parasocial
/ˌpærəˈsoʊʃəl/ 形容詞 いま英語圏で流行っている言い方
「一方的なのに、
relating to a one-sided feeling of connection that someone has with a famous person, character, or AI they do not actually know
どこで出てきたか
'Parasocial' is Cambridge Dictionary's Word of the Year 2025
parasocial が、ケンブリッジ辞書の2025年『今年の単語』に
We've entered an age where many people form unhealthy and intense parasocial relationships with influencers. 多くの人が、インフルエンサーに対して不健全で強い parasocial な感情を抱く時代に、私たちは入りました。
ケンブリッジ辞書は2025年11月、『parasocial』を2025年の『今年の単語』に選びました。配信者やインフルエンサー、AIチャットボットに対して、まるで知り合いのように一方的な親しみを感じる人が増えたことが理由です。2026年に入ったいまも、ニュースやSNSでよく見かける語です。
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この語の芯
一方通行なのに、知り合いのように感じてしまう関係。para-(〜のわきに)+ social(社会的な)
1956年、アメリカの社会学者ドナルド・ホートンとリチャード・ウォールが、テレビの視聴者が画面の向こうの人物に対して抱く一方的な親密さを説明するために作った学術用語です。para- はギリシャ語で「わきに、並んで」、social は「社会的な」という意味です。
もともとは研究者だけが使う専門用語でしたが、SNSや配信文化が広がる中で一般の人がニュースやSNSで使う日常語になり、ケンブリッジ辞書は2023年にこの語を辞書へ追加しました。
同じ語根の仲間 social (社会的な) socialize (人と交流する) asocial (社交性のない)
ここが面白い
この単語自体は1956年から存在する、70年近い歴史を持つ学術語です。それが2025年になって、ようやく一般の『今年の単語』に選ばれたというのは、驚くべき遠回りです。
ケンブリッジ辞書の担当者は、配信者・インフルエンサー・AIチャットボットとの関係が広がったことで、専門家しか使わなかったこの語が、いまでは誰もが使う言葉に変わったと説明しています。
例文で確かめる
I know it's parasocial, but I feel like I really know this streamer.
一方通行だとは分かっているけど、この配信者のことを本当に知っている気がします。
A parasocial relationship isn't necessarily unhealthy on its own.
一方的な関係そのものが、必ず不健全だというわけではありません。
Cambridge Dictionary chose parasocial as its word of the year for 2025.
ケンブリッジ辞書は parasocial を2025年の『今年の単語』に選びました。
この形で覚える
| parasocial relationship | 一方的な親近感を抱く関係 |
| form a parasocial bond | そうした一方的なつながりを築く |
| parasocial attachment | 一方的な愛着 |
| unhealthy parasocial relationship | 不健全な一方的関係 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | parasocial との違い |
|---|---|---|
| fan | ファン | fanは単に応援する人を指す一般語。parasocialはその親しみが一方通行の『関係』にまで達している状態を指す、より心理学的な語です。 |
| stan | 熱狂的なファン、推す | stanはくだけたスラングで、応援の熱量の大きさを表します。parasocialは熱心さの度合いではなく、相手が自分を知らないという関係の一方向性そのものに注目する語です。 |
| obsessed | 夢中になっている | obsessedは感情の強さを表す形容詞。parasocialは感情の強さではなく、相手との関係が一方通行であることを表します。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- parasocial自体は『悪いこと』を意味する語ではありません。配信者を応援する気持ちそのものは自然な感情なので、relationshipやbondのように『関係』を表す語と一緒に使ってはじめて意味が伝わります。
- 使える場面
- もとは学術用語なので、ニュースや評論、SNSでの真面目な議論で使われます。友達との気軽な会話では、単に fan や obsessed のほうがよく使われます。
- 発音・リズム
- いちばん強く読むのは、真ん中の so の部分です。頭の pa にも軽い強めがありますが、so ほど強くはなりません。/ˌpærəˈsoʊʃəl/。
ミニコラム:コラム:一方通行の『知り合い』
好きな配信者やYouTuberの話し方の癖まで知っているのに、相手はこちらの存在すら知らない。そんな経験がある人は多いはずです。その気持ちに、ようやく名前がついた、それが parasocial です。
この感覚自体は、決して新しいものではありません。テレビの時代から、視聴者は画面の向こうの人物に親しみを感じてきました。変わったのは、コメントやDMで『届きそうで届かない』距離が生まれたことです。届きそうに見えるからこそ、一方通行だという事実を忘れそうになります。
次に配信を見ていて『この人のことを分かっている』と感じたら、その気持ちに parasocial という名前がついていることを、少しだけ思い出してみてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. parasocial の説明として最も適切なものはどれか。