2026年2月23日——3連休のど真ん中。
英検の「要約0点問題」で声を上げていた英語コーチ・エイゴフルさんのもとに、ついに日本英語検定協会から正式な回答が届きました。
結果発表から1週間。J-CASTニュース、弁護士ドットコムなど主要メディアにも取り上げられ、Xでの閲覧数は115.9万を突破した今回の騒動。
協会の回答はどうだったのか?
そして、受験者が本当に知りたかったことに答えていたのか?
結論から言います。答えていませんでした。
まず、実際に届いた回答を見てみましょう。
エイゴフルさんが公開したスクリーンショットによると、協会からの回答は以下の通りです。
📄 英検協会サービスセンターからの回答(原文ベース)
日本英語検定協会サービスセンターです。
お問い合わせいただきありがとうございます。
このたびのお問い合わせの件ですが、昨今の民間英語検定試験は「英検」をはじめ、大学や高校の入試活用も進んでおり、その評価は合否に直結する公的な性格を帯びております。
したがいまして、答案の採点にあたっては、あらかじめ提示している「設問の要件」への準拠を含め、厳正かつ客観的な評価を厳密な審査体制のもとで行っております。
なお、本件に関するプレスリリースも2025年4月にHPに掲載させていただいております。
(https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2025/pdf/20250415_info_eiken.pdf)
つきましては、公平性を期す観点から、これ以上の詳細につきましては回答を差し控えさせていただいております。
……はい。
もう一度読み直してみてください。この回答、何も答えていません。
問題は3つあります。
エイゴフルさんだけでなく、別の受験者(Fyphenさんなど)にもまったく同じ文面の回答が届いていることがXで判明しています。
個別の問い合わせに対して個別の回答をせず、全員にコピペ——これを「誠実な対応」と呼べるでしょうか。
回答の核心は「公平性を期す観点から、これ以上の詳細は差し控える」という一文です。
ここで生まれる矛盾は明らかです。
🤔 「公平性」の矛盾:
受験者が「なぜ0点なのか」の理由を知ることができないなら、次回に向けた改善もできません。
「詳細を教えない」ことが本当に「公平」なのか?
むしろ、基準を隠すことこそが不公平ではないでしょうか。
エイゴフルさん自身がこう指摘しています。
受付時間が「平日09:30〜17:00(土日祝除く)」であるにもかかわらず、祝日に回答を出す。
意図的かどうかはわかりませんが、「火消し」のタイミングに見えるのは事実です。
エイゴフルさんは協会の回答を受けて、4つの疑問を提起しました。
このポストは115.9万回閲覧されています。
エイゴフルさんはこう締めくくっています。
「そして何より、❶『なぜ2025年度第3回から”多発”したのか』──
この質問に一切答えようとしない姿勢には、失望しました。」
協会の回答が公開された後、Xでは賛否の意見が飛び交いました。
たしかに「ルールを守れなかったのだから仕方ない」という見方にも一理あります。
しかし問題は、そのルールの運用が第3回から急に変わったように見えること、そして語数を守ったと主張する人まで0点になっていることです。これらに対して、協会は一切の説明を拒んでいます。
もうひとつ、今回の回答で触れられなかった大きな論点があります。
英検協会は2023年に、採点に一部AIを使用していることを公式に認めています。
💡AI採点について
英検協会は2023年に採点の一部にAIを導入することを発表(公式PDF)。手書き答案をOCR(光学文字認識)で読み取ったうえでAIが採点する仕組みと推測されています。
Xでは「かっか~@太鼓リハビリ中」さんがこう指摘しています。
協会側も「何かおかしい」って気付けよ…
手書きの英文をOCRで正確に読み取り、語数をカウントする。
言うほど簡単な話ではありません。筆圧の差、文字のつながり、消しゴムの跡——AIの語数カウントにエラーが紛れ込む可能性はゼロとは言えないでしょう。
エイゴフルさんは怒りを見せつつも、今後の展望について冷静な分析も示しています。
📊 エイゴフルさんの分析
「おそらく、次回も同じだと思います。
2級は第1回からオール0点がありました。
1級は第3回から始めて、今後は一貫性のある試験にするつもりだと思います。」
つまり、2級では既に「語数厳格化→0点」の運用が始まっていて、1級もそれに追随したという見方。
もしこの分析が正しければ、今後英検を受けるすべての受験者にとって「語数管理は最優先事項」であることが確定します。
怒りは当然あっていいですが、現実的に受験者にできることも整理しましょう。
「保有個人データの開示等請求」を検討する
個人情報保護法に基づき、自分の答案データの開示を請求する権利があります。alpha09jpさんが指摘している通り、ダメ元でも請求する価値はあります。
連休明けに改めて問い合わせる
mizutamaさんのように、テンプレ回答に納得できない場合は改めて具体的な質問をぶつける手もあります。「第3回から多発した理由」を明確に問う形がベスト。
次回に向けて「語数管理」を完璧にする
ルールの是非はさておき、次回も同じ基準が適用される以上、語数の中央値を狙い、5語ごとにスラッシュを入れて3回数える。これを鉄則にしてください。
エイゴフルさんはポストの最後にこう書いています。
「もちろん、入試で英検を使う生徒さんたちの力になれるよう、これからも精一杯サポートします。
今回の件でご協力・ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。」
失望しつつも、前を向いている。
この姿勢に救われた受験生は少なくないはずです。
英検は長年、日本の英語教育を支えてきた信頼ある試験です。
だからこそ、その信頼を自ら毀損するような対応は見たくありません。
受験者が求めているのは、特別扱いではなく「説明」です。
なぜ第3回から急に多発したのか。
語数を守った人が0点になった理由は何か。
AI採点に不具合はなかったのか。
この3つに答えるだけで、多くの受験者の怒りは収まるはずです。
英検協会には「沈黙」ではなく「対話」を選んでほしい。
この問題は、まだ終わっていません。
📖 この記事の英語ミニ講座
今回のニュースを英語で理解するための表現を紹介します。
scoring criteria(採点基準)── “The scoring criteria were not transparent.”(採点基準が透明でなかった)
word count(語数)── “Make sure your word count stays within the specified range.”(語数が指定範囲内に収まるように確認しましょう)
accountability(説明責任)── “The organization lacks accountability.”(その機関は説明責任を欠いている)
retroactive(遡及的な)── “The stricter enforcement felt retroactive.”(厳格化された運用が遡及的に感じられた)
