clock it
/klɒk ɪt/ 動詞句(スラング) いま英語圏で流行っている言い方
「①(SNSで)
to strongly agree with someone or praise their insight; to notice or reveal something that someone wanted to hide
どこで出てきたか
PanSALB on #SAWordoftheYear
PanSALB が南アフリカの「今年の言葉」を発表
Social media users use "clock it" to express strong agreement, acknowledge someone's insight, or expose concealed truths. SNSの利用者は、強く同意したり、誰かの鋭い見方を認めたり、隠された本当のことを明かしたりするときに「clock it」を使う。
PanSALB(Pan South African Language Board)は、南アフリカの言語委員会です。10月16日、メディア調査の会社 Focal Points と組んで、2026年の「今年の言葉」を発表しました。SNS部門に選ばれたのが clock it で、候補になった7つの語への言及のうち85%を占めました。発表文によると、この語はニューヨークの黒人の LGBTQ+ の人たちのボールルーム文化やドラァグ文化から、20世紀の半ばから後半に生まれたとされています。
動画で見る
この語の芯
隠れていたことに「気づいた!」と声を上げる。いまのSNSでは、人の鋭い指摘に「まさにそれ」と乗るときにも使います。
PanSALB の発表文によると、clock it は20世紀の半ばから後半に、ニューヨークの黒人の LGBTQ+ の人たちのボールルーム文化やドラァグ文化で生まれたとされています。もともとは、誰かが隠したかったことに気づいたり、それを明かしたりすることを指していました。
Wiktionary も、動詞の clock に、くだけた言い方として「気づく(to notice)」という意味を載せています。例として挙がっているのは Clock the wheels on that car!(あの車のホイール見てよ!)という文です。
同じ語根の仲間 clock ((名)時計 (動・くだけた言い方)気づく) clock in (出勤の記録をつける) cloak (マント(clock と同じ語から分かれた)) cloche ((料理や苗にかぶせる)釣鐘形のふた。フランス語で「鐘」)
ここが面白い
時計の clock は、もとをたどると「鐘」を表す語でした。Wiktionary によると、clock は中世オランダ語の clocke(鐘、時計)から来ており、さらにさかのぼると中世ラテン語の clocca(鐘)にたどり着きます。ウェールズ語では、いまも cloch が「鐘」です。
しかも Wiktionary は、clock と cloak(マント)と cloche(釣鐘形のふた)を、同じ語から分かれた兄弟としています。Merriam-Webster によると、cloche はフランス語でそのまま「鐘」という意味です。「時計」も「マント」も「ふた」も、もとは同じ「鐘」の1語なのです。
例文で確かめる
Clock it! That's exactly what I was thinking.
それな! ちょうど私もそう思ってた。
My friends clocked that I was nervous before the speech.
友だちは、スピーチの前に私が緊張していることに気づいた。
He tried to hide his new haircut under a hat, but everyone clocked it.
彼は新しい髪型を帽子で隠そうとしたけれど、みんな気づいた。
この形で覚える
| Clock it! | (SNSで)まさにそれ!、よく気づいた! |
| clock that ~ | 〜ということに気づく |
| Clock the ~! | 〜を見てよ! |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | clock it との違い |
|---|---|---|
| notice | 気づく | notice はどんな場面でも使えるふつうの語で、clock は友だちどうしやSNSで使うくだけた言い方です。 |
| Exactly. | まさにそのとおり | Exactly. は会議でも使える同意の言葉で、Clock it! は「よく気づいたね」というほめ言葉も込めた、SNS向けの同意です。 |
| spot | 見つける | spot は人ごみの中の友だちのように「目で見つける」ことが中心で、clock it は隠れていた本当のことに「気づく」場面でよく使います。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- clock を「時計」だけだと思っていると、Clock it! を「時間を計れ」と読んでしまいます。また Merriam-Webster によると、clock someone には「人を強く殴る」という意味もあるので、目的語が人のときは前後をよく見ましょう。
- 使える場面
- SNSや友だちとの会話で使うスラングです。作文や面接では使いません。人が隠していることを「見抜いた」と言う使い方は、相手を傷つけることがあるので気をつけましょう。
- 発音・リズム
- clock と it がつながって「クロキッ(ト)」のように聞こえます。最後の t はほとんど聞こえないことがあります。
ミニコラム:スラングは、国をこえて旅をする
clock it は、ニューヨークのボールルーム文化で生まれたとされる言葉です。それが2026年、遠く離れた南アフリカで、SNSの「今年の言葉」に選ばれました。英語のスラングは、SNSに乗って国をこえて広がります。
ただ、知っている単語でできたスラングほど、読み違えやすいものです。clock も it も中学で習う語ですが、2つ並べると「時計」とは関係のない意味になります。
明日からできることは1つです。SNSで知っている単語なのに意味が通らない言い回しを見つけたら、その語を辞書のスラングの意味まで下りて調べてください。
原田高志
確認クイズ
-
Q1. 友だちが「先生、今日は機嫌がいいから宿題が少ないかもね」と英語で書き込み、あなたが Clock it! と返した。この返事が伝えていることはどれか。