本文へスキップ
日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 流行英語 第93回 標準 読了 6分

glow-up

/ˈɡloʊˌʌp/ 名詞(動詞は glow up) いま英語圏で流行っている言い方

「①(見た目などが)見ちがえるほど良くなること、大変身 ②(動詞 glow up で)見ちがえるほど良くなる」

a big change that makes someone or something look much better

どこで出てきたか

Merriam-Webster gives its dictionary a ‘glow-up’ with 1,400 new words and definitions

Merriam-Webster、1,400の新しい語と語義で辞書を『大変身』させる

出典: NBC News(2026年9月16日)

Merriam-Webster is giving its dictionary another “glow-up,” adding 1,400 words and definitions.

Merriam-Webster は、1,400の語と語義を加えて、辞書をまた『大変身』させている。

NBC News の記事より

Merriam-Webster は2026年9月15日、辞書に1,400の語と語義を加えたと発表しました。発表の文にも『a glow-up to our iconic dictionary』(おなじみの辞書の大変身)とあります。サイトの案内には、今回入った語として parasocial・glow-up・promposal が並んでいます。辞書に入った語を使って、辞書の更新そのものを呼んだわけです。

この語の芯

前と比べて、見ちがえるほど良くなること。

glow 動詞 (熱や光で)輝く up 副詞 上へ、すっかり(grow up の up から)

Merriam-Webster によると、動詞の glow up はglow(輝く)と grow up(成長する)が混ざってできたと考えられています。名詞の glow-up は、その動詞から出た形です。どちらも使われ始めたのは2015年ごろ。辞書には slang(スラング)と書かれています。

Merriam-Webster は、動詞の glow up と形容詞の glowed-up がアフリカ系アメリカ人の英語から生まれ、広く使われるようになったと注記しています。

同じ語根の仲間 glow (輝く、輝き) glowed-up (見ちがえるほど良くなった(形容詞)) grow up (成長する、大人になる) glitter (きらめく(同じ根 *ghel- の仲間)) gold (金(同じ根 *ghel- の仲間))

grow up の r を l に替えると glow up。大人になったうえに、輝いた。

ここが面白い

glow up と grow up の違いは、l と r の1文字だけです。日本語を話す人が聞き分けにくい、あの l と r です。『大人になる(grow up)』を『輝く(glow)』に言い換えて、成長して見ちがえた、という意味にしています。

glow の奥には、インド・ヨーロッパ祖語の *ghel-(輝く)があります。Etymonline は、同じ根から出た語として gold(金)・yellow(黄色)・glass(ガラス)・glitter(きらめく)・glad(うれしい) を挙げています。glow-up は、金やガラスと同じ『光る』の仲間です。

例文で確かめる

Our school library had a total glow-up over the summer.

うちの学校の図書館は、夏のあいだに見ちがえるほどきれいになった。

The old station got a glow-up with new lights and benches.

古い駅は、新しい照明とベンチで見ちがえるように生まれ変わった。

Her English had a real glow-up after a year of reading every day.

毎日読むのを1年続けて、彼女の英語は見ちがえるほど伸びた。

この形で覚える

have a glow-up 見ちがえるほど良くなる
get a glow-up 大変身する、生まれ変わる
a career glow-up 仕事の上での大躍進
glow up over the summer 夏のあいだに見ちがえる

似た語とどう違うのか

語意味glow-up との違い
makeover (外見・部屋などの)模様替え、イメチェン makeover は手を入れて変えることで、ふつうの語です。glow-up はスラングで、変わったあとの『輝き』に重心があります。
grow up 成長する、大人になる grow up は年を重ねて大人になることで、良くなったかどうかは言いません。glow up は、良くなったことまで言います。
improvement 改善、向上 improvement は、少し良くなった場合にも使う硬い語です。glow-up は、見ちがえるほどの大きな変化に使います。

使うときの注意

ここで間違える
grow-up と書かないでください。r にすると『成長』になり、良くなったという意味が消えます。
使える場面
Merriam-Webster が slang と書いているとおり、友だちどうしやSNSの語です。英作文や面接では improvement や transformation を使ってください。人の見た目に使うときは、相手を傷つけないかも考えてください。
発音・リズム
glow は、舌先を上の歯ぐきにつけたまま l を出します。r のように舌を丸めると grow に聞こえます。

ミニコラム:見た目だけの語ではありません

Merriam-Webster の定義は『とくに見た目が、たいてい劇的に良くなること』です。辞書の例文には、髪・肌・服の glow-up のほかに、仕事の glow-up や家の glow up も並んでいます。人の見た目だけでなく、物や仕事にも使われています。

一方で、辞書が引いている例には、glow-up へのプレッシャーを心配する文もあります。若い人に『いまのままでは足りない』と言い続けると、自信が持てなくなる、という内容です。

教室で使うなら、見た目ではなく、できるようになったことに使ってみてください。『My listening had a glow-up this term.』と1文書くだけで、流行語が自分の成長の記録になります。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. "After a year of practice, his handwriting had a total ______." 空所に入る語として最も適切なものは?