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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 流行英語 第25回 基礎 読了 6分

glazing

/ˈɡleɪzɪŋ/ 動名詞・現在分詞(動詞 glaze の -ing形) いま英語圏で流行っている言い方

「相手を過剰に褒める、持ち上げすぎること(からかい・冷やかしのニュアンスを含む)」

the act of praising or complimenting someone so much that it becomes excessive or a little embarrassing

どこで出てきたか

Glazing: Meaning Behind the Internet Slang, Conversation Examples, and Origin

glazing:インターネットスラングの意味・会話例・由来

出典: Once In A Blue Moon(2026年8月22日)

Stop glazing him just because he bought you coffee!

コーヒーを奢ってもらったくらいで、そんなに持ち上げるのやめなよ!

Once In A Blue Moon の記事より

glazing は、2021年の終わりごろ、あるDiscordサーバーの中で使われ始めた言葉です。そこから配信者のライブチャットに広まり、いまでは英語圏のSNS全体で、友達をからかうときの決まり文句になっています。

動画で見る

glazing というZ世代スラングの意味と広まり方を解説するニュース動画 (The Daily Dot(ネット文化を専門に扱うメディア)) 配信者のライブチャットから広まった経緯が、実例つきで紹介されています。

この語の芯

ドーナツにグレーズ(糖衣)をたっぷりかけるように、褒め言葉を分厚く塗りたくる

glaze はもともと、陶器やドーナツの表面に塗る、つやを出すための透明な糖衣やうわぐすりを指す語です。動詞としては『〜に糖衣(つや)をかける、覆う』という意味を持ちます。

スラングの glazing は、この『表面をたっぷり覆う』というイメージが、『褒め言葉で相手を覆いつくす』という比喩に転じたものと考えられています。2021年、あるDiscordサーバーでの冗談から広まり、2022年ごろには人気配信者のライブ配信のコメント欄で定番になりました。もとは、もっと下品な言い回しの代わりとして使われ始めたとされています。そのぶん口にしやすく、TikTokやYouTubeのコメント欄にも広がりやすかったようです。

同じ語根の仲間 glaze ((うわぐすり・糖衣を)かける、覆う(もとの動詞)) glazed (つや出しをした(ドーナツなど)/うっとりした)

glazing=ドーナツの糖衣(グレーズ)のように、褒め言葉で相手をベタ塗りにすること

ここが面白い

glazing は、べた褒めしている当人ではなく、それを見ている周りの人が使う語という点が独特です。本人が『私は君を glazing しています』と名乗ることはまずありません。誰かが誰かを持ち上げすぎているのを見た第三者が『Stop glazing.』とツッコミを入れる、という使われ方が基本です。

この『冷やかす側の視点で生まれた語』という性質のおかげで、glazing はコメント欄やライブチャットのように、大勢が同時に反応する場所でとくによく使われます。

例文で確かめる

Everyone in the comments is glazing the new singer.

コメント欄のみんなが、あの新人歌手を持ち上げすぎている。

Chat, stop glazing him, he just answered one question right.

みんな、そんなに持ち上げないで。彼はただ1問答えられただけだよ。

I love my best friend, but sometimes I catch myself glazing her a little too much.

親友のことは大好きだけど、たまに自分でも持ち上げすぎだなと気づくことがある。

この形で覚える

stop glazing そんなに持ち上げるのはやめて
glazing someone in the comments コメント欄で誰かを持ち上げすぎること
a glazer いつも誰かを持ち上げすぎている人
low-key glazing こっそり持ち上げすぎている

似た語とどう違うのか

意味glazing との違い
flatter お世辞を言う flatter は昔からある一般的な語で、下心が透けて見える褒め方を指すことが多い。glazing はSNS発のくだけた語で、からかい・冗談のニュアンスが強い。
hype (someone) up (人を)盛り上げる、応援する hype up は励ましのニュアンスが中心で、肯定的に使われることが多い。glazing はやりすぎを指摘する、少し茶化した言い方。

使うときの注意

ここで間違える
本人に向かって『あなたはglazerですね』と真顔で使うと、からかいの意図が伝わらず失礼に響くことがある。友達同士の軽いツッコミとして使うのが基本。
使える場面
くだけたSNSスラング。友達同士の会話やコメント欄限定で使う言葉で、目上の人との会話や英作文・面接では使わない。
発音・リズム
glazing の a は日本語の『ア』ではなく【エイ】に近い二重母音。牛などが草を食べることを表す grazing とは、l と r が違うだけ。カタカナではどちらも『グレイジング』になってしまうので、l と r を意識して発音し分けること。

ミニコラム:『褒めすぎ』を表す言葉は、いつの時代にもある

『太鼓持ち』『ヨイショする』。日本語にも、褒めすぎる人をからかう言葉は昔からあります。英語でも同じで、glazing の前には別の言い方が使われ、その前にもまた別の言い方がありました。

面白いのは、glazing がもとは配信者のライブチャットという、ごく狭い場所から広まったことです。数百人しか見ていないDiscordサーバーの冗談が、数年でSNS全体の合言葉になりました。言葉が広まる速さそのものが、いまのインターネットらしい現象だと言えます。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. "Stop glazing him." の意味として最も適切なものはどれか。