odyssey
/ˈɒdɪsi/ 名詞 いま英語圏で流行っている言い方
「①長い
a long journey full of adventures, often in search of home; a long search for something
どこで出てきたか
Dictionary.com’s 2026 Word of the Year Is…
Dictionary.com の2026年「今年の単語」は……
The word odyssey — as in, a long series of wanderings or adventures — got a new turn in the spotlight with the release of Christopher Nolan’s The Odyssey, which brought Homer’s ancient epic to the big screen. odyssey という語(長く続くさすらいや冒険という意味)は、クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』の公開で、再び注目を集めました。この映画は、ホメロスの古代の叙事詩を大きなスクリーンに持ち込みました。
アメリカの辞書サイト Dictionary.com は、2026年10月25日に「今年の単語(Word of the Year)」を発表しました。選ばれたのは maxxing で、最終候補には affordability・data center・odyssey・unc の4語が並びました。odyssey が入ったのは、ノーラン監督の映画『オデュッセイア』の公開がきっかけです。Dictionary.com は、2026年の夏はアメリカ国内の映画の売り上げが史上最高になったとも書いています。
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この語の芯
家に帰るまでに、何年もさまよい続けた旅。そこから「長く苦労の多い道のり」全般に使う。
英語版Wiktionaryによると、odyssey は叙事詩の題名 Odyssey から来ています。もとはギリシャ語の Odýsseia で、「オデュッセウスの物語」という意味です。
英語版Wikipediaによると、『オデュッセイア』は紀元前8世紀か7世紀ごろに作られた、ギリシャ文学の最も古い作品の1つです。主人公のオデュッセウスは、10年続いたトロイア戦争のあと、故郷のイタケーへ帰ろうとします。ところが、帰り着くまでにさらに10年かかります。1人の英雄の帰り道の名前が、「長い旅」という普通の名詞になったのです。
同じ語根の仲間 Odysseus (オデュッセウス(主人公)) Ulysses (オデュッセウスのラテン語での名前) epic (叙事詩、壮大な) journey (旅)
ここが面白い
英語版Wikipediaは、『オデュッセイア』の大きなテーマの1つに nostos(ノストス) を挙げています。ギリシャ語で「帰ること、帰郷」という意味です。
この nostos は、身近な英語にも生きています。同じく英語版Wikipediaによると、nostalgia(ノスタルジア、懐かしさ) という語は、1688年にヨハネス・ホーファーが博士論文の中で作りました。nóstos(家に帰ること)と algia(痛み)を組み合わせた語で、もとは故郷を恋しく思う病気、つまりホームシックを指していました。故郷の景色を恋しがるスイスの傭兵に多く見られた、と書かれています。
家に帰れない痛みが nostalgia。家に帰るまでの長い旅が odyssey。2つの語は、同じ「帰り道」の物語から出ているのです。
例文で確かめる
Getting a visa turned into a six-month odyssey.
ビザを取るのは、半年がかりの長い道のりになりました。
Their trip across Europe was a real odyssey.
彼らのヨーロッパ横断の旅は、まさに長い冒険でした。
The movie is based on Homer's Odyssey.
その映画は、ホメロスの『オデュッセイア』をもとにしています。
この形で覚える
| a long odyssey | 長い旅、長い道のり |
| a personal odyssey | 自分を探す長い旅 |
| a six-month odyssey | 半年がかりの道のり |
| Homer's Odyssey | ホメロスの『オデュッセイア』 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | odyssey との違い |
|---|---|---|
| journey | 旅 | journeyは、ある場所から別の場所へ移る旅をふつうに言う語です。odysseyは、長くて思いどおりに進まない旅に使います。 |
| voyage | 船旅、長い旅 | voyageは、おもに海や宇宙を進む長い旅です。odysseyは、乗り物よりも「さまよい続けた」ことに重心があります。 |
| quest | 探求の旅 | questは、何かを探し求める旅です。odysseyは、目的よりも道のりの長さと苦労を伝えます。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 「長い旅」の意味では小文字で an odyssey と書きます。叙事詩や映画の題名を指すときだけ、大文字で the Odyssey です。
- 使える場面
- 少し文学的で大げさな語です。ふだんの旅行には trip を使い、「大変だった」と冗談めかして言いたいときに odyssey を使うと自然です。
- 発音・リズム
- 英語版Wiktionaryの発音記号は、イギリス英語で /ˈɒd.ɪ.si/、アメリカ英語で /ˈɑ.dɪ.si/ です。最初の o を強く読み、「オディッセイ」とは読みません。
ミニコラム:コラム:映画の題名から、英単語を拾う
今年の単語の候補に、2700年ほど前に作られた詩の題名が入りました。流行語というと SNS 発の新しい語を思い浮かべますが、odyssey は昔からある語です。映画をきっかけに、多くの人が意味を調べたのです。
映画の題名には、こうした「意味のある英語」がよく隠れています。題名の語を辞書で引くと、その語がどんな場面で使われてきたかまで分かります。odyssey なら、旅そのものではなく、帰るまでの長さと苦労が芯です。
明日から、気になる洋画の題名を1つ選んで、辞書で引いてみてください。そして、大変だった1日を英語で It was a real odyssey. と言ってみてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. After three missed trains, getting home turned into a real ____. の空所に入る語として最も適切なものはどれか。