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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 時事英語 第72回 標準 読了 6分

settle into

/ˈsetl ˈɪntuː/ 動詞句(自動詞settle+前置詞into) 英語ニュースに何度も出てくる語

「(新しい場所・環境に)なじんで落ち着く、住み着く」

to become comfortable and used to living in a new place or situation

どこで出てきたか

Crocodiles are famous for finding their way home. These ones didn't

ワニは家に帰る名人のはずが、この個体たちは違った

出典: ScienceDaily(2026年9月14日)

Instead, they settled into small, well-defined areas and moved in much the same way as the local wild crocodile we tracked, which tells us they are possibly able to adapt to their new environment seamlessly.

その代わりに、彼らは狭く区切られた場所に落ち着き、私たちが追跡した地元の野生のワニとほとんど同じように動きました。これは、彼らが新しい環境に途切れなく適応できる可能性を示しています。

マードック大学 客員准教授 ルチラ・ソマウィーラ氏(ScienceDaily)

2026年9月、飼育下で8〜22年育てられた大型のワニを野生に放したところ、元の飼育施設へ戻ろうとせず、その場に settle into(落ち着いて住み着く)したという研究がScienceDailyで報じられました。ワニは本来、家に帰る能力が非常に高い動物として知られています。だからこそ、『戻らずに settle into した』という結果は、研究者にとっても驚きだったのです。

動画で見る

イリエワニが水中で泡を出す様子を紹介する、BBCの自然番組の映像 (BBC Studios) 英語です。記事に出てくるイリエワニ(saltwater crocodile)を扱った回です。今日の研究そのものを撮った映像ではありません。

この語の芯

新しい場所に体がなじんで、そこが『いつもの場所』になること

語源辞典Etymonlineによれば、settleはもともと古英語のsetl(座席・腰掛け)に由来する語です。座る場所を意味したsetlが動詞として使われるようになり、『腰を落ち着ける』『定着する』という意味を持つようになりました。1550年代には『長椅子』を指す名詞としても使われています。実は英語のseat(座席)も、同じ『座る』を意味する語根から枝分かれした語で、settleとseatは、たどっていくと同じ語根に行き着く『親戚』の語なのです。

同じ語根の仲間 settlement (定住地、和解) settler (開拓者、入植者)

settle into=もとは『座る』。新しい場所に腰を下ろして、そこが日常になること。

ここが面白い

settleとseatが同じ語根の親戚だと知ると、settle intoという語の絵がぐっと具体的になります。ワニのニュースに戻ると、ここが面白いところです。8年から22年も飼育されていたワニたちが、放たれた場所から動かなくなり、狭い区域に留まり続けました。語源をたどれば、まさに文字どおり、その場所に『腰を下ろした』わけです

例文で確かめる

It took the new students a few weeks to settle into their new school.

新入生たちが新しい学校に慣れるまで、数週間かかりました。

After moving three times in five years, my family has finally settled into this house.

5年で3回引っ越したあと、私の家族はやっとこの家に落ち着きました。

The team is still trying to settle into its new coach's system.

そのチームは、新しいコーチのやり方にまだ慣れようとしているところです。

この形で覚える

settle into a routine 日課に慣れる
settle into a new job 新しい仕事に慣れる
settle into silence (会話などが)静けさに落ち着く
settle into a new environment 新しい環境になじむ

似た語とどう違うのか

意味settle into との違い
adapt to 〜に適応する adapt toは変化に合わせて自分を変えることに重点がある語。settle intoは、変化したあとに心地よく落ち着いた状態になることを表す。
get used to 〜に慣れる get used toは日常会話でよく使う中立的な言い方。settle intoは、新しい場所や役割に体ごとなじんでいく、少し温かみのある言い方。
move into 〜に引っ越す move intoは物理的に引っ越す『動作』を表すだけ。settle intoは、引っ越したあとにそこが『自分の場所』になっていく過程を表す。

使うときの注意

ここで間違える
settle intoのあとには、場所や状態を表す語句を置くのが基本。intoを落としてsettle a new schoolのように使うと不自然。
使える場面
会話でも文章でも使える、幅広い場面で通じる表現。ニュース記事にもエッセイにも出てくる。
発音・リズム
『セトゥル・イントゥ』に近い発音。setの部分にアクセントを置く。

ミニコラム:コラム:ワニが教えてくれた、『住み着く』という英語

ワニは、家に帰る名人だと言われています。捕まえた場所から遠く離れた場所に放しても、驚くほどの精度で元の場所へ戻ってくることが知られているからです。ところが2026年9月、マードック大学などの研究チームがバングラデシュのスンダルバンスで行った調査では、様子が違いました。8年から22年も飼育されていた3頭のメスのワニに衛星追跡装置を付け、英国の自然雑誌BBC Wildlifeのニュースサイトによれば、もといた場所から25キロ以上離れた場所に放しました。すると3頭とも施設へ戻ろうとせず、放された場所の近くにsettle into(落ち着いて住み着く)していたのです。

研究者のルチラ・ソマウィーラ氏は、この結果を『新しい環境に途切れなく適応できる可能性を示している』と説明しています。スンダルバンスに残る成熟したワニは、いまやおよそ140頭しかいないとされていて、この発見は、飼育下で育てた大きなワニを野生に戻す方法として、新しい選択肢になるかもしれません

settle intoという語は、まさにこの『新しい場所が、いつのまにか自分の場所になる』という感覚を表しています。引っ越した先、転校した先、新しい部活やクラス。どこであっても、最初は落ち着かなくても、時間が経てば自然と体がなじんでいきます。次に新しい環境に飛び込むときは、このワニたちのように、焦らずsettle intoしていく時間を、自分にも許してあげてください。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文で紹介された研究によると、飼育下で育った3頭のメスのワニを放したあと、何が起きたか。