からないの? (d. Well, can’t you take a hint?)」と、自分の意図を察してくれないMortimerに言います。「take a hint」は「空気を読む、察する」という意味のイディオムです。

(オ) Mortimerが「朝食を食べたばかりだ」と言い、夕食に乗り気でない様子を見せた後のセリフです。今夜の芝居がつまらないことを見越して、「ショーの後まで待つのはどうかな? (c. Suppose we wait until after the show?)」と提案するのが自然な流れです。

【語彙】

(X) Elaineは、シリアスな演劇の後にMortimerがすることについて語っています。劇評家である彼が「on the drama(そのドラマについて)」語る内容として最もふさわしいのは「講義 (b. lecture)」です。文脈から、彼が長々と批評を述べる様子がうかがえます。

【内容一致】

(1) Elaineについて本文から判断できることです。彼女は「ミュージカルはあなたに人間的な効果をもたらす」と述べ、シリアスな劇よりもミュージカルの後のデートを好んでいることが明らかです。したがって、「Elaineは重厚なドラマよりミュージカルを好む (d)」が正解です。

(2) Mortimerの叔母たちについて判断できることです。彼女たちは、紳士は女性を家まで迎えに行くべきだと考えており、Mortimerの行動を注意しようとしています。これは、デートに関して「古風な考えを持っている (a)」ことを示しています。

【日本語訳】

Elaine: こんにちは、Miss Abby。こんにちは、Miss Martha。お父様がこちらにいらっしゃるかと思ったのですが。

Martha: たった今お帰りになったところよ。お会いにならなかった?

Elaine: ええ、墓地を通る近道をしてきたので。Mortimerはまだ来ていないのですか?

Abby: ええ、まだよ。

Elaine: あら?ここで会うように言われたのですが。[ (ア) ここでお待ちしてもよろしいですか?]

Martha: もちろんですとも。

Abby: どうぞお座りになって、あなた。

Martha: でも、あなたにこんなことをするなんて、Mortimerには本当に言っておかないと。

Elaine: 何をですって?

Martha: (A)だって、彼はもっと分別があるように育てられたはずよ。紳士が若い女性を連れ出すときは、彼女の家まで迎えに行くべきだもの。

Elaine: ああ、牧師館に女の子を迎えに来るというのは、手芸が好きでもない男性をがっかりさせてしまう何かがあるんですよ。

Abby: 彼はあまりに頻繁にそうするから――私たちは彼に言っておくつもりよ。

Elaine: お願いだからやめてください。(B)夜遊びといえば私を祈りの会に連れて行くような男性たちとお付き合いした後では、人生でほぼ毎晩劇場に行けるなんて素晴らしいことなんですもの。

Martha: 私たちにとっても安心なのよ、だって(C)もしMortimerが見なければならないようなお芝居を見るときでも――少なくとも彼は牧師の娘さんの隣に座っているのだから。

Elaine: ところで、父は私が家にいないので驚いたに違いありません。急いで戻っておやすみの挨拶をしてきた方がよさそうです。

Martha: [ (イ) 彼に会えなくて残念だったわね。]

Elaine: もしMortimerが来たら、すぐに戻ると伝えてください。

[彼女はドアを開けるが、すぐ外にいるMortimerを見つける] こんにちは、Mort!

Mortimer: やあ、Elaine。

Abby: 元気、あなた?

Mortimer: 元気だよ。君も元気そうだね。昨日からあまり変わってないね。

Abby: まあ、大変、昨日だったわね? [ (ウ) 最近よくお会いしますね。] さあ、来て、座って。座って。

Martha: Abby、私たち台所で何かすることがあるんじゃないかしら?

Abby: え?

Martha: ほら――お茶の用意よ。

Abby: [突然MortimerとElaineを見て、状況を察し] ああ、そうね!そうよ!お茶の用意ね!じゃあ――お二人とも、どうぞごゆっくり。

Martha: どうぞごゆっくり。

[二人はキッチンのドアから退室し、Abbyがドアを閉める]

Elaine: [キスを待ってMortimerに歩み寄り] [ (エ) ねえ、ヒントも分からないの?]

Mortimer: いや…それはあまりに見え見えだよ。品がない、と言うべきかな。

Elaine: (D)ええ――まさにあなたが言いそうなことだわ。

Mortimer: 夕食はどこに行きたい?

Elaine: どこでもいいわ。あまりお腹が空いていないの。

Mortimer: そうか、僕は朝食を食べたばかりなんだ。[ (オ) ショーの後まで待つのはどうかな?]

Elaine: でも、それだとかなり遅くなるんじゃない?

Mortimer: (E)今夜見るひどい代物なら大丈夫さ。聞いているところによると、10時までには夕食をとっているだろうからね。

Elaine: あなた、こういうお芝居にも公平であるべきよ。

Mortimer: こういうお芝居は僕に公平かな?

Elaine: あなたがミュージカルを途中で出て行くのは見たことがないわ。

Mortimer: そのミュージカルは今夜初日じゃないんだ。

Elaine: [がっかりして] そうなの?ミュージカルだと期待していたのに。

Mortimer: 君は本当に単純な見方をするね。

Elaine: 全然そんなことないわ。ミュージカルはなぜかあなたに人間的な効果をもたらすのよ。真面目な劇の後だと、私たちは地下鉄で帰宅する普通の労働者たちに混じって、私はそのドラマについての[ (X) 講義]を聞かされる。ミュージカルの後だと、あなたはタクシーでロマンチックな言葉を囁きながら私を家に送ってくれる。

Mortimer: (F)ちょっと待ってくれ、ダーリン、それは非常に不正確な報告だな。

【重要イディオム・口語表現】

【be brought up to know better】

~するほどの分別があるように育てられる、~しないようにしつけられている

“You shouldn’t talk with your mouth full. You were brought up to know better.” (口にものを入れたまま話すべきではない。そのくらいの分別はあるように育てられたでしょう。)

【take a hint】

察する、空気を読む

“I kept yawning, but he didn’t take the hint and continued talking.” (私はあくびをし続けたが、彼は察することなく話し続けた。)

 

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