throw shade
/θroʊ ʃeɪd/ 動詞句 いま英語圏で流行っている言い方
「(はっきり
to criticize or show disrespect for someone in an indirect way
どこで出てきたか
'Stop throwing shade' - the woman trying to stop firms leaving the UK
「けなすのはやめよう」 会社がイギリスから出ていくのを止めようとする女性
We need to stop throwing shade at ourselves as a nation... it's a national habit. 国として、自分たちを遠回しにけなすのはやめなければいけません。それは国民の癖なのです。
BBC によると、イギリスでは、株式を自分の国ではなくアメリカで上場する会社が増えています。ロンドン証券取引所のトップ、ジュリア・ホゲットさんが BBC の取材に答えました。イギリスの市場を悪く言う空気が、会社が出ていく理由の1つになってきた、という話です。ホゲットさんは、その悪い評判には大げさなものも多かった、とも言っています。そこで出てきたのが、見出しにもなった throwing shade です。
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この語の芯
正面から殴らず、上から影を落とす。
Wiktionary は、throw shade を「もとは LGBTQ の人たちのスラングで、アメリカのスラング」としています。Merriam-Webster によると、この意味の throw shade の記録は1992年からです。
名詞の shade のこの意味は、1990年のアメリカのドキュメンタリー映画『パリ・イズ・バーニング』に出てきます。ジェニー・リヴィングストン監督が、1980年代のニューヨークの「ボール」と呼ばれる文化を撮った映画です。決められたテーマの装いで歩き、トロフィーを競う催しです。アフリカ系やラテン系の、ゲイやトランスジェンダーの人たちが集まっていました。出演したドリアン・コーリーさんは、shade をこう説明しています。「shade っていうのは、私はあなたに醜いとは言わない。でも言う必要もない。あなたは自分が醜いと分かっているんだから」。
同じ語根の仲間 shade (日陰) shady (日陰の、怪しい) shadow (影)
ここが面白い
throw shade には、いまも文字どおりの「日陰を作る」という意味があります。Wiktionary は、1994年のガーデニングの本から1文を載せています。「隣の人が、自分の土地に日陰を落とす木を切ってくれと頼んできた」という文です。ここでは、木が throw shade しています。
つまり、同じ throw shade に、「日陰を落とす」と「遠回しにけなす」の2つの意味が並んでいます。相手に直接ぶつけるのではなく、上から影を落とすだけ。そう思って読むと、スラングのほうの意味も覚えやすくなります。
例文で確かめる
Stop throwing shade at your own school.
自分の学校を遠回しにけなすのはやめなよ。
Was that a compliment, or was she throwing shade at me?
あれってほめ言葉?それとも、遠回しに私をけなしてた?
He threw shade at the other team in his interview.
彼はインタビューで、相手チームのことをちくりと言った。
この形で覚える
| throw shade at someone | 〜を遠回しにけなす |
| stop throwing shade | 遠回しにけなすのをやめる |
| throw some shade | ちょっと嫌みを言う |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | throw shade との違い |
|---|---|---|
| diss | けなす、悪口を言う | diss は、はっきりけなすことです。throw shade は、はっきり言わずに分からせるけなし方です。 |
| be sarcastic | 皮肉を言う | sarcastic は、言葉の表と裏を逆にする言い方です。throw shade は皮肉に限らず、態度や遠回しの一言でもできます。 |
| shadow | 影 | Wiktionary によると、shade と shadow はもとは同じ古英語の語です。遠回しにけなす意味で使われるのは、shade のほうです。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- shady は「日陰の」のほかに「怪しい、信用できない」の意味があります(Wiktionary)。shady は遠回しにけなすことではないので、throw shade と混ぜないようにしましょう。
- 使える場面
- SNS や友だちとの会話で使う、くだけた言い方です。作文やレポートでは criticize を使いましょう。
- 発音・リズム
- shade は /ʃeɪd/ で、「シェイド」と読みます。throw の th は、舌先を軽くかんで息を出す音です。
ミニコラム:言わないことで、言う
ドリアン・コーリーさんの説明の面白いところは、悪口を1語も言っていないのに、相手には伝わっている点です。言葉の中身ではなく、言わずにおくことで伝えています。
ホゲットさんの言葉も、よく読むと、誰かが誰かを悪く言ったという話ではありません。イギリスの人たちが、自分の国の市場を必要以上に悪く言いがちだ、という指摘です。shade は、自分自身に向けて投げることもできるわけです。
明日、英語のニュースや SNS で throw shade を見かけたら、2つ考えてみましょう。誰が誰に向けたものか。そして、何をはっきり言わずにいるのか。
原田高志
確認クイズ
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Q1. "She never said anything bad directly, but she was clearly ______ at her rival." 空所に入る語句として最も適切なものは?