calve
/kɑːv/ 動詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「①(牛などが)子を
when a large piece of ice breaks away from a glacier or iceberg
どこで出てきたか
Manhattan-sized ice island breaks off Greenland's Petermann Glacier
マンハッタン島ほどの大きさの氷の島が、グリーンランドのピーターマン氷河から分離した
An international team of researchers, led in part by the University of Ottawa, has documented a major calving event at Petermann Glacier in northwest Greenland. オタワ大学などが率いる国際研究チームが、グリーンランド北西部のピーターマン氷河で起きた大規模な『calving(分離)』を記録した。
2026年8月4日、グリーンランドのピーターマン氷河から76平方キロメートル、マンハッタン島とほぼ同じ大きさの氷の塊が分離しました。厚さは最大150メートルと推定され、この氷河では2012年以来最大、北極圏全体で見ても2020年以来最大級の分離とされています。研究者たちはこの氷の塊を今後も追跡していく予定です。
この語の芯
牛が子を産むように、氷河が氷山を生み出す。それがcalveの絵です。
calveは、雌牛が子牛(calf)を産むという意味の動詞が、そのまま氷河に転用された語です。英語で氷山そのものをcalfと呼ぶ使い方は1818年ごろから、氷河が『分離する』という動詞calveの使い方は1837年から記録が残っています。氷山が氷河から『生まれ落ちる』ように分離するようすを、出産になぞらえた形だとされています。ただし語源辞典の中には、大きな島のそばに浮かぶ小さな島を指すスカンジナビア語の用法が、もとになっているのではという説を挙げるものもあります。
同じ語根の仲間 calf (子牛(複数形はcalves)) calving (分離(現象)、出産)
ここが面白い
面白いのは、氷河そのものをcalving glacier(分離を起こしている氷河)と呼ぶ一方で、分離した氷の塊はしばらくicebergやice islandと呼ばれ続けることです。今回のニュースでも、生まれた『子』は今後も追跡され、どこへ流れ着くかが観測され続けます。まるで生まれた子牛の成長を見守るような扱いです。
例文で確かめる
The glacier calved a massive iceberg the size of Manhattan.
その氷河は、マンハッタン島ほどの巨大な氷山を分離させた。
Scientists are tracking the iceberg after it calved from the ice tongue.
研究者たちは、氷舌から分離したその氷山を追跡している。
A cow usually calves once a year, in spring.
雌牛はふつう、春に年1回子牛を産む。
この形で覚える
| calve an iceberg | 氷山を分離させる |
| a calving glacier | 分離を起こしている氷河 |
| a major calving event | 大規模な分離現象 |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | calve との違い |
|---|---|---|
| break off | 分離する、割れて離れる | 氷の『分離』を表すときはcalveが専門語で、break offはどんな物にも使える一般的な言い方です。 |
| melt | 溶ける | calveは大きな塊が割れて離れることで、meltは氷が溶けて水になること。現象そのものが別物です。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 動物の出産の意味と混同しやすい語ですが、氷河・氷山のニュースでは必ず『分離する』の意味です。主語がglacierやiceならこちらだと判断してください。
- 使える場面
- ニュース記事や学術論文で使われる、やや専門的な語です。日常会話にはあまり出てきません。
- 発音・リズム
- イギリス英語ではcarve(彫る)とほぼ同じ/kɑːv/、アメリカ英語では/kæv/。calfの/f/は、動詞では/v/に濁ります(half→halveと同じ変化)。
ミニコラム:氷が「子を産む」ように見えた、船乗りたちの目
氷山が氷河から分離するようすを、英語では長いあいだ出産になぞらえてきました。1818年ごろの記録では、氷河から割れて出た氷山をcalfと呼ぶ用法がすでにあったとされ、そこから『氷河がcalfを生み出す』、つまり動詞calveが広まった、という説があります。19世紀の捕鯨船や探検隊の乗組員は、氷河から氷が崩れ落ちる瞬間を間近で見ていたはずです。轟音とともに海面が持ち上がり、真っ白な破片が波間に漂います。その光景に、動物の出産を重ねた人がいたのかもしれません。
2026年8月、グリーンランドのピーターマン氷河で分離した氷の塊は、マンハッタン島とほぼ同じ大きさでした。科学者たちはこれからもこの『子』を追いかけ、どこへ流れていくかを見守ります。ニュースで氷河の話題を見かけたら、calveという語を探してみてください。
原田高志
牛が子どもを産むという意味の動詞が、氷河のニュースにもそのまま出てきます。今日はその不思議なつながりをたどります。
確認クイズ
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Q1. 次のうち、動詞calveの意味として正しいものはどれですか。