drought
/draʊt/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「干ばつ、
a long period of time when there is little or no rain
どこで出てきたか
Drought reveals Emperor Nero's bridge beneath Rome's Tiber river
干ばつが、ローマのティベレ川からネロ橋の遺構を露出させる
The Tiber is facing a rather important low-water phase. And this is in fact due to a series of factors including the prolonged drought of these summer months. ティベレ川はいま、かなり深刻な低水位の局面を迎えています。これはいくつもの要因によるものですが、実際にはこの夏の期間の長引く干ばつも含まれています。
何週間も雨が降らなかったことで、イタリアを流れるティベレ川の水位が異常なほど下がりました。その結果、バチカンの近くで川底に沈んでいた、2000年前の古代ローマの橋の遺構が姿を現しています。この橋は『ネロ橋』と呼ばれますが、これは古くからの通称です。研究者は、ネロではなく、その伯父にあたるカリグラが建てたと見ています。この現象を説明する記事で、繰り返し使われていたのが drought でした。
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この語の芯
drought=雨がほとんど降らない状態が、長く続くこと。
drought は、古英語で『乾いた』を意味した形容詞 dryge にさかのぼる語です。この形容詞がいったん動詞 drugian(乾かす)になり、そこからさらに名詞 drugoth(乾いた状態)が作られました。いまの drought(干ばつ)は、dry(乾いた)から名詞として作られた語にあたります。
つづりの gh は、through や though と同じ並びです。この gh は、かつてのどの奥でこすれるように出す子音(ドイツ語の ch に近い音)を表していました。その音は英語から消え、つづりの gh だけが化石のように残っています。だから drought の gh も読みません。
同じ語根の仲間 dry (乾いた(同じ語根を持つ形容詞)) dryness (乾燥(状態を表す名詞))
ここが面白い
干ばつは、農業や暮らしにとっては困った出来事です。ですが同時に、川や湖の底に沈んでいたものを、人の目の前に引きずり出すという、思わぬ働きもします。
この橋は、ふだんは完全に水の中に沈んでいて見えません。干ばつで水位が下がるたびに一時的に姿を現し、雨が戻るとまた水の中へ消えていきます。同じ橋が、天気によって『見える橋』と『見えない橋』を繰り返しているわけです。
例文で確かめる
The region is suffering from its worst drought in fifty years.
その地域は50年で最悪の干ばつに見舞われている。
Farmers are struggling to grow crops during the drought.
農家の人たちは、干ばつの中で作物を育てるのに苦労している。
The long drought caused the reservoir's water level to drop sharply.
長引く干ばつのせいで、貯水池の水位が急激に下がった。
この形で覚える
| a severe drought | 深刻な干ばつ |
| drought conditions | 干ばつの状態 |
| declare a drought emergency | 干ばつ非常事態を宣言する |
| the worst drought in decades | 数十年で最悪の干ばつ |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | drought との違い |
|---|---|---|
| dry spell | (短期間の)日照り続き | dry spell はもっとくだけた言い方で、比較的短い『雨の降らない期間』を指す。drought はより深刻で長期の、公式にも使われる語。 |
| famine | 飢饉 | famine は『食料が足りなくなること』そのものを指す語。drought はその原因になりうる気象現象で、必ずしも食料不足を意味しない。 |
| arid | (気候が)乾燥した | arid はもともとの気候が乾燥していることを表す形容詞。drought は、ふだんは雨が降る場所で一時的に雨が降らなくなる現象を指す。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- through や though と同じ gh の綴りにつられて、【フ】や【グ】の音を入れて読んでしまう誤りが多い。drought の gh は発音されない。
- 使える場面
- ニュースや気象情報でよく使われる、標準的でやや硬い語。日常会話でも問題なく使える。
- 発音・リズム
- /draʊt/。gh は発音せず、about や shout と同じ【アウト】に近い響きで終わる。through(スルー)や thought(ソート)の響きにつられないよう注意。
ミニコラム:困った天気が、歴史の窓を開けることがある
干ばつは、農業にとっても暮らしにとっても、歓迎できない出来事です。それでも今回のように、川の底に何十年、何百年と沈んでいたものが姿を現し、研究者にとってはまたとない調査の機会になることがあります。
2000年前の橋が、天気ひとつで見えたり見えなかったりする。そう考えると、いつも同じ姿をしているように見える街の景色も、実は自然の状態に左右されながら形を変え続けているのだと気づかされます。
原田高志
確認クイズ
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Q1. drought の語源について、本文の説明として正しいものはどれか。