Mandela Effect
/mænˈdelə ɪˈfekt/ 名詞 いま英語圏で流行っている言い方
「マンデラ効果。
a situation in which many people share the same false memory of a fact, event, or detail
どこで出てきたか
The Seahorse Emoji WAS Real (But Not the One You Remember)
タツノオトシゴの絵文字は実在した(ただし、あなたが覚えているものではない)
It’s a classic Mandela effect: a shared false memory, named for the number of people who wrongly recall Nelson Mandela dying in prison in the 1980s rather than in 2013. これは典型的なマンデラ効果です。大勢が共有するまちがった記憶のことで、ネルソン・マンデラが2013年ではなく1980年代に獄中で亡くなったと、多くの人がまちがって覚えていることから名づけられました。
2026年9月15日、Merriam-Webster が辞書に1,400の語と語義を加え、その中に Mandela Effect が入りました。その2か月前、絵文字の辞典サイト Emojipedia は『タツノオトシゴの絵文字』を取り上げています。Reddit や TikTok には、見たことがあると言い張る人がいました。AIのチャットボットまで、自信満々に『ある』と答えていたそうです。記事はこれを『典型的なマンデラ効果』と呼びました。
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この語の芯
1人の覚えちがいではなく、大勢が同じ形で覚えちがえていること。
名前のもとは、南アフリカのネルソン・マンデラです。Merriam-Webster の語源欄によると、『マンデラは1980年代に獄中で亡くなった』という記憶を、多くの人が共有していたことから来ています。実際に亡くなったのは2013年です。
言い出したのは、超常現象の研究家フィオナ・ブルームだとされます。Merriam-Webster によると、本人の本にはこう書かれています。2009年(または2010年)の Dragon Con という大会で、同じ記憶を持つ人がほかにもいると気づいた、と。ただし Merriam-Webster が確認できた最初の用例は2012年です。
同じ語根の仲間 false memory (まちがった記憶、偽りの記憶) misremember (覚えちがえる) recall (思い出す) memory (記憶)
ここが面白い
Emojipedia によると、タツノオトシゴの絵文字は、スマートフォンに一度も入っていません。2018年に提案されましたが、採用されませんでした。
ところが、1988年の東芝のワープロ『Rupo JW 95F』の説明書に、タツノオトシゴの絵文字が載っていたことが分かりました。研究者のマット・セフトンさんが見つけたものです。並んでいたのは十二支で、ねずみ、うし、とら、うさぎの次、辰(たつ)の場所に置かれていました。
記事は、タツノオトシゴという日本語が文字どおり『竜の落とし子』を意味するからだと説明しています。ただし Emojipedia は、これがみんなの記憶のもとだと言い切ることには慎重です。
例文で確かめる
Many people remember a seahorse emoji, but it's a Mandela Effect.
多くの人がタツノオトシゴの絵文字を覚えているが、それはマンデラ効果だ。
I was sure the logo had a hat. Is that a Mandela Effect?
あのロゴには帽子があったと思い込んでいた。これってマンデラ効果かな?
Before you say it's a Mandela Effect, check the original.
マンデラ効果だと言う前に、元のものを確かめよう。
この形で覚える
| a classic Mandela effect | 典型的なマンデラ効果 |
| an example of the Mandela Effect | マンデラ効果の一例 |
| experience the Mandela Effect | マンデラ効果を体験する |
| a shared false memory | 大勢が共有するまちがった記憶 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | Mandela Effect との違い |
|---|---|---|
| false memory | まちがった記憶 | false memory は1人でも起きる覚えちがいです。Mandela Effect は、大勢が同じ形で覚えちがえているときに使います。 |
| déjà vu | 既視感(デジャヴ) | déjà vu は『いま初めてのことを、前にも経験した気がする』という感覚です。Mandela Effect は、過去の事実そのものをまちがって覚えていることです。 |
| urban legend | 都市伝説 | urban legend は、人から人へ広まる本当らしい話です。Mandela Effect は話ではなく、1人1人の頭の中の記憶が、そろってずれていることです。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 『効果』と訳されますが、何かを良くする効き目のことではありません。effect はここでは『現象』の意味です。
- 使える場面
- ネットの雑談やニュースで気軽に使われる言い方です。心理学の論文では、ふつう false memory(まちがった記憶)と書きます。Merriam-Webster によると、Mandela effect と小文字で書くこともあります。
- 発音・リズム
- Mandela は【マンデラ】の『デ』を強く読みます。effect は【イフェクト】で、最初の e は弱く短く読みます。
ミニコラム:この語の生まれた年も、はっきりしない
Mandela Effect という語がいつ生まれたかは、実ははっきりしていません。言い出した本人の話では2009年ごろですが、Merriam-Webster が確かめられた最初の用例は2012年です。Merriam-Webster によると、2009年説の裏づけになりそうな当時のネットの資料は、もう無いかもしれません。
記憶がずれる現象の名前が、生まれた年を記憶に頼っている。少しおかしな話です。
Emojipedia の記事によると、AIのチャットボットまで、タツノオトシゴの絵文字は『ある』と自信を持って答えていました。自信があることと、正しいことは別です。明日、誰かが『絶対に見た』と言ったら、元の画像や記録を一緒に探してみてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. Mandela Effect の説明として最も適切なものは?