surge
/sɜːrdʒ/ 名詞・動詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「急増する、
to increase suddenly and by a large amount, like a wave rising
どこで出てきたか
Surge in nearshore humpback whales reported off Maine coast
メイン州沖で、沿岸に近いザトウクジラの目撃が急増と報告
Researchers at the College of the Atlantic say they've seen a surge in nearshore humpback whale sightings, likely because more food is available. カレッジ・オブ・ジ・アトランティックの研究者たちは、餌となる魚が豊富にあるためとみられる、沿岸近くでのザトウクジラ目撃の急増を報告している。
8月に入り、メイン州の海岸近くでザトウクジラの目撃情報が急に増えています。理由として研究者が挙げているのは、餌となる小魚が沿岸に豊富にいること。同じ surge という語は、この数日だけでも「電力のサージ」「入場者のサージ」「物価のサージ」と、まったく違う話題の見出しに繰り返し登場します。1語で何にでも使える、報道の常連です。
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この語の芯
下から急に盛り上がって、押し寄せる。 波が一段高くうねって寄せてくる、その絵がそのまま単語になっています。
語源はラテン語の surgere(湧き上がる、立ち上がる)。これはさらに sub-(下から)+ regere(まっすぐ導く)に分解できます。「下から、まっすぐに立ち上がってくる」というのが、いちばん古い絵です。
この surgere は、英語のなかにいくつも子孫を残しています。insurgent(反乱を起こす人)は in-(〜に対して)+ surge(立ち上がる)で「体制に対して立ち上がった人」。resurge / resurgence(再び盛んになる)は re-(再び)+ surge で「もう一度立ち上がる」。そして意外なところでは source(源、水源)も同じ語根から来ていて、地面から水が「湧き上がる」場所という発想でつながっています。
同じ語根の仲間 insurgent (反乱を起こす人、反体制派) resurgence (再燃、復活) source (源、水源) urge (衝動、駆り立てる)
ここが面白い
「電源サージ」の surge と、「クジラの目撃急増」の surge は、まったく同じ語です。日本語ではカタカナの「サージ」を電気の話だけで覚えている人が多いのですが、英語では人にも、物価にも、感情にも、水面にも使える、驚くほど守備範囲の広い語です。
さらに言えば、反乱を起こす人(insurgent)と、電源サージ(power surge)は、語源のうえでは親戚です。どちらも「下から急に立ち上がってくる」という、たった1つの絵から生まれています。カメラの視点をぐっと引いてみると、政治のニュースも、電気の話も、クジラの話も、英語のなかでは同じ1枚の絵でつながっているわけです。
例文で確かめる
Researchers have seen a surge in nearshore humpback whale sightings this summer.
研究者たちは、この夏、沿岸近くでのザトウクジラの目撃が急増しているのを確認している。
①ニュースそのままの使われ方。a surge in 〜 で「〜の急増」。
A power surge knocked out the electricity across the whole neighborhood.
電源サージが起きて、近所一帯の電気が止まった。
日本語の「サージ」がいちばん定着しているのがこの使い方です。
Ticket prices tend to surge whenever the local team reaches the finals.
地元チームが決勝に進むと、チケットの値段はいつも急騰する。
動詞としての使い方。主語は「値段」でも「人数」でも自由に立てられます。
この形で覚える
| a surge in demand | 需要の急増 |
| a sudden surge | 突然の急増 |
| surge pricing | 需要に応じた変動価格(配車アプリなどの) |
| power surge | 電源サージ(瞬間的な電圧の急上昇) |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | surge との違い |
|---|---|---|
| spike | 急な跳ね上がり | spike は一瞬だけグラフが尖るような、短時間の急上昇。surge はうねりのように、ある程度の期間持続する増え方です。 |
| increase | 増加する | increase は感情の入らない中立の一般語。surge が持つ「勢いよく」というニュアンスはありません。 |
| boom | 好況、急成長 | boom は経済や産業が全体として盛り上がること。surge は数量そのものが急に増えることを指し、対象がより具体的です。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 日本語の「サージ」は電源サージだけで覚えている人が多いですが、英語の surge は人・動物・価格・感情など何にでも使える汎用語です。
- 使える場面
- ニュース・ビジネス文書で頻出する中立的な語。日常会話でも普通に使えます。
- 発音・リズム
- サージ。urge(衝動)と韻を踏みます。語尾は「ジ」と濁る音で、「サーチ」と読まないように注意。
ミニコラム:電気も、クジラも、同じ1枚の絵でできている
英単語を教えていて、いちばん生徒に喜ばれるのは「意味がバラバラに見えていたものが、じつは1枚の絵でつながっていた」と分かる瞬間です。
surge はその代表格です。電源サージ、物価のサージ、クジラの目撃サージ。日本語なら「急騰」「急増」「殺到」と、場面ごとに別の漢字を使い分けるところを、英語はたった1つの語、しかもたった1つの絵(下から立ち上がる水)で済ませてしまいます。
これは英語という言語の経済性であり、同時に、覚え方のコツでもあります。単語を意味の数だけ暗記するのではなく、絵を1枚だけ覚える。そうすれば、ニュースでも、経済記事でも、理科の電気の単元でも、同じ絵を思い出すだけで意味が取れるようになります。今日クジラの記事で出会った surge が、来月は別の教科書のページで、静かに待っています。
原田高志
確認クイズ
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Q1. A ______ in tourists visited the small town after it appeared in a popular TV show. の空所に最も適切なものは?