tariff
/ˈtærɪf/ 名詞(動詞としても使う) 英語ニュースに何度も出てくる語
「関税。
a tax that a government charges on goods that are imported from or exported to another country
どこで出てきたか
Canada's retaliatory tariffs take effect after U.S. trade talks stall
米国との貿易交渉が行き詰まり、カナダの対抗関税が発動
Canada's retaliatory tariffs on U.S. goods took effect just after midnight on Tuesday as Canadian Prime Minister Mark Carney increased economic pressure on his country's biggest trading partner after negotiations collapsed last month, intensifying an 18-month-old trade war. カナダの対米対抗関税は火曜日の午前0時過ぎに発動しました。カナダのマーク・カーニー首相は、先月交渉が決裂したことを受けて最大の貿易相手国である米国への経済的圧力を強め、18か月続く貿易摩擦をさらに激化させました。
2026年9月8日、カナダは米国産の鉄鋼・家具・衣料品・電子機器など、200億ドル相当の品目に15%から50%の対抗関税を発動しました。NBC Newsによれば、前月に米国との貿易交渉が決裂したことを受けた措置で、18か月続く貿易摩擦をさらに激化させるものだと報じられています。tariffは、こうした国と国との貿易をめぐる報道で、半年後もそのまま見出しに使われ続ける定番の語です。
動画で見る
この語の芯
国境を越えて出入りする品物にかける税金。かけられた側は値段が上がる。
Etymonlineによれば、tariffは1590年代に英語に入った語で、もとは『計算表』『価格の一覧、料率表』を意味していました。さかのぼるとアラビア語のta'rif(『知らせること、通知』の意味)にたどり着き、これは『知らせる、教える』を意味する動詞arafaから作られた語です。中世ラテン語tarifa(『価格の一覧、料率表』)からイタリア語tariffaを経て、英語のtariffになりました。中世の地中海貿易で使われていた商売の言葉が、そのまま英語に入ったものだと説明されています。
同じ語根の仲間 counter-tariff (対抗関税) trade war (貿易戦争、貿易摩擦)
ここが面白い
いま貿易摩擦の象徴のように使われるtariffという語は、もとをたどるとアラビア語で『知らせること』という、争いとは正反対の穏やかな意味でした。中世の地中海貿易で、商人たちが価格の一覧表を指して使っていた言葉が、アラビア語から中世ラテン語、イタリア語を渡り歩いて英語に入り、いまでは『関税をかける・かけられる』という意味で世界中のニュースに登場しています。1つの単語が、価格表から貿易戦争の合言葉まで旅してきたわけです。
例文で確かめる
The government announced new tariffs on imported steel.
政府は輸入鉄鋼への新しい関税を発表しました。
Higher tariffs usually mean higher prices for shoppers.
関税が上がると、たいてい買い物客にとっての値段も上がります。
The two countries agreed to lower tariffs on farm products.
両国は農産物への関税を引き下げることで合意しました。
この形で覚える
| impose a tariff on | 〜に関税を課す |
| retaliatory tariff | 対抗関税、報復関税 |
| tariff-free | 関税なしの、無関税の |
| raise/lower tariffs | 関税を上げる/下げる |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | tariff との違い |
|---|---|---|
| tax | 税金(一般) | taxは税金全般を指す広い語です。tariffは、国境を越える輸入品・輸出品にだけかけられる税金を指す、より狭い語です。 |
| duty | 関税、税 | dutyもtariffとほぼ同じ意味で使われますが、customs duty(通関の税)のように、実際に支払う個々の税額を指す場面でよく使われます。tariffは制度や税率そのものを指す場面で使われがちです。 |
| quota | 輸入割当 | quotaは輸入できる『量』そのものを制限する仕組みです。tariffは量を制限せず、『価格』に税金を上乗せして間接的に輸入を抑える仕組みです。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 「関税」と聞いて漠然とtaxと訳してしまいがちですが、tariffは輸入品・輸出品に限定した税金です。国内で完結する取引の税金には使いません。
- 使える場面
- 経済ニュース・貿易交渉の報道で頻繁に使われる、ややフォーマルな語です。日常会話で自分の買い物について話すときにはあまり使いません。
- 発音・リズム
- 最初の音節を強く読みます(TAR-iff)。日本語の『タリフ』は『タ・リ・フ』と3拍で読みますが、英語は2音節で、最後のffのあとに母音を付けずに終わります。
ミニコラム:コラム:『知らせる』という穏やかな語が、貿易戦争の合言葉になった話
2026年9月8日、カナダは米国との貿易交渉が決裂したことを受け、鉄鋼・家具・衣料品・電子機器など200億ドル相当の品目に15%から50%の対抗関税を発動しました。NBC Newsは、これが18か月続く貿易摩擦をさらに激化させるものだと報じています。
tariffという語をニュースで見かけると、どうしても国と国とのぶつかり合いを連想してしまいます。しかし語源をたどると、もとは中世の地中海貿易で使われていた『価格の一覧表』を指す、ごく実務的な言葉でした。アラビア語で『知らせること』を意味していたこの語が、貿易相手に価格を『知らせる』ための表から、いまでは国同士が関税率を『知らせ合う』ニュースの主役になっている。争いの語彙に見えて、もとは情報を共有するための語だった、というのは知っておいて損はありません。
原田高志
確認クイズ
-
Q1. 本文によると、tariffの説明として正しいのはどれか。