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TWO WORDS A DAY 時事英語 第140回 標準 読了 6分

cash cow

/ˈkæʃ ˌkaʊ/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語

「①安定してもうけを生み出す事業・商品(稼ぎ頭、ドル箱) ②(人や団体が)もうけを得るために利用している相手や物」

a business or product that regularly makes a lot of money; someone or something that is used as a reliable source of money

どこで出てきたか

Companies exploiting welfare system by using residents as 'cash cows', BBC finds

BBC の調査で、入居者を「cash cow」として使い福祉制度を悪用する会社があると判明

出典: BBC News(2026年10月19日)

Many vulnerable people are being used as "cash cows to generate income" that goes from the Department for Work and Pensions (DWP) into "the back pocket of the landlords", said Patricia Coleman-Taylor, who runs Birmingham anti-poverty charity Narthex.

多くの弱い立場の人が、労働年金省(DWP)から家主の「ふところ」に流れる収入を生むための「cash cow」として使われている、と、バーミンガムの貧困対策の慈善団体 Narthex を運営する Patricia Coleman-Taylor さんは述べた。

Patricia Coleman-Taylor さん(バーミンガムの慈善団体 Narthex を運営)(BBC News)

BBC の番組 Panorama は、イギリスの「支援付き住宅」の制度を調べました。住居と見守りが必要な人のための制度です。BBC によると、一部の会社が住宅給付金を受け取りながら、入居者に必要な支援をしていませんでした。バーミンガムだけで、前の会計年度に労働年金省が約4億1,000万ポンドを払っています。記事では、慈善団体の代表が、入居者が「もうけを生む cash cow」にされていると話しました。名指しされた会社の一部は、BBC に反論しています。

この語の芯

一度手に入れれば、くり返し乳が搾れる牛。 そこから、安定してお金を生み続けるものを指します。

cash 名詞 現金 cow 名詞 牛(乳牛)

Wiktionary は、cash cow を乳牛へのたとえだと説明しています。乳牛は、いったん手に入れて子牛を産ませれば、そのあとずっと乳を搾り続けられます。そのように、続けてお金を生む事業や人を指すようになりました。

Merriam-Webster は、①「もうけが続く事業・不動産・商品。その利益で、会社がほかの分野に投資する」、②「頼れる金づるとして見られたり、利用されたりしているもの」という2つの意味を挙げています。

同じ語根の仲間 moneymaker (もうけを生むもの) golden goose (大きな利益を生み続けるもの) money-spinner (もうかるもの(イギリス英語で多い)) milch cow (乳牛、金づる)

cash cow は「搾り続けられる牛」。会社の商品なら稼ぎ頭、人に向けると「利用している」という非難になる。

ここが面白い

cash cow は、辞書に意味が2つ載っている語です。1つは会社の稼ぎ頭、もう1つは「頼れる金づるとして見られたり、利用されたりしているもの」です。会社の中で「うちの cash cow は、この商品だ」と言えば、頼れる稼ぎ頭という意味です。Merriam-Webster の例文も、The football team was a cash cow for the university.(そのフットボールチームは大学の稼ぎ頭だった)です。

今日の BBC は、同じ語を人に向けました。人を cash cow と呼ぶと、「その人を利用して、もうけを引き出している」という非難になります。向ける相手が、事業か人かで、語の色が変わるわけです。また Merriam-Webster は、この語の初出を1972年としています。意外と新しい語です。

例文で確かめる

The report says some landlords treat residents as cash cows.

その報告書は、入居者を cash cow として扱う家主がいると述べている。

This old product is still the company's biggest cash cow.

この古い商品は、いまもその会社でいちばんの稼ぎ頭だ。

Our school festival became a cash cow for the drama club.

うちの学園祭は、演劇部の稼ぎ頭になった。

この形で覚える

a cash cow for the company その会社の稼ぎ頭
treat someone as a cash cow 人を金づるとして扱う
the firm's main cash cow その会社の主力の稼ぎ頭
milk a cash cow 稼ぎ頭から搾り取る

似た語とどう違うのか

語意味cash cow との違い
moneymaker もうけを生むもの moneymaker は「もうかるもの」を軽く言う語で、cash cow は「安定して、長く」稼ぎ続けるというたとえの絵が付きます。
golden goose 大きな利益を生み続けるもの golden goose は「金の卵を産むがちょう」にたとえた語で、大きな利益を生む大切なものというほめる気持ちが強く、cash cow のような「搾り取る」感じは弱めです。

使うときの注意

ここで間違える
cash cow は名詞です。This business is a cash cow.(この事業は稼ぎ頭だ)のように使います。「稼ぐ」という動詞の代わりにはなりません。
使える場面
事業や商品について使うのは、ふつうのビジネス英語です。人について使うと「利用している」という非難になるので、人に向けて軽く使うのはやめましょう。
発音・リズム
cash は「キャッシュ」、cow は「カウ」です。cow の ow は、口を大きく開けて「アウ」と伸ばします。

ミニコラム:同じ語でも、向ける相手で意味の色が変わる

cash cow は、会社の事業の話では、稼ぎ頭という意味で使われます。でも今日の BBC では、人に向けて、「利用している」という非難の意味で使われていました。辞書には意味が2つ載っていますが、何に向けたかで、読み手が受け取る色は変わります。

英語のニュースを読むときは、語の意味だけでなく、その語が何に向けて使われているかも見てください。「会社に向けた cash cow」なら稼ぎ頭、「人に向けた cash cow」なら金づるとして利用している、と読み分けられます。

明日からできることは1つです。英語のニュースで cash cow を見つけたら、その語が事業と人のどちらに向けられているかを、1行でメモしてください。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 今日の BBC の記事で、cash cows は誰(何)に向けて使われていたか。