
【Quiet cracking】
A new workplace term, quiet cracking, is emerging to describe employees who are still showing up for work but feel mentally exhausted, disengaged, and on the verge of breaking under pressure. Unlike “quiet quitting,” which is about setting boundaries and doing only what is required, “quiet cracking” highlights the silent emotional strain many workers face amid economic instability and job insecurity.
「新しい職場用語quiet crackingは、仕事には出ているものの、精神的に疲れ果て、やる気を失い、プレッシャーの中で“崩壊寸前”の従業員を表す言葉として注目されている。“quiet quitting(静かな辞職)”が業務範囲を限定して線を引く行為を指すのに対し、“quiet cracking”は経済不安や雇用不安の中で多くの労働者が抱える静かな精神的負担を浮き彫りにしている。」
【出典】2025年8月18日 Business Insider ‘Quiet cracking’ is the latest buzzword to hit the workplace | Business Insider
<<quiet crackingとは?>>
⇒ 「静かに心が折れていく状態」
辞める決断はせずに働き続けるものの、内面では限界に近づき“ひび割れ”が進行している心理を表します。行動に表れる“quiet quitting”と違い、外部からは見えにくいため深刻です。
<<quiet crackingを使った例文チェック>>
★ Many employees are quiet cracking under the pressure of economic uncertainty.
「多くの従業員が経済の不確実性の中で“静かに崩れている”。」
★ Unlike quiet quitting, quiet cracking reveals a deeper struggle with mental health at work.
「quiet quittingと異なり、quiet crackingは職場のメンタルヘルスに関するより深い葛藤を示している。」
<quiet crackingの類語と使い分け>
★ quiet quitting : 「静かな辞職」。必要最低限の仕事しかしないことで職場から距離を取る行為。
★ burnout : 「燃え尽き症候群」。精神的・肉体的に完全に疲弊した状態。
★ work fatigue : 一般的な「仕事疲労」。一時的な疲れを表す。
★ mental breakdown : 「精神崩壊」。医療的な介入を要する深刻な状態。

<<単語深堀りコラム>>
quiet crackingは、2020年代の職場を象徴する新しいキーワードです。
2022年にTikTok発で広がったquiet quitting(静かな辞職)は、仕事と生活のバランスを重視する行動でした。しかし、2025年現在の現実は違います。インフレ、AIによる職の変化、経済不安から「辞めたくても辞められない」従業員が増え、内心では精神的なひび割れ=crackingが進行しているのです。
この状態は外から見えにくいため、放置すると突然の離職や燃え尽きにつながり、企業にとっても生産性低下や離職コスト増大といった打撃を与えます。
そのため各国の企業では、
・メンタルサポート制度(カウンセリング、EAPの強化)
・柔軟な勤務形態(ハイブリッド勤務、在宅勤務の導入)
・業務量の可視化と調整
・心理的安全性のある職場文化
といった対策が進められています。
つまりquiet crackingは単なる職場スラングではなく、現代社会における「心の危機」を示す重要な時事英語。労働環境・メンタルヘルス政策を語る上で、これから避けて通れないキーワードとなるでしょう。