polyester
/ˈpɑliˌɛstər/ 名詞(形容詞のようにも使う) いま英語圏で流行っている言い方
「①ポリエステル
(slang) cheap, fake or low-quality; first the name of a common man-made fabric
どこで出てきたか
Gen Z is using ‘polyester’ as an insult. It’s actually a throwback.
Z世代は polyester を悪口に使っている。実は昔からある使い方だ
出典: Grist(2026年9月2日)
That disgust factor (“ugh, I’m wearing plastic?”) might help explain why “polyester” is now trending as an insult on TikTok. この「うわっ、私プラスチックを着てるの?」という嫌な気持ちが、polyester がいま TikTok で悪口として流行っている理由の1つかもしれません。
環境ニュースのサイト Grist によると、ある18歳が、細かいところまで決めた夢の暮らしを思い描く動画が広まりました。その動画のいちばん上のコメントは Polyester lifestyle でした。ここでの polyester は「安っぽい」「作りものっぽい」という意味です。Grist は、ポリエステルがプラスチックからできていることへの嫌悪感が、この悪口の背景にあるかもしれないと書いています。
動画で見る
この語の芯
布の「安っぽさ」を、人や物の「うそっぽさ」に重ねる。 本物に見せようとして、かえって安っぽく見えるものに使います。
Wiktionary によると、polyester は poly-(多くの)と ester(エステル)を組み合わせた語です。英語版 Wikipedia によると、ポリエステルは、エステルという化学のつながりが、くり返しの単位ごとに入った物質(ポリマー)です。
後ろの ester は、英語版 Wikipedia によると、1848年にドイツの化学者レオポルト・グメリンが作った語です。おそらくドイツ語の Essigäther(酢酸エーテル)を縮めたものとされています。Essig はドイツ語で「酢」です。ただし Wiktionary は、この由来には推測が含まれるとしています。
同じ語根の仲間 ester (エステル(化学)) polymer (ポリマー、重合体) polygon (多角形) plastic (プラスチック/(形容詞で)うわべだけの)
ここが面白い
「Z世代の新しい悪口」として紹介された polyester ですが、この使い方は約50年前からありました。Grist によると、オックスフォード英語辞典(OED)には1979年の用例があります。「A gleaming brazen polyester clown」(ぎらぎらした、厚かましいポリエステルの道化)です。1987年の用例もあります。「Clifton wears polyester suits and a polyester smile」(クリフトンはポリエステルのスーツを着て、ポリエステルの笑顔を浮かべる)です。
Grist によると、ポリエステルはかつて「奇跡の生地」として売られていました。しわにならず、すぐ乾くからです。ところが安く大量に出回ると、人類学者ジェーン・シュナイダーの言葉どおり、印象は「宝物からごみへ」と変わりました。辞書の編集者 Kory Stamper さんは、TikTok の利用者は、この「うそっぽい」「質が低い」という意味のほうに寄せて使っているだけだと話しています。
例文で確かめる
That ad felt so polyester, like nobody in it was really having fun.
あの広告はすごく作りものっぽかった。出ている人が誰も本当は楽しんでいないみたいだった。
My brother called my dance video polyester, so I made a new one.
兄に私のダンス動画を「安っぽい」と言われたので、新しいのを作った。
This jacket is made of polyester, so it dries quickly after the rain.
このジャケットはポリエステルでできているので、雨のあともすぐに乾く。
この形で覚える
| a polyester lifestyle | 作りものっぽい暮らし(TikTok のコメントから) |
| a polyester edit | 派手に見えて安っぽい動画編集(TikTok で) |
| a polyester smile | うそっぽい笑顔 |
| 100% polyester | ポリエステル100% |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | polyester との違い |
|---|---|---|
| fake | にせものの、うその | fake は「本物ではない」とまっすぐ言う語で、polyester は安い布のイメージを借りてからかう言い方です。 |
| plastic | うわべだけの | plastic も「うわべだけの」の意味で使われる語です。Grist は、この2つを同じ流れの中で紹介しています。 |
| cheap | 安い、安っぽい | cheap は値段が安いことにも使いますが、スラングの polyester は値段ではなく見た目や中身の安っぽさを言います。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 新しい意味では、Nobody wants to be polyester.(誰も polyester にはなりたくない)のように、形容詞と同じ位置にも置けます。
- 使える場面
- 悪口として使われる語です。友だちどうしの冗談でも、相手を傷つけることがあります。作文や面接では、素材の名前としてだけ使いましょう。
- 発音・リズム
- 最初の音節を強く読みます。アメリカ英語では「パリエスター」に近い音で、最後は「テル」になりません。
ミニコラム:物の名前が「性格」を表すとき
polyester smile(ポリエステルの笑顔)という言い方は、物の名前を人の様子にあてはめています。Grist によると、plastic(プラスチック)が「うわべだけの」という意味で使われるようになったのも、同じような流れです。素材にみんなが持っている印象が、そのまま言葉の意味になっています。
英語の長文では、こうした使い方に出会うことがあります。辞書の1つ目の意味が「生地」でも、文の中では人の様子を表していることがあるわけです。知らない使い方に出会ったら、その物にどんな印象があるかを考えると、意味の見当がつきやすくなります。
明日からできることは1つです。英語の記事や歌詞で、物の名前が人の様子を表している例を1つ探してください。見つけたら、その物の印象と、文の中の意味を並べてノートに書いてみてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. Grist の記事によると、オックスフォード英語辞典(OED)には、polyester を「うそっぽい」の意味で使った、いつの用例が載っているか。