setback
/ˈsɛtbæk/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「(計画や
an unexpected problem that delays or damages a plan, or a defeat that weakens someone's position
どこで出てきたか
German Chancellor Friedrich Merz suffered a bruising electoral setback in two state elections on Sunday, including a historic defeat for his party, but vowed to press ahead with potentially painful reforms to Europe's biggest economy. ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は日曜日、2つの州議会選挙で痛烈な痛手を受け、自身の政党にとって歴史的な敗北となった。それでも首相は、ヨーロッパ最大の経済を立て直すための、痛みを伴いかねない改革を進める決意を示した。
2026年9月21日、ドイツのメルツ首相の政党が2つの州議会選挙で痛手を受け、うちメクレンブルク=フォアポンメルン州では第2次世界大戦後で最低の得票率になったと、AP通信が報じました。見出しと本文の両方に setback が使われており、選挙で計画や勢いがくじかれたことを表す、ニュース英語の定番語です。政治のニュースだけでなく、ビジネスやスポーツの記事でも、同じ形でよく登場します。
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この語の芯
思い描いていた計画が、思わぬところでつまずいて後戻りすること。
setback は、動詞句 set back(後ろに下げる、押し戻す)がそのまま名詞になった語です。名詞としては1670年代に『進行を止めるもの、挫折』という意味で使われ始めました。
20世紀に入ると、この語は別の場面にも広がります。語源辞典 Etymonline によると、1916年からは『建物と敷地の境界線や道路とのあいだの空き』を指す建築の用語としても使われています。同じ1語が、政治の敗北にも、ビルの形にも使われているのは、どちらも『前に進んでいたものが、後ろへ下げられる』という同じ絵から来ているからです。
ここが面白い
1915年、ニューヨークに40階建ての Equitable Building が完成すると、道路から下がらずに建てられていたため、周囲の地面に日光が届かなくなり、強い批判を受けました。これがきっかけの1つとなって、1916年、ニューヨーク市は高い建物の上の部分を道路から『後退』(setback)させて建てるよう求める規則(1916 Zoning Resolution)を定めます。
その結果生まれたのが、下が大きく、上に行くほど段々と細くなる『ウェディングケーキ』型の摩天楼です。政治家が選挙で受ける setback と、ビルの形を決めた setback。まったく別の話に見えて、どちらも『後ろへ押し戻される』という、同じ1つの絵からできているわけです。
例文で確かめる
The company's setback in the Japanese market forced it to rethink its strategy.
その会社は日本市場での痛手を受けて、戦略の練り直しを迫られた。
Losing the contract was a major setback, but the team didn't give up.
契約を失ったことは大きな痛手だったが、チームはあきらめなかった。
Despite the setback, she was determined to run again next year.
その痛手にもかかわらず、彼女は来年もう一度出馬する決意だった。
この形で覚える
| suffer a setback | 痛手を受ける |
| a major/minor setback | 大きな/小さな痛手 |
| despite the setback | その痛手にもかかわらず |
| a setback for ~ | 〜にとっての痛手 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | setback との違い |
|---|---|---|
| failure | 失敗 | failure は最終的な失敗そのもの。setback は『一時的な後退』で、そこから立て直せる含みがあります。 |
| defeat | 敗北 | defeat は勝負の結果としての敗北そのもの。setback は、その敗北が計画全体に与える『後退』のほうを指します。 |
| obstacle | 障害物 | obstacle は進む前に立ちはだかる壁。setback は、進んだあとに足を取られて後ろへ戻されることを指します。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 日本語の『セットバック』は、建築で敷地境界線から建物を下げて建てることを指す専門語として定着しています。英語の日常会話・ニュースでの setback(計画の後退・痛手)とは、意味の重なりが薄いので注意してください。
- 使える場面
- ニュース、ビジネス、スポーツのどの文脈でも使える中立的な語です。
- 発音・リズム
- set と back がくっついた複合語です。set のほうにアクセントを置いて、一息で【セットバック】と読みます。
ミニコラム:『後退』ということばが、政治とビル建築をつなぐ
ニュースで setback を見ると、多くの人は選挙や交渉のような、政治やビジネスの場面を思い浮かべると思います。ところが調べてみると、この語はニューヨークの摩天楼の形を決めた条例用語でもありました。
どちらも根っこにあるのは、set back(後ろへ下げる)という、たった2語のシンプルな動詞句です。選挙で党が後退するのも、ビルが道路から後退して建てられるのも、英語ではどちらも『back』の1語で説明がつくわけです。
日本語で『セットバック』と聞くと建築の話にしか聞こえませんが、英語のニュースでは、今回のように政治や経済の記事でよく使われます。カタカナ語の意味を、そのまま英語の意味だと思い込まないことが、ニュース英語を読むときのコツの1つです。
原田高志
確認クイズ
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Q1. "The team suffered a major ______ when their star player got injured." 空所に入る語は?