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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 時事英語 第54回 標準 読了 6分

stopgap

/ˈstɒpɡæp/ 名詞・形容詞 英語ニュースに何度も出てくる語

「①(名詞)一時しのぎの措置、つなぎ ②(形容詞的に)一時しのぎの、つなぎの」

something used to deal with an urgent need for a short time, until a proper or permanent solution is found

どこで出てきたか

Shutdown threat possibly lifted as House passes stopgap spending bill

政府閉鎖の懸念、下院のつなぎ予算法案可決でひとまず後退

出典: Nextgov/FCW(2026年9月1日)

The House approved a stopgap spending bill on Tuesday that will keep the federal government funded through early December, taking a government shutdown off the table ahead of midterm elections this fall.

下院は火曜日、連邦政府の資金を12月上旬まで維持する『つなぎ予算法案』を可決し、今秋の中間選挙を前に政府機関の閉鎖という選択肢を退けました。

Nextgov/FCW の記事より

アメリカ連邦政府は、会計年度が変わる10月1日までに本予算が成立しないと、一部の行政機関が閉鎖に追い込まれます。2026年9月、下院はこの『崖』を避けるため、本予算がまとまるまで資金をつなぐ法案を可決し、閉鎖を12月11日まで先送りしました。stopgapは、この手の『本決まりまでの応急措置』を指す語で、財政や政治のニュースの見出しに繰り返し登場します。

動画で見る

アメリカ下院がつなぎ予算法案を採決する様子を伝えるニュース映像 (CBS News) 政府機関の閉鎖期限を前に、下院がstopgap spending billの採決に向けて動いた場面を伝えています。

この語の芯

隙間(gap)を、とりあえず塞ぐ(stop)。それだけの、飾りのない一言

stop(塞ぐ)と gap(隙間)を組み合わせただけの、素直な複合語です。比喩でも何でもなく、文字どおり『隙間に何かを詰めて、とりあえず塞ぐ』という場面がそのまま、『本決まりまでの一時しのぎ』という意味に転用されました。難しい語源を持つ単語ではなく、2つのやさしい単語を足しただけで意味が分かる、英語の複合語らしい複合語です。

stopgapは『とりあえず穴をふさぐ』の一言。だから『恒久的なstopgap』とは絶対に言えない。

ここが面白い

stopgapという語には、あるおもしろい制約があります。それは、『恒久的な(permanent)stopgap』とは決して言えないということです。stopgapという語そのものに『とりあえず、一時的に』という意味が組み込まれているため、『永久のつなぎ』は言葉として矛盾してしまいます。ニュースで stopgap bill(つなぎ予算法案)が繰り返し出てくるのは、まさにこの語が持つ『期限つき』という性質のせいで、本予算が成立するまで何度でも継ぎ足す必要があるからです。

例文で確かめる

Congress passed a stopgap bill to keep the government funded for a few more months.

議会は、政府の資金をあと数か月維持するためのつなぎ法案を可決しました。

We hired a stopgap manager until the new director starts in January.

1月に新しい部長が着任するまでの間、つなぎの管理者を雇いました。

The extra staff were only a stopgap; the department still needed a long-term hire.

追加の人員はあくまで一時しのぎで、その部署にはまだ長期的な採用が必要でした。

この形で覚える

a stopgap measure 一時しのぎの措置
a stopgap solution つなぎの解決策
stopgap funding つなぎの資金
act as a stopgap 一時しのぎの役割を果たす

似た語とどう違うのか

意味stopgap との違い
temporary 一時的な temporary は『一時的』を表すもっとも中立で幅広い語。stopgap はそれよりも『本来のものが決まるまでの、とりあえずの代役』という含みが強い語です。
interim 暫定の interim は『暫定CEO(interim CEO)』のように、役職や制度の文書でよく使われるフォーマルな語。stopgap はニュースの見出しなど、より口語的な場面でも使われます。
patch その場しのぎの修正 patch は主にソフトウェアや、応急的な修理に使う語で、やや軽い響きがあります。stopgap は政治・経済のニュースでも普通に使われる、もう少し硬い語です。

使うときの注意

ここで間違える
stopgapは名詞にも形容詞にも使えますが、動詞としては使いません。『to stopgap something』という言い方はしないので注意してください。
使える場面
ニュースやビジネス文書で中立的に使われる語です。日常会話では、より柔らかい『temporary fix』のほうが自然に聞こえることもあります。
発音・リズム
最初の stop に強勢を置いて、ひと息に読みます。stop と gap を別々に強く言うと不自然に聞こえます。

ミニコラム:コラム:『つなぎ』はどこの国の政治にもある

予算が本決まりになるまで、とりあえず資金を『つなぐ』という発想は、アメリカだけのものではありません。国の予算が年度の変わり目に間に合わないという事態は、制度が違っても起こりうる、政治につきものの悩みです。日本の国会にも、本予算の成立が遅れたときのために、当面の支出をまかなう『暫定予算』という仕組みがあります。呼び方は違っても、『本決まりまでの一時しのぎ』という考え方そのものは、驚くほど似ています。

英語のニュースで stopgap という語を見かけたら、それは『何かが正式に決まっていない』ことのサインです。政治のニュースに限らず、会社の人事(stopgap CEO=暫定CEO)やスポーツのチーム編成(stopgap goalkeeper=急場しのぎのゴールキーパー)でも、同じ発想でこの語が使われます。『とりあえず』という日本語の感覚に、いちばん近い英単語の1つかもしれません。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、stopgapという語について正しいのはどれか。