NPC
/ˌɛn piː ˈsiː/ 名詞(頭字語) いま英語圏で流行っている言い方
「①(ゲームで
① a character in a video game that is not controlled by a player ② (slang) a mocking term for a person who seems to act in a scripted or unoriginal way
どこで出てきたか
In latest TikTok fad, creators make big bucks off "NPC streaming"
TikTokの最新流行、『NPCストリーミング』で大金を稼ぐ配信者たち
NPC performers like PinkyDoll often respond robotically to virtual gifts they receive during a livestream with made up sounds or catchphrases evocative of the stickers being sent. PinkyDollのようなNPC配信者は、ライブ配信中に受け取った仮想の『ギフト』に対して、送られたスタンプを連想させる作り込まれた音や決まり文句で、ロボットのように反応することがよくあります。
2023年、TikTokのライブ配信で『NPC streaming』と呼ばれる流行が世界的に広まりました。配信者がゲームのNPCのように、視聴者から送られる『ギフト』にだけ反応し、それ以外はほとんど動かないという内容です。この流行をきっかけに、NPCという語は『自分の頭で考えず、決まりきった行動しかしない人』をからかう俗語としても広く使われるようになりました。
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この語の芯
もとはゲーム用語。いまは『台本どおりにしか動かない、つまらない人』をからかう言葉。
NPC は non-player character(プレイヤーではないキャラクター)の頭文字です。CBSニュースによれば、もとは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のようなテーブルトークRPGで、ゲームマスターが動かすキャラクターを指す言葉として生まれました。その後、テレビゲームでも、プレイヤーが操作せずゲーム側が動かすキャラクター全般を指す語として定着しました。
同じ語根の仲間 player character (プレイヤーが操作するキャラクター) bot ((ネット上の)自動プログラム)
ここが面白い
2021年、日本のTikTokユーザー@natuecocoが、ゲームのNPCのように軽く体を揺らし、ギフトが届いたときだけ反応する配信を始めました。この『NPC配信』という形式は、実は日本発だったのです。2023年7月、カナダのモントリオールを拠点にする配信者Pinkydollがこの形式で大きな話題を呼び、1回の配信で2,000〜3,000ドル、1日で最大7,000ドルを稼ぐまでになりました。ここから『NPC』は、ゲームの外でも『自分で考えず、決まりきった反応しかしない人』をからかう言葉として一気に広まりました。
例文で確かめる
Stop being an NPC and give me your own opinion for once.
NPCみたいに黙ってないで、たまには自分の意見を言ってよ。
In this game, the NPC in the shop sells you potions and weapons.
このゲームでは、お店にいるNPCがポーションや武器を売ってくれます。
He just nodded and repeated what everyone else said, like a total NPC.
彼はうなずいて周りと同じことを繰り返すだけで、まるっきりNPCみたいだった。
この形で覚える
| act like an NPC | NPCのように振る舞う |
| NPC energy | NPCっぽい雰囲気・存在感 |
| total NPC | 完全にNPC(のような人) |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | NPC との違い |
|---|---|---|
| bot | ボット | bot はSNSの自動アカウントなどプログラムそのものを指す中立的な語。NPC は実在の『人』を、決まりきった行動という理由でからかう語です。 |
| sheep | (俗語)付和雷同する人 | sheep は周りに流される人全般を指す古くからの俗語。NPC はゲーム由来で、より『自分で考えていない』というニュアンスが強い、新しい言い方です。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- NPC は人を『個性がない』とからかう、かなり失礼な言葉です。友達同士の軽口として使われることはありますが、知らない人や目上の人に向けて使うと、強い侮辱になります。
- 使える場面
- SNSやゲーム好きの間で使われるくだけた俗語です。作文やスピーチなど、あらたまった英語では使いません。
- 発音・リズム
- N・P・C とアルファベットを1文字ずつ、はっきり読みます。
ミニコラム:コラム:日本発の配信スタイルが、世界のからかい言葉になるまで
『NPC』ときいて最初に思い浮かぶのは、ゲームの中で同じセリフを繰り返す、あの脇役キャラクターかもしれません。2021年、日本のTikTokユーザーが、まさにそのNPCのように振る舞う配信を始めました。じっと立って軽く体を揺らし、視聴者からギフトが届いたときだけ、決まった動きや音で反応するというものです。
この配信スタイルは、2023年7月、カナダの配信者Pinkydollのおかげで世界的な話題になりました。1回の配信で2,000〜3,000ドル、多い日には7,000ドルを稼ぐと本人がニューヨーク・タイムズに語り、CBSニュースをはじめ多くのメディアがこの流行を取り上げました。
おもしろいのはここからです。人々は次第に、ゲームの中のNPCだけでなく、現実の人間にも『NPC』という言葉を使ってからかうようになりました。周りに流されて自分の意見を言わない人、みんなと同じことしか言わない人を見て『あの人、NPCみたい』と言うようになったのです。ゲームの脇役の呼び名が、人の個性のなさをからかう言葉に変わっていく。ネットスラングらしい、少し意地悪な進化の仕方です。
原田高志
確認クイズ
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Q1. 本文によると、『NPC配信』というスタイルを2021年に始めたのはどこのTikTokユーザーだったか。