haze
/heɪz/ 名詞・動詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「①(煙・
a light layer of smoke, dust, or moisture in the air that makes it hard to see clearly
どこで出てきたか
Malaysia declares emergency in Sarawak as haze from Indonesia worsens
マレーシア、インドネシア発のヘイズ(煙害)悪化でサラワク州に非常事態を宣言
This year's transboundary haze, which originates from fires burning across Indonesia, particularly the Kalimantan region and Sumatra island, is part of a wider seasonal wildfire crisis in the archipelago country. 今年の国境を越えるヘイズ(煙害)は、インドネシア各地、とくにカリマンタン地方とスマトラ島で燃え続ける火災が原因で、この島国で毎年繰り返される森林火災の危機の一部です。
2026年9月、マレーシアはボルネオ島サラワク州のスリアン郡で非常事態を宣言しました。大気汚染指数(API)が519まで上がり、非常事態を検討する目安とされる500を超えたためです。原因はインドネシアのカリマンタン・スマトラ地方で燃え続ける森林火災の煙で、風に乗って国境を越え、マレーシアやシンガポール、フィリピンにまで広がっています。この対応として647校が9月7日から11日まで休校になりました。東南アジアでは、こうした『越境ヘイズ』が乾季のたびに繰り返される、なじみ深いニュースの語です。
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この語の芯
煙や砂ぼこりで空気がかすみ、遠くがはっきり見えなくなること
実は haze という名詞の語源は、はっきりとは分かっていません。名詞として記録に現れるのは1706年からですが、どこから来た語かは特定されていないのです。有力な説の1つは、先にあった形容詞 hazy(かすんだ、1620年代)から名詞が逆にできた、というもの。さらに hazy 自体も、『灰色』を意味する古い英語 hasu と関係があるのではないか、という説があります。
面白いのはここからです。新入生いじめや通過儀礼を意味する動詞 haze(hazing の元になる語)は、まったく別の語源を持ちます。いちばん古いのは1670年代の『怖がらせる』という意味で、これは『いらだたせる』を意味するフランス語 haser にさかのぼるとされています。そこから1840年ごろに『新入りを仕事でこき使う』という船乗りの隠語になり、1850年ごろにアメリカの学生の隠語として、いまの hazing の意味に変わりました。つづりも発音もそっくりな2つの haze は、語源をたどると赤の他人どうしなのです。
同じ語根の仲間 hazy (かすんだ、ぼんやりした) hazing ((新入生などへの)通過儀礼、しごき)
ここが面白い
空を覆う『haze』(もや)と、新入生への『hazing』(通過儀礼)の haze。この2つは同じ単語に見えて、語源をたどるとまったくの他人です。片方は語源不明の天候の語、もう片方はフランス語から英語に入り、船乗りの隠語を経て学生の言葉になった、まったく別ルートの語。綴りが同じだから同じ由来だとは限らない、という英語のよくある落とし穴の実例です。
例文で確かめる
A thick haze covered the entire city, and you could barely see the buildings across the street.
濃いもやが街全体を覆い、通りの向かいの建物さえほとんど見えませんでした。
My memory of that day is just a haze; I can only remember bits and pieces.
あの日の記憶はぼんやりとした霧のようで、断片しか覚えていません。
Several flights were delayed because the haze reduced visibility at the airport.
もやで空港の視界が悪くなり、いくつかの便が遅延しました。
この形で覚える
| a thick haze | 濃いもや |
| haze blankets a city | もやが街を覆う |
| a haze of confusion | 混乱でぼんやりした状態 |
| hazy memory | ぼんやりとした記憶 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | haze との違い |
|---|---|---|
| smog | スモッグ | smog は smoke(煙)と fog(霧)を合わせた語で、主に都市の排気ガスなど人為的な大気汚染を指します。haze はそれより広い語で、自然の砂ぼこりや山火事の煙にも使われます。 |
| fog | 霧 | fog は水滴でできた濃い霧で、視界がほぼ0になることもあります。haze はより乾いた細かい粒子によるかすみで、視界は悪くなっても完全には遮られません。 |
| smoke | 煙 | smoke は燃焼そのものから出るもの自体を指す語。haze は、その煙などが大気中に薄く広がって視界をぼかしている『状態』を指します。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- haze には『(新入生などへの)しごき・通過儀礼をする』という動詞の意味もあります。ニュースで天気の話をしているのか、部活やサークルの話をしているのか、文脈で見分けてください。
- 使える場面
- 天気・環境のニュースでは中立的な語として、ニュース記事や日常会話どちらでも自然に使えます。
- 発音・リズム
- 『ヘイズ』とカタカナで読みがちですが、実際は heɪz と、eɪ の二重母音を意識して発音します。
ミニコラム:コラム:もう1つのhaze、『いじめ』ではなく『通過儀礼』という重い意味
天気の話で使う haze とは別に、英語圏の大学や運動部の文化には、hazing(ヘイジング)という言葉があります。新入生やクラブの新メンバーに対して、仲間として認めるための儀式や試練を課す慣習のことです。
アメリカでは、行き過ぎた hazing が学生の命に関わる事故につながったことがあり、多くの州で法律による規制の対象になっています。大学のクラブやスポーツチームが、新入生に危険な行為を強制することを禁じる法律が、州ごとに定められているのです。
もとをたどれば、天気の haze と hazing の haze は語源が違う、赤の他人どうしの言葉です。それでも同じ綴りを持ってしまったばかりに、ニュースで haze という語を見かけたとき、一瞬どちらの話か迷うことがあります。単語の形だけでなく、前後の文脈まで読む習慣が、この手の『他人の空似』にだまされないコツです。
原田高志
確認クイズ
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Q1. 本文によると、名詞 haze(もや)の語源について正しいのはどれか。