やさしい英語で多読!【音声つき】

【やさしい英文de多読!】<48> The Spring Equinox: When Day and Night Play Tricks on You 春分の日:昼と夜があなたをだます日 ~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
今日のテーマは「春分の日」! 「昼と夜の長さが同じ」と思っていませんか? 実はそれ、正確には間違いなんです。卵が立つ伝説やぼたもちの秘密まで、春分の日にまつわる驚きのトリビアが満載です!

📖 英文(253 words)

Today is March 20, and it is the spring equinox. The word “equinox” comes from Latin: “aequus” means equal, and “nox” means night. So this should be the day when daytime and nighttime are exactly 12 hours each. But surprisingly, that is not true! On the equinox, daytime is actually a few minutes longer than nighttime. Earth’s atmosphere bends sunlight upward, so we can see the sun even after it goes below the horizon. The truly equal day comes three or four days earlier.

Here is a famous myth: many people believe you can only balance an egg on its end during the spring equinox. They say the sun’s special position gives extra gravitational pull. But scientists tested this and found you can balance an egg on any day of the year. The trick is to use a slightly rough surface. This myth started from an old Chinese tradition about celebrating the first day of spring.

In Japan, the spring equinox is a national holiday. Families visit ancestors’ graves during a week-long period called Higan. They eat botamochi, sweet rice balls covered with red bean paste. The red color of the beans was believed to protect people from evil. Interestingly, this same food has a different name in autumn: ohagi. Spring’s name comes from peony flowers, and autumn’s name comes from bush clover.

Around the world, people celebrate this day in amazing ways. In Iran, it marks Nowruz, the Persian New Year, with 13 days of feasting. At Mexico’s Chichen Itza pyramid, the setting sun creates a shadow that looks like a giant snake sliding down the steps. Nature’s calendar connects us all!

🔊 音読用音声

 

▶ 音声を聴く

📝 重要語句

equinox:分点
the moment when day and night are almost equal in length(昼と夜の長さがほぼ等しくなる瞬間)
atmosphere:大気
the layer of gases surrounding Earth(地球を取り巻く気体の層)
horizon:地平線
the line where the sky seems to meet the ground(空と地面が出合うように見える線)
gravitational:引力の
related to the force that pulls objects toward each other(物体を引き合わせる力に関する)
ancestors:先祖
family members who lived a long time ago(ずっと昔に生きていた家族)
grave:墓
a place where a dead person is buried(亡くなった人が埋葬されている場所)
paste:ペースト
a soft, thick mixture(やわらかく濃い混合物)
evil:悪
something very bad or harmful(非常に悪いものや有害なもの)
peony:牡丹
a large, round flower that blooms in spring(春に咲く大きくて丸い花)
feasting:ごちそうを食べること
eating a lot of special food to celebrate(お祝いにたくさんのごちそうを食べること)

🇯🇵 日本語訳

今日は3月20日、春分の日です。「equinox(イクイノックス)」という英単語はラテン語に由来し、「aequus」は「等しい」、「nox」は「夜」を意味します。つまり、昼と夜がちょうど12時間ずつになる日——のはずですよね。ところが驚くことに、それは正確ではないのです! 春分の日の昼間は、実際には夜よりも数分長いのです。地球の大気が太陽光を上方に屈折させるため、太陽が地平線の下に沈んだあとも、私たちの目には太陽が見えてしまうのです。本当に昼夜が等しくなる日は、春分の3〜4日前にやってきます。

有名な俗説をひとつ。「春分の日だけ、卵を立てることができる」と信じている人がたくさんいます。太陽の特別な位置が余分な引力を生み出すから、というのがその理由です。しかし、科学者が検証したところ、卵は1年のどの日でも立てることができるとわかりました。コツは、少しざらざらした表面を使うこと。この俗説の起源は、春の訪れを祝う中国の古い伝統だとされています。

日本では、春分の日は国民の祝日です。「お彼岸」と呼ばれる一週間の期間中、家族でお墓参りをします。この時期に食べるのが「ぼたもち」——もち米をあんこで包んだ甘いお菓子です。小豆の赤い色には魔除けの力があると信じられてきました。面白いことに、まったく同じ食べ物が秋になると別の名前で呼ばれます。それが「おはぎ」。春の名前は牡丹(ぼたん)の花に、秋の名前は萩(はぎ)の花に由来しているのです。

世界中の人々が、この日を驚くような方法で祝っています。イランでは春分の日がペルシャ暦の新年「ノウルーズ」にあたり、13日間にわたって盛大な宴が催されます。メキシコのチチェン・イッツァでは、夕日がピラミッドの階段を巨大な蛇が滑り降りるような影を生み出します。自然のカレンダーは、世界中の私たちをつないでいるのです!

