greenwashing
/ˈɡriːnˌwɔːʃɪŋ/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「企業や
the practice of making a company or product seem more environmentally friendly than it actually is
どこで出てきたか
'Starwashing': How space companies use the greenwashing playbook while causing environmental damage
『スターウォッシング』|宇宙企業はグリーンウォッシングの手口を使いながら、いかに環境に被害を与えているか
You may have heard the term greenwashing, which describes when companies falsely claim that their practices or products are more environmentally friendly than they are, or when their green efforts are insignificant compared with their harmful environmental practices. 『グリーンウォッシング』という語を聞いたことがあるかもしれない。これは、企業が自社の慣行や製品を実際以上に環境にやさしいと偽って主張したり、環境への取り組みが、実際の環境への悪影響に比べてごくわずかなものにすぎない場合を指す言葉だ。
宇宙開発企業が、打ち上げや衛星の急増による環境負荷を『人類全体のため』という言葉で覆い隠している、と指摘した2026年8月の記事に、greenwashing という語が登場しました。この語が使われるのは宇宙業界だけではありません。航空会社の『カーボンニュートラル』宣言、アパレルブランドの『サステナブル素材』の表示など、環境への関心が高まるほど、それを利用した誇張表現も増えます。半年後も、環境やビジネスのニュースの見出しで使われ続ける語です。
この語の芯
中身より、見せ方が先に来ている状態。環境に配慮しているように見せることが目的になっていて、実際の効果はそこに追いついていません。
greenwashing は green(環境に配慮した)と whitewash(上塗りする、ごまかす)を組み合わせた語です。whitewash はもともと壁を石灰で白く塗り直す作業を指し、そこから『都合の悪いものを覆い隠す』という比喩として19世紀にはすでに使われていました。
その whitewash の『白』を『緑』に塗り替えたのが greenwashing です。1986年、環境活動家ジェイ・ウェスターベルドが、ホテル業界の環境宣伝を批判するエッセイの中でこの語を作ったとされています。きっかけになったのは、あるリゾートで見た『タオルを再利用して環境を守ろう』という張り紙だったと伝えられています。同じ施設が、裏では大規模な開発で自然を切り崩していた、という食い違いに気づいたことが、この語の出発点だったといいます。
同じ語根の仲間 greenwash (動詞形。環境に配慮しているように見せかける) whitewash ((不正・欠点を)ごまかす、うわべを取り繕う) pinkwashing (LGBTQ+支援を装って企業イメージを良く見せる行為) sportswashing (スポーツの好印象を利用して悪評を覆い隠す行為)
ここが面白い
greenwashing がここまで定着すると、同じ型に『別の色』をはめこんで新しい語を作る動きが続きます。LGBTQ+支援を装う pinkwashing、スポーツの好印象で悪評を覆う sportswashing。
そして今回の出典記事は、宇宙開発企業が『人類全体のため』を掲げながら環境や軌道上のごみを増やしている状況を指して、starwashing という新語まで作りました。つまり greenwashing は、1つの語であることを超えて、『◯◯wash+ing』で新しい種類のごまかしを名指しできる型そのものになっています。次にどんな業界が『〜washing』と呼ばれるか、ニュースを追いかけると見えてきます。
例文で確かめる
The airline was accused of greenwashing after its 'carbon neutral' flights turned out to rely only on offsets.
その航空会社は、『カーボンニュートラル』をうたう便が実際にはオフセット(埋め合わせ)だけに頼っていたことが分かり、グリーンウォッシングだと批判された。
Consumers are getting better at spotting greenwashing in advertising.
消費者は、広告の中のグリーンウォッシングを見抜く目を持つようになってきている。
The report accused several fashion brands of greenwashing their supply chains.
その報告書は、複数のアパレルブランドがサプライチェーンについてグリーンウォッシングを行っていると指摘した。
この形で覚える
| accuse A of greenwashing | Aをグリーンウォッシングだと非難する |
| greenwashing claims | 見せかけの環境配慮の主張 |
| spot greenwashing | グリーンウォッシングを見抜く |
| greenwashing scandal | グリーンウォッシング疑惑 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | greenwashing との違い |
|---|---|---|
| sustainability | 持続可能性 | sustainability は実際に環境負荷を減らす取り組みそのもの。greenwashing はその『見せかけ』だけで中身が伴わない点が違う。 |
| eco-friendly | 環境にやさしい | eco-friendly は商品や行動の性質を表す形容詞。greenwashing はその言葉を都合よく使う行為そのものを指す。 |
| carbon offset | カーボンオフセット(埋め合わせ) | carbon offset は排出量を他で相殺する具体的な仕組み。greenwashing はその仕組みを実態以上に誇張して見せる宣伝のしかたを指す。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 『環境問題』そのものを指す語ではありません。宣伝や見せ方が実態より誇張されている状態を指すので、環境保護の取り組み一般と混同しないこと。
- 使える場面
- ニュース・ビジネス・環境系の記事で頻出。日常会話でも企業批判の文脈で普通に使われます。
- 発音・リズム
- 【グリーンウォッシング】。wash の部分は【ウォ】と伸ばして発音します。
ミニコラム:原田のミニコラム|『洗う』が悪事を隠す言葉になるまで
『洗う』という動詞が、なぜ『ごまかす』の意味になるのか。もとをたどると whitewash(石灰で壁を白く塗る作業)にたどり着きます。ひび割れやカビを隠して、表面だけをきれいに見せる。その発想が、19世紀にはもう『不正の隠蔽』の比喩として使われていました。
greenwashing は、その whitewash の『白』を『緑』に塗り替えただけの語です。塗り替える対象が壁から企業の評判に変わっても、やっていることの構造は同じ。都合の悪い部分に、きれいな色を上塗りしているだけです。
生徒にこの語を教えるときは、『環境』の話で終わらせず、『何かをよく見せるための言葉に、実態が追いついているか』を確かめる習慣につなげたいと思っています。企業の宣伝文句を鵜呑みにせず、一度立ち止まって考える。greenwashing という語を知っていること自体が、その第一歩になります。
原田高志
確認クイズ
-
Q1. greenwashing の説明として最も適切なものはどれか。