trial
/ˈtraɪəl/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「①(効き目を
a test to find out how well something works; also, the legal process of deciding a case in court
どこで出てきたか
Nearly 10,000 patients reveal what works best for knee arthritis pain relief
1万人近い患者から分かった、膝の関節炎にいちばん効く方法
A major analysis of 139 clinical trials involving nearly 10,000 people suggests that some of the simplest treatments may work best for knee osteoarthritis. 1万人近くが参加した139件の臨床試験をまとめて分析したところ、膝の変形性関節症には、いちばん単純な治療こそ効くのかもしれないと分かった。
9月14日に報じられた研究です。膝の変形性関節症に対して、薬を使わない方法を12種類くらべました。レーザー、電気刺激、超音波、テーピング、水中運動、サポーター。1位になったのは、いちばん高価でもいちばん新しくもない「膝サポーター」でした。超音波のようなハイテクな方法のほうが、むしろ成績はふるいませんでした。この研究がまとめたのが、139件の clinical trials(臨床試験)です。
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この語の芯
うまくいくかどうかを、実際にやって確かめること。
語源辞典Etymonlineによれば、trial が英語に現れるのは15世紀半ばです。古フランス語の trier(試す、選り分ける、より分けて取り出す)から作られた名詞で、そのもとになった語の出どころは分かっていません。
注目したいのは、trier の意味に「選り分ける」が入っていることです。たくさんある中から、良いものと悪いものをふるい分ける。この一点さえ押さえておけば、あとで出てくる意味は全部そこから伸びています。動詞の try も同じ語から来ています。
同じ語根の仲間 try ((動詞)試す、やってみる) trier ((名詞)よく努力する人) trying ((形容詞)つらい、しんどい)
ここが面白い
「臨床試験」と「裁判」が同じ語なのは、偶然ではありません。
Etymonlineによれば、trial が15世紀半ばに現れたときの意味は「法廷での審理」でした。有罪か無罪か、どちらの言い分が正しいか。証拠を出させて、ふるいにかける場のことです。
新しい薬が効くかどうかを確かめる臨床試験も、やっていることは同じです。データを出させて、効くものと効かないものをふるい分ける。法廷も実験室も、英語では「選り分ける場所」として同じ名前で呼ばれているわけです。
そう考えると、trial and error(試行錯誤)という言い方も腑に落ちます。この形が記録に現れるのは1806年から。やってみて、外れを捨てる。それがこの語の芯です。
例文で確かめる
The new drug is still in clinical trials.
その新薬はまだ臨床試験の段階です。
He learned to cook by trial and error.
彼は試行錯誤しながら料理を覚えました。
You can use the app free for a 30-day trial.
そのアプリは30日間のお試し期間、無料で使えます。
この形で覚える
| clinical trial | 臨床試験 |
| trial and error | 試行錯誤 |
| on trial | 裁判にかけられて/試用中で |
| free trial | 無料お試し期間 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | trial との違い |
|---|---|---|
| test | テスト、検査 | test は点数や合否を出すための1回の測定。trial は、うまくいくかどうかを見きわめる過程そのものを指します。 |
| experiment | 実験 | experiment は仕組みを知るために条件を変えて調べること。trial は「効くのか、使えるのか」を確かめる側に寄ります。 |
| hearing | (法廷の)審問 | hearing は言い分を聞く短い手続き。trial は証拠を出し合って決着をつける本審理です。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 「トライアル」とカタカナで言うときの「お試し」の意味しか知らないと、ニュースの clinical trial や stand trial(裁判にかけられる)が読めなくなります。意味は3つまとめて持つこと。
- 使える場面
- かたい語でも俗語でもなく、新聞にも会話にも出ます。ただし「裁判」の意味で使うときは、当然あらたまった話題になります。
- 発音・リズム
- 「トライアル」より「トラィアル」に近く、前半を強く読みます。/ˈtraɪəl/ で、後ろは軽く添えるだけです。
ミニコラム:膝サポーターが1位だった、という結果の読み方
この研究でおもしろいのは、順位そのものよりも、高いものが勝たなかったことだと思います。レーザーも超音波も、機械としては立派です。それでも、ただ膝を支えるだけの布と樹脂に負けました。
英語学習にも、同じことがよく起きます。新しいアプリ、新しい教材、新しい勉強法。試すこと自体はいいのです。trial の芯は「選り分ける」でしたから、試さないと選り分けられません。
ただ、選り分けた結果、残るのは地味なものだったという話は、わりとよくあります。音読、書き写し、同じ英文をもう一度聞く。139件ぶんのデータが膝サポーターを1位に押し上げたように、地味なものが勝つことは、ちゃんとあります。
原田高志
確認クイズ
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Q1. 本文の説明によると、trial が15世紀半ばに英語へ現れたときの意味はどれか。