stalemate
/ˈsteɪlmeɪt/ 名詞・動詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「①(交渉・
a situation in which neither side in an argument or contest can make progress, or (in chess) a position where a player cannot legally move but is not in check
どこで出てきたか
Stalemate on the strait as deadline for US-Iran agreement expires
米・イラン合意の期限切れ、海峡をめぐる行き詰まりは続く
The stalemate between the US and Iran looks set to continue. アメリカとイランのあいだの行き詰まりは、このまま続きそうだ。
アメリカとイランは、2026年6月17日の暫定停戦のあと、60日のあいだに本格的な和平合意をまとめることになっていました。その期限が8月16日に過ぎ、合意はできませんでした。争点は、世界の石油と天然ガスのおよそ5分の1が通るホルムズ海峡を、どちらが管理するかです。どちらの国も歩み寄らないまま期限が過ぎ、報道はこの状況を stalemate(行き詰まり)と表現しています。交渉・議会・スポーツなど、『両者ともこれ以上動けない』という場面全般で使われる語で、ニュースの見出しの常連です。
動画で見る
この語の芯
どちらも動けず、そこで止まっている。stalemate の芯はこの一言に尽きます。勝ち負けが決まらないまま、時間だけが過ぎていく状態です。
stalemate はもともとチェスの専門用語で、1765年ごろから使われ始めました。stale はアングロ・フランス語の estale(動きが無い状態)にさかのぼり、stand(立つ)や stall(屋台、部屋)と同じ語根を持つと考えられています。mate は checkmate(王手詰み)の後ろ半分で、こちらはペルシャ語の shah mat(王が手も足も出ない、というような意味)に由来するとされています(語源には諸説あります)。
チェスでは、stalemate は王が『詰み(checkmate)』ではないのに、動かせる駒が1つも無くなった状態を指し、引き分けになります。『詰みではないのに、詰みのように動けない』という、少しねじれた成り立ちの語です。
同じ語根の仲間 stale (新鮮でない、古びた(ふだんの意味)) checkmate (王手詰み、完全に打つ手が無い状態)
ここが面白い
実はこの stalemate というルール、昔のイギリスでは今と逆の結果でした。17世紀から19世紀の初めにかけて、イギリスでは stalemate にされた側、つまり動けなくなったほうが勝ちとされていたのです。今のような『引き分け』という扱いに変わったのは、比較的あとの話です。
つまり、相手を動けなくしたほうが負けになる時代があった、ということです。ルールというのは、思っているほど昔から決まっていたものではない、という一例です。
例文で確かめる
Contract negotiations between the two companies have reached a stalemate.
その2社の契約交渉は行き詰まりを迎えている。
In chess, a stalemate results in a draw, even if one player has far more pieces.
チェスでは、たとえ一方の駒がずっと多くても、ステイルメートになれば引き分けになる。
The city council debate ended in a stalemate, with neither side willing to compromise.
市議会の議論は行き詰まりに終わり、どちらの側も譲ろうとしなかった。
この形で覚える
| reach a stalemate | 行き詰まりに達する |
| break the stalemate | 行き詰まりを打開する |
| end in a stalemate | 行き詰まりのまま終わる |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | stalemate との違い |
|---|---|---|
| checkmate | 王手詰み、完全な敗北 | checkmate は王が逃げ場を失う『負け』の状態。stalemate は逃げ場が無いのに王手ではない、『引き分け』の状態。 |
| deadlock | (交渉などの)行き詰まり | deadlock はほぼ同じ意味で使えるが、stalemate はチェス由来の比喩を含む分、ニュースの見出しでよく好まれる。 |
| impasse | (交渉の)行き詰まり、袋小路 | impasse はフランス語由来でやや硬い響き。stalemate より書き言葉・外交の文脈で使われやすい。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- stalemate は『膠着状態』全般に使えますが、チェスでは正式なルール用語でもあります。checkmate(王手詰み)と混同しないよう気をつけてください。
- 使える場面
- ニュース・ビジネス・スポーツの見出しで頻出。日常会話でも『話がまったく進まない』の意味で自然に使えます。
- 発音・リズム
- 【ステイル・メイト】。stale の部分は state(ステイト)と聞き間違えやすいので注意してください。
ミニコラム:原田のミニコラム|『負け』と『引き分け』の境目
英語のニュースでは、政治でもスポーツでも、この stalemate という語に本当によく出会います。
面白いのは、チェスというゲームの中に、『どちらも悪くないのに、勝負が決まらない』という状態がきちんとルールとして用意されていることです。日常のニュースでも、両方の言い分にそれなりの理由があって、簡単には決着しない場面があります。
そういうとき、無理に白黒つけようとせず、『これは stalemate なんだな』と一歩引いて見る言葉を持っておくと、ニュースの見方が少し変わるかもしれません。
原田高志
確認クイズ
-
Q1. stalemate の説明として最も適切なものはどれか。