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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 流行英語 第59回 標準 読了 6分

sus

/sʌs/ 形容詞(スラング)。名詞としても使われる いま英語圏で流行っている言い方

「怪しい、あやしい、疑わしい。suspiciousまたはsuspectを短くした語。」

informal for suspicious or suspect; used to describe someone or something that seems wrong or untrustworthy

どこで出てきたか

What does 'sus' mean?

『sus』とはどういう意味か

出典: Merriam-Webster(Wordplay)(2022年9月(辞書追加時の解説))

You've been acting pretty sus, I think you're up to something.

最近ずいぶん怪しい様子だね。何か企んでるでしょ。

Merriam-Webster(Wordplay) の記事より

susは、2020年に世界的ヒットとなったオンラインゲーム『Among Us』で、プレイヤーが『あの人怪しい』と言うために使い、一気に広まった語です。ただしMerriam-Websterによれば、susという語自体は1920年代にはすでに使われていた記録があり、ゲームよりずっと古い語です。2022年9月、正式にMerriam-Websterの見出し語として辞書入りしました。

動画で見る

『Scrap Sus』運動(1977〜1980年)をふり返る映像 (Black History Month UK) コラムで触れた、sus法の廃止を求めた市民運動を扱った映像です。英語です。

この語の芯

『本当かどうか怪しい、信用できない』と感じたときに使う、ひとことの警戒信号。

susは、suspicious(疑わしい)またはsuspect(容疑者、〜だと思う)を短く切り取った語です。Merriam-Websterによれば、1920年代にはすでにsus(またはsuss)という形で使われていた記録があり、『Green's Dictionary of Slang』には、sus(suss)が『容疑者』『疑い』という意味の名詞として載っており、どちらも1930年代の用例です。イギリスには、警察がこの語を使った、もっと重い歴史もあります。

同じ語根の仲間 suss out ((句動詞・イギリス英語)〜を見抜く、理解する) suspect ((動詞)〜を疑う、(名詞)容疑者)

sus = suspicious/suspectを短く切った語。『Among Us』より100年近く前から使われている。

ここが面白い

susと聞くと、多くの人はオンラインゲーム『Among Us』を思い浮かべるはずです。ところがこの語には、ゲームよりずっと重い歴史があります。イギリスでは1824年の浮浪者取締法(Vagrancy Act)を根拠に、警察が『susな人物』を呼び止めて捜索できる、いわゆる『sus法』が使われていました。この法律は1970年代、根拠のないまま黒人の若者を狙い撃ちして呼び止める手段として乱用され、1977年にはロンドン・ハックニー区で、sus法による逮捕者の60%が黒人だったという記録も残っています(住民に占める黒人の割合は11%でした)。市民運動『Scrap Sus(susを廃止しよう)』の働きかけを受けて、この法律は1981年に廃止されました。ゲームの中で気軽に使う一言に、こうした重い歴史が隠れているというのは、知っておく価値のある事実です。

例文で確かめる

Don't you think it's a little sus that he left the party so early?

彼があんなに早くパーティーを抜けたの、ちょっと怪しくない?

That excuse sounded pretty sus to me.

その言い訳、僕にはかなり怪しく聞こえたよ。

I know it looks sus, but I promise I didn't take your charger.

怪しく見えるのは分かってるけど、本当に君の充電器は取ってないよ。

この形で覚える

act sus 怪しい様子をする
look sus 怪しく見える
pretty sus かなり怪しい
call someone sus (ゲームなどで)〜を怪しいと名指しする

似た語とどう違うのか

意味sus との違い
suspicious 疑わしい(標準語) suspiciousはフォーマルな場でも使える標準的な形容詞です。susはそれをくだけた場で使うために短くしたスラングで、SNSや友達同士の会話に限られます。
shady うさんくさい shadyは人や行動が不正直・不正である疑いを表す語で、susより少し強い非難のニュアンスを持ちます。susは『ちょっと引っかかる』程度の軽い疑いにも使えます。
sketchy うさんくさい、怪しい sketchyは場所や状況が危険・不安に感じられるときによく使われます。susは人の言動そのものへの違和感を指すときに使われることが多い語です。

使うときの注意

ここで間違える
susは口語のスラングです。レポートや面接など、フォーマルな英語ではsuspiciousを使ってください。
使える場面
友達同士のSNSやチャットで使うくだけた語です。目上の人や初対面の相手には使いません。
発音・リズム
1音節の語です。suspiciousのようにsuの部分を伸ばさず、『サス』と短く発音します。

ミニコラム:コラム:ゲームの合言葉が、実は100年前からあった言葉だった

『Among Us』が2020年に世界中で大ヒットしたことで、susという語は一気に日常語になりました。ゲームの中で誰かを『sus』と呼ぶのは、ちょっとしたお祭り気分の合言葉です。

ところがこの語には、もっと古くて、もっと重い歴史があります。イギリスでは1824年の浮浪者取締法を根拠に、警察が『susな人物』を呼び止めて捜索できる『sus法』が使われていました。1970年代、この法律は根拠のないまま黒人の若者を繰り返し呼び止める手段として使われ、1977年にはロンドン・ハックニー区で逮捕者の60%を黒人が占めるという記録も残っています。市民運動『Scrap Sus』の働きかけを受けて、この法律は1981年に廃止されました。

2022年9月、susは正式にMerriam-Websterの見出し語に加わりました。ゲームの中で気軽に使う一言の奥に、こうした歴史が積み重なっているというのは、知っておいて損はない事実です。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、susという語について正しいのはどれか。