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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 時事英語 第56回 標準 読了 6分

outbreak

/ˈaʊtbreɪk/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語

「(病気・争いごとなどの)発生、勃発。急に、まとまって起こり始めること。」

a sudden start of something bad, especially a disease, that quickly affects many people

どこで出てきたか

Investigation Update: Cyclospora Outbreak, July 2026

調査アップデート:サイクロスポーラ症の集団発生(2026年7月)

出典: CDC(米国疾病予防管理センター)(2026年9月3日)

This multistate outbreak linked to Taylor Farms de Mexico iceberg lettuce was a major driver to the increase of Cyclospora cases this year.

テイラー・ファームズ・デ・メキシコ社のアイスバーグレタスに関連するこの複数州にまたがる集団発生は、今年のサイクロスポーラ症の症例増加の大きな要因となりました。

CDC(米国疾病予防管理センター) の記事より

2026年6月、アメリカでテイラー・ファームズ・デ・メキシコ社のアイスバーグレタスを食べた人たちの間で、寄生虫サイクロスポーラによる感染症が相次いで報告されました。CDCによると9月3日時点で20州にまたがり11,458人が感染し、495人が入院、2人が死亡しています。7月にはレタスの自主回収も行われましたが、感染はその後も報告が続き、CDCはいまも調査を更新しています。

動画で見る

レタス由来のサイクロスポーラ集団発生を伝えるニュース映像 (PBS NewsHour) アメリカで広がったこの集団発生について、公共放送局が2026年7月に伝えたニュース映像です。本文の数字(9月3日時点)より前の時点の報道です。英語です。

この語の芯

望ましくない出来事が、ある場所やある集団で、急にまとまって起こり始めること。

out- 接頭辞 外へ、外に向かって break 語根 破れる、突然起こる

outbreakは、句動詞break out(急に起こる、脱出する)がそのまま名詞になった語です。break outを使った表現自体は1300年ごろから見られますが、outbreakという名詞形が現れたのは1600年ごろとされています。興味深いのは、この名詞が最初から病気だけの語ではなかったという点です。語源辞典に載っている最初の意味は『噴き出すこと、突然の激しい現れ方』で、病気にも、争いごとにも同じように使われていました。out(外へ)+break(破れる)という作りのまま、中身が何であれ『内側から一気に噴き出す』ことを指す語だったわけです。

同じ語根の仲間 break out ((句動詞)急に起こる、脱出する) breakout ((1語の名詞)急な増加、脱走、大ヒット)

outbreak = out(外へ)+ break(破れる)。戦争の『勃発』も病気の『集団発生』も、同じ『急に噴き出す』。

ここが面白い

いまでは outbreak と聞くと、まず感染症のニュースを思い浮かべる人が多いはずです。ところが語源辞典をひくと、1600年ごろに生まれたこの名詞は、最初から病気と争いごとの両方に使われていました。もとの意味は『噴き出すこと、突然の激しい現れ方』で、何が噴き出すのかは決まっていなかったのです。だからいまでも、an outbreak of violence(暴力の勃発)と an outbreak of Cyclospora(サイクロスポーラの集団発生)を、同じ1語で言えます。この語の芯にあるのは『何が起きたか』ではなく『急に、まとまって噴き出した』という起こり方のほうだ、というのがいちばんの驚きです。

例文で確かめる

Health officials are investigating an outbreak of Cyclospora linked to lettuce.

保健当局は、レタスに関連するサイクロスポーラの集団発生を調査しています。

The company had to recall the product after the outbreak was traced back to its factory.

発生元がその工場だと分かったあと、その会社は製品を回収せざるを得ませんでした。

Doctors are working hard to contain the outbreak before it spreads any further.

医師たちは、これ以上広がる前に集団発生を抑え込もうと懸命に取り組んでいます。

この形で覚える

an outbreak of violence 暴力の勃発
contain an outbreak 発生を抑え込む
an outbreak linked to lettuce レタスに関連する集団発生
declare an outbreak over 収束を宣言する

似た語とどう違うのか

意味outbreak との違い
epidemic 流行病 epidemic は、ある地域で感染症が通常より明らかに増えている『状態』を指す語です。outbreak は、その増加が始まった個々の『出来事』そのものを指す点が違います。
pandemic 世界的流行 pandemic は複数の国や大陸にまたがって広がった状態を指す、より大きな規模の語です。outbreak は特定の場所や集団で起きた、もっと小さな規模の発生にも使えます。
breakout (1語)急な増加・脱走 breakout は1語につづった名詞で、脱獄や作品の『ブレイク』にも使われるカジュアルな語です。病気の文脈では outbreak のほうが専門的な報道でよく使われます。

使うときの注意

ここで間違える
outbreak は基本的に可算名詞です。報道では an outbreak、複数の発生をまとめて outbreaks のように数えて使われます。
使える場面
ニュースや医学論文からカジュアルな会話まで使える語ですが、日常会話で使うときは感染症や紛争など、深刻な話題に限られます。
発音・リズム
第一音節の out に強勢があります。日本語の『アウトブレイク』は平らに読みがちですが、英語では out をはっきり強く、そのあとの break を軽く読みます。

ミニコラム:コラム:『レタスと集団感染』が教えてくれる、outbreakという語の重さ

2026年の夏、アメリカではレタスをめぐる食品の安全性が何度もニュースになりました。CDCの記録によれば、テイラー・ファームズ・デ・メキシコ社のアイスバーグレタスが原因とみられるサイクロスポーラ症は、6月中旬から報告が始まり、9月に入っても調査が続いています。7月には自主回収が行われましたが、感染者数はその後も増え続け、9月3日時点で20州・1万人を超える報告になっています。

outbreak という語を英語ニュースで見かけたら、それは『すでに収まった過去の出来事』ではなく、いままさに広がっている、あるいは調査が続いている最中の出来事であることが多いです。この語が本文のどこにあるかで、そのニュースがどの段階にあるかを判断する手がかりになります。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、outbreakという語の説明として正しいのはどれか。