🌸 コラム:ぼたもちの「四つの名前」と春分の日の不思議

春分の日にまつわるトリビアを、もう少し深く掘り下げてみましょう。

🔸 春夏秋冬で名前が変わる和菓子

ぼたもちとおはぎが「同じ食べ物なのに季節で名前が変わる」ことは有名ですが、実は夏と冬にも名前があるのをご存じですか? 夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」。いったいなぜ?

その由来は、なんとダジャレ。ぼたもちは杵で餅をつかずに作るため「いつ搗(つ)いたのかわからない」。そこから「着き知らず」→「夜は暗くて船がいつ着いたかわからない」→「夜船」。冬は「搗き知らず」→「月知らず」→「北窓からは月が見えない」→「北窓」。江戸時代の人々の言葉遊びのセンスには、思わず唸ってしまいます。

🔸 こしあん vs 粒あん——季節の知恵

あんこの違いにも、季節の知恵が隠れています。秋に収穫したばかりの小豆は皮がやわらかいので「粒あん」のままおいしく食べられます。一方、冬を越して皮が硬くなった春の小豆は、皮を取り除いて「こしあん」にするのが理にかなっていました。つまり本来、春のぼたもち=こしあん、秋のおはぎ=粒あん。江戸時代の食の知恵が、名前だけでなく作り方にまで反映されていたのです。小豆の赤い色は五行思想で「火」に属し、邪気を払う力があるとされています。かつては砂糖が非常に貴重だったため、甘いあんこのぼたもちはまさに「最高のごちそう」。ご先祖様への感謝を込めた特別なお供えだったのですね。

🔸 春分の日は「毎年変わる」祝日だった!

春分の日の日付は固定されていません。実は祝日法には具体的な日付が記載されておらず、国立天文台が地球の軌道を計算し、毎年2月に翌年の日付を正式発表します。20世紀のほとんどの期間は3月21日でしたが、最後に21日だったのは2007年。21世紀に入ってからはほぼ毎年3月20日です。次に3月21日が春分の日になるのは2101年——なんと75年後! グレゴリオ暦の400年周期のなかで、春分点は少しずつ早い日付にずれていくのです。

🔸 真東から昇り、真西に沈む——信仰と天文学の交差点

春分の日に太陽が真東から昇り真西に沈むという天文現象は、日本の仏教文化と深く結びついています。仏教の「西方浄土」の教え——極楽浄土は西にある——と結びつき、「太陽がまっすぐ西に沈む春分・秋分の日は、あの世と最も近くなる日」と考えられました。これがお彼岸の起源です。一説には806年に行われた「彼岸会(ひがんえ)」が日本で最初のお彼岸行事とされています。天文学と宗教が交差する、世界でも珍しい日本ならではの文化ですね。

🔸 世界の春分祭——蛇の影から焚き火ジャンプまで

世界各地の春分の祝い方は実に多彩です。イランのノウルーズ(ペルシャ新年)では13日間の祝祭が行われ、その前の火曜日には焚き火を飛び越える「チャハールシャンベ・スーリー」という儀式があります。子どもたちは鍋をたたきながら近所を回り、お菓子をもらいます——まるでハロウィンのよう! メキシコのチチェン・イッツァでは、春分の夕方にピラミッドの階段に蛇の形の影が現れます。これはマヤの人々がピラミッドを設計する際に春分を計算に入れていた証拠です。そしてイングランドでは、ストーンヘンジに現代のドルイド教徒たちが集まり、日の出を見守ります。5000年前の巨石群と、今を生きる人々が同じ太陽を仰ぐ光景は、なんとも感慨深いものがあります。

春分の日は、天文学・文化・食・信仰が一つに溶け合う、まさに「世界共通の特別な日」。今年の春分は、ぼたもちを頬張りながら、地球の不思議に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?