sanctions
/ˈsæŋkʃənz/ 名詞(複数形で使うことが多い) 英語ニュースに何度も出てくる語
「(国家間の
official actions taken against a country to make it follow international rules, often by restricting trade
どこで出てきたか
Treasury targets Iran airlines as US steps up economic pressure campaign
財務省、対イラン経済圧力を強めイラン航空会社を標的に
The US has placed sanctions on 27 Iranian commercial airlines as President Donald Trump's administration seeks to crank up its economic pressure campaign against Tehran. トランプ大統領政権がテヘランへの経済的圧力キャンペーンを強めようとする中、米国はイランの商用航空会社27社に制裁を科した。
2026年9月8日、アメリカ財務省はイランの航空会社27社に制裁(sanctions)を科したと発表しました。ベッセント財務長官が8月24日に打ち出した『Operation Economic Outcast(経済的追放作戦)』の一環で、イラン政権を支える経済的な生命線を断つことが狙いだとされています。The Nationalは、この措置を「Treasury targets Iran airlines as US steps up economic pressure campaign(財務省、対イラン経済圧力を強めイラン航空会社を標的に)」と報じました。sanctionsは、国際ニュースの見出しに繰り返し登場する定番の語です。
動画で見る
この語の芯
ルールを破った相手に対する、国どうしの公式な締め付け。
英語語源辞典Etymonline|sanctionによれば、sanctionはラテン語sancire(神聖なものとする、正式に定める)に由来し、もとは『法や布告』、とくに教会の定めを指す語でした。この語には、はじめから2つの方向がありました。1630年代には『法律の定めに従わせるための罰則』という意味で使われ始め、17世紀末には『報酬と罰則の両方による強制力』という意味も加わります。ところが1720年ごろには、まったく逆の『公式な許可、承認』という意味でも使われるようになりました。『国家が他国に対して行う経済的な措置』という、いまいちばんよく見る意味は、比較的新しく、1919年ごろに定着したとされています。
同じ語根の仲間 sanctuary (聖域、避難所) sanctity (神聖さ)
ここが面白い
sanctionという語は、英語では珍しく、正反対の2つの意味を同時に持つ『矛盾語(contronym)』です。動詞のsanctionは『承認する』(This event is officially sanctioned.=この催しは公式に承認されている)という意味にもなれば、名詞のsanctionsは『制裁』(economic sanctions=経済制裁)という正反対の意味にもなります。
もとをたどれば、どちらも『公式に定められた、法の力を持つもの』という同じ発想から来ています。法の定めは、守れば見返りを、破れば罰を与える。同じ1本の『定め』という幹から、ご褒美の枝と罰の枝が、両方伸びてしまったというわけです。
例文で確かめる
The United Nations imposed new sanctions on the country.
国連はその国に新たな制裁を科しました。
The government is calling for sanctions to be lifted.
政府は制裁の解除を求めています。
These sanctions are aimed at cutting off the regime's main sources of income.
これらの制裁は、その政権の主な収入源を断つことを狙っています。
この形で覚える
| impose sanctions (on ~) | (〜に)制裁を科す |
| lift/ease sanctions | 制裁を解除する/緩和する |
| economic sanctions | 経済制裁 |
| sanctions relief | 制裁の緩和措置 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | sanctions との違い |
|---|---|---|
| penalty | 罰、罰則 | penaltyは個人からスポーツの反則まで幅広く使う一般的な罰です。sanctionsは、主に国家や組織どうしの公式な措置を指す場面で使われます。 |
| embargo | 禁輸措置 | embargoは特定の物品や貿易そのものを止める措置に絞った語です。sanctionsは、資産凍結や渡航禁止なども含む、より広い制裁措置全般を指します。 |
| boycott | 不買運動、ボイコット | boycottは消費者や団体が自発的に行う抗議行動です。sanctionsは、政府や国際機関が公式に定める措置である点が異なります。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 動詞 sanction(承認する)と、名詞の複数形 sanctions(制裁)は正反対の意味なので注意してください。ニュースで複数形の sanctions と出てきたら、ほぼ確実に『制裁』の意味です。
- 使える場面
- ニュース・外交・経済の議論で使われる、ややフォーマルな語です。友人どうしの日常会話で『罰』全般を言うときは punishment や penalty のほうが自然です。
- 発音・リズム
- 第一音節にアクセントを置きます(SANK-shuhnz)。日本語の『サンクション』のように各音を均等に伸ばさず、最初の音を強く短く発音します。
ミニコラム:『認める』と『罰する』が、同じ語に同居している理由
sanctionsという語を辞書で引くと、『制裁』としか出てこないことがほとんどです。ですが同じ単語の動詞形sanctionには、『承認する』という、まるで反対の意味もあります。
由来をたどると、どちらも『公式に定められたルール』という、同じ場所から来ています。ルールには、守った側への見返りと、破った側への罰の、両方が付き物です。英語はこの語を手放さず、承認の側の意味と、罰の側の意味を、両方とも同じ単語に残しました。
ニュースでsanctionsという語を見かけたら、それは『何らかの公式な定めに背いた結果、いま罰が科されている』という場面だと思ってください。同じ語のもう一つの顔、『承認』のほうも、頭の片隅に置いておくと、英字新聞を読む楽しみが一つ増えます。
原田高志
確認クイズ
-
Q1. 本文の説明によると、sanctionという語について正しいのはどれか。