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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 流行英語 第27回 基礎 読了 6分

lock in

/lɑːk ɪn/ 句動詞(口語表現) いま英語圏で流行っている言い方

「本気で集中する、気合を入れて取り組む(雑念を捨てて1つのことに没頭すること)」

to focus completely on a task, removing distractions and committing your full attention to it

どこで出てきたか

What Is "The Great Lock In" and Why Gen Z Is All About It

『The Great Lock In』とは何か、Z世代がこれに夢中な理由

出典: Remitly(生活・文化ブログ)(2025年9月3日)

The phrase 'lock in' has been part of Gen Z vocabulary for several years, meaning to focus intensely on a task or commit fully to achieving something.

『lock in』という言葉は、ここ数年Z世代の語彙の一部になっており、あるタスクに強く集中すること、何かを成し遂げるために全力を尽くすことを意味する。

Remitly(生活・文化ブログ) の記事より

テスト前や締め切り前に、スマホを見るのをやめて一気に集中する。SNSでは、そういう瞬間を "time to lock in"(集中する時間だ)と表現する投稿が、ここ数年ずっと広がり続けています。もとはゲームの世界の言葉でしたが、いまでは勉強や仕事、部活のような場面でも使われる、幅広い『集中』の合言葉になっています。

動画で見る

Z世代スラング「lock in」の意味を解説 (The Daily Dot) ゲーム発祥のスラングが、集中を表す言葉として広まった経緯を紹介しています

この語の芯

lock in=雑念にカギをかけて閉め出し、1つのことだけに全神経を向ける

lock in はもともと、ゲームの対戦シーンで生まれた言い方だとされています。競技性の高いゲームで、プレイヤーが周りの雑音をすべて閉め出し、目の前の試合だけに神経を集中させる瞬間を指して "lock in" と呼ぶようになりました。

lock(カギをかける)+in(中へ)という組み合わせ自体は、実は新しい発想ではありません。金融の世界では以前から lock in a rate(金利を固定する)のように、『いまの条件をカギで閉じ込めて、変えられないようにする』という意味でこの組み合わせが使われてきました。ただし、ゲームのスラングがこの金融の言い方から生まれた、と示す記録は見つかっていません。同じ2語が、まったく別の場所でそれぞれ使われてきたと考えるほうが正確です。

同じ語根の仲間 lock in a rate ((金融で)金利を固定する(もとからある別の意味)) focus up (集中する、気合を入れる(近い意味の別のスラング))

lock in=雑念にカギをかけて締め出し、1つのことに全集中すること

ここが面白い

lock in は、同じ2語が、まったく別の世界でそれぞれ使われている例です。

金融の lock in a rate(金利を固定する)と、Z世代の I need to lock in.(本気で集中しなきゃ)は、扱っているものがまったく違います。それでも、『いまの状態を動かないように固定する』という発想の芯は同じです。銀行の窓口で使われていたのと同じ組み合わせの語が、いまは高校生の勉強机の上でも使われている。そう考えると、スラングの広まり方が少し面白く見えてきます。

例文で確かめる

I need to lock in before the exam next week.

来週の試験までに、本気で集中しないと。

He's completely locked in on his college applications right now.

彼はいま、大学の出願準備に完全に集中しきっている。

Let's put our phones away and lock in for the next hour.

スマホをしまって、これから1時間は集中しよう。

この形で覚える

time to lock in 集中する時間だ
he's locked in 彼は集中しきっている
lock in mode 集中モード
fully locked in 完全に集中している

似た語とどう違うのか

意味lock in との違い
focus 集中する focus はふつうの動詞で、フォーマルな場面でも使える中立の語。lock in はくだけたスラングで、『雑念を締め出す』という強い覚悟のニュアンスを持つ。
grind こつこつ努力する grind は長期間、地道に努力を積み重ねるイメージ。lock in は特定の1つの作業に、短時間でも一気に没頭するイメージが強い。
cram 一夜漬けで詰め込む cram は試験直前に大量の内容を短時間で詰め込むという、範囲の広さに焦点がある語。lock in は集中の深さそのものを指し、詰め込む量とは関係がない。

使うときの注意

ここで間違える
金融用語の lock in a rate(金利を固定する)と混同しないこと。同じ lock in でも、対象が『集中力』か『金利や条件』かで意味がまったく変わる。
使える場面
友達同士やSNSで使うくだけた表現。英作文や面接では I need to focus. のような標準的な言い方に置き換えるのが無難。
発音・リズム
lock と in はつなげて【ロッキン】に近く聞こえることがある。lock の k の音が in の母音とつながる。

ミニコラム:『集中する』を1語で言い切る快感

日本語でも『気合を入れる』『スイッチを入れる』のように、集中モードに入る瞬間を表す言い方はいろいろあります。lock in が支持されているのは、そのどれよりも短く、勢いよく言い切れるからかもしれません。

I need to focus. と言うよりも、I need to lock in. のほうが、自分に気合を入れる響きが強く出ます。言葉の意味だけでなく、口にしたときの勢いまで含めて広まっているスラングだと言えそうです。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. "I need to lock in before the exam." の意味として最も適切なものはどれか。