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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 流行英語 第79回 基礎 読了 6分

washed

/wɑːʃt/ 形容詞(過去分詞から) いま英語圏で流行っている言い方

「もう全盛期を過ぎた、腕が落ちた」

no longer as good, popular, or skillful as before

どこで出てきたか

washed-up

washed-up(辞書の項目)

出典: Merriam-Webster(washed-up の項)(2026年9月17日閲覧)

no longer successful, skillful, popular, or needed

もはや成功しておらず、腕もなく、人気もなく、必要ともされていない

Merriam-Webster(washed-up の項) の記事より

もとの形は washed-up で、こちらは辞書にずっと載っている語です。Merriam-Webster は「もはや成功しておらず、腕もなく、人気もなく、必要ともされていない」と説明しています。

いま若い世代が使っているのは、そこから up を落とした washed のほうです。ゲーム、スポーツ、音楽の話でよく出ます。「昔はうまかったのに、いまはもう」という意味です。

強い言葉に見えますが、実際には仲間内の軽口として使われることがほとんどです。とくに、自分に向けて言う使い方が多くあります。

動画で見る

washed up はどういう意味か(由来つき) (Tutor Nick P) もとの形 washed-up の由来を、英語で説明している動画です。

この語の芯

かつては良かった。いまはもう、そうではない。

wash 動詞 洗う -ed 語尾 〜された状態の

もとの絵は、洗濯です。

色のついた服を何度も洗うと、だんだん色が抜けていきます。生地も薄くなる。買ったときの鮮やかさは、もう戻りません。

その色あせた布を、人に当てたのが washed up でした。かつては輝いていたのに、いまは色が抜けている。舞台に立てなくなった役者や、引退した選手を指す言い方として、英語では長く使われてきました。

いまの若い世代は、そこから up を落として washed と言います。短くなったぶん、軽くなった印象があります。

同じ語根の仲間 washed-up ((形容詞)落ちぶれた、盛りを過ぎた) past one's prime (全盛期を過ぎて) has-been ((名詞)昔は名の知れた人、過去の人)

何度も洗って色あせた服が washed。自分に言えば冗談、人に言えば悪口。

ここが面白い

この語のいちばんの使いどころは、他人にではなく自分に向けたときです。

ゲームで昔より勝てなくなったとき。部活で下級生に負けたとき。そこで I'm washed. と言う。日本語にすると「もう俺、終わったわ」くらいの軽さです。

言い訳ではなく、先に自分で笑っておく言い方なので、場が重くなりません。

⚠ ここが大事なところですが、同じ語を他人に向けると、かなりきつく響きます。He's washed. は「あいつはもう終わってる」。SNSでは有名人に対してよく投げられていますが、目の前にいる人に言う言葉ではありません

英語には、この「自分に言えば冗談、人に言えば角が立つ」という語がいくつもあります。bed rotting(ベッドでだらだら過ごすこと)も、その1つでした。

迷ったら、自分のことだけに使う。この線だけ覚えておいてください。

例文で確かめる

I used to be good at this game, but I'm washed now.

昔はこのゲーム得意だったのに、もう腕が落ちました。

Don't call him washed. He just had a bad season.

彼をもう終わったなんて言わないで。今シーズンが悪かっただけだよ。

Three flights of stairs and I'm out of breath. Completely washed.

階段3階ぶんで息が切れました。完全に衰えましたね。

この形で覚える

I'm so washed もうすっかり衰えた
a washed-up actor 落ちぶれた俳優
past one's prime 全盛期を過ぎて
lose your touch 腕が鈍る

似た語とどう違うのか

意味washed との違い
washed-up 落ちぶれた 辞書に載っているもとの形で、より重く響きます。washed のほうが短く、仲間内の軽口に寄っています。
rusty 腕がなまった rusty はしばらくやっていないだけで、練習すれば戻ります。washed は戻らない含みがあるので、そこが大きく違います。
burned out 燃え尽きた burned out は気力が尽きた状態で、腕そのものの話ではありません。washed は実力が落ちたほうを指します。

使うときの注意

ここで間違える
「洗った」という意味で使わないこと。washed clothes(洗った服)のように名詞の前に置けばふつうの意味ですが、I'm washed. と人が主語になると、スラングのほうに読まれます。
使える場面
くだけた言い方です。面接や先生への連絡では使いません。人に向けて使うと失礼になるので、使うなら自分のことだけにしてください。
発音・リズム
「ウォッシュト」と3拍にせず、1拍で言い切ります。語尾の -ed は /t/ の音1つだけ。「ワッシュt」に近い形です。

ミニコラム:スラングは、たいてい「もの」から「人」へ移る

washed は、もともと布の話でした。それが人に移ったわけです。

同じ動きは、英語のあちこちで起きています。sharp(刃物が鋭い)が「頭が切れる」へ。cool(温度が低い)が「かっこいい」へ。ものの状態を表す語が、人の様子へ引っ越していきます。

おもしろいのは、引っ越したあとも、もとの絵が残っていることです。色あせた服を思い浮かべられる人は、washed の意味を二度と忘れません。「全盛期を過ぎた」と丸暗記した人は、たぶん来週には忘れています。

スラングを覚えるときは、その語がもともと何を指していたかを1つだけ聞いてみてください。辞書に書いてあることが多いです。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文の説明によると、washed と rusty の違いはどこか。