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TWO WORDS A DAY 流行英語 第147回 標準 読了 6分

bandwidth

/ˈbændwɪdθ/ 名詞 いま英語圏で流行っている言い方

「①(電波・通信の)帯域幅 ②(通信で)一度に送れるデータの量 ③(くだけた言い方)何かをするための時間や気持ちの余裕」

the range of frequencies a signal uses; the amount of data a system can send; informally, the time or mental energy you have to deal with something

どこで出てきたか

'Circle back,' 'synergy,' 'boil the ocean': The corporate phrases Gen Z doesn't get, and what they say instead

「circle back」「synergy」「boil the ocean」。Z世代が分からない会社の決まり文句と、その言い換え

出典: Fortune(2026年10月19日)

“Bandwidth” is a technical metaphor that can stand for time, mental capacity, or emotional energy.

「bandwidth」は技術用語を使ったたとえで、時間や頭の余裕、気持ちの余力を表すことがあります。

Fortune の記事より

Fortune によると、語学学習サービスの Preply が、会社の決まり文句について書かれた、過去5年の Reddit の投稿とコメント3,000件を調べました。いちばん多く挙がったのは circle back(203件)で、bandwidth は97件でした。アメリカでの bandwidth の検索は月に18万7,000回あります。Preply が Z世代の社員10人に言い換えてもらったところ、bandwidth は availability(空いているかどうか)になりました。

動画で見る

Storied|会社の決まり文句はどこから来たのか(題名は「Where Did Cringey Corporate Jargon Come From? | Otherwords」) (Storied) 英語の動画です。チャンネル Storied の、言葉の番組 Otherwords の回です。

この語の芯

「通信の太さ」を、人の「余裕の大きさ」にたとえる。I don't have the bandwidth. は「いまは手が回らない」です。

band 名詞 帯、(周波数の)範囲 width 名詞 幅

bandwidth は、band(帯)と width(幅)をつなげた語です。Merriam-Webster は、1つ目の意味を「電波などの周波数の範囲」とし、この意味での最初の記録を1913年としています。

2つ目の意味は、通信で一度に送れるデータの量です。3つ目に、Merriam-Webster は「何かをしたり考えたりするのに必要な、気持ちや頭の余裕」を載せています。電波の帯 → データの量 → 人の余裕と、意味が順に広がってきました。

同じ語根の仲間 band (帯、(周波数の)範囲) width (幅) wide (幅の広い) broadband ((インターネットの)高速通信)

bandwidth=回線の太さ。「太さが足りない」=「手が回らない」。

ここが面白い

「余裕」という意味の bandwidth が辞書に入ったのは、つい最近です。アメリカのジャーナリズム専門誌 Columbia Journalism Review(2019年5月)によると、Merriam-Webster の無料版の辞書がこの意味を足したのは2018年3月でした。

ところが同じ記事は、それから1年あまりで「もう決まり文句だ」と書いています。AP通信の記者向けの表記の手引き(AP Stylebook)も、「決まり文句・業界用語」の項に、bandwidth を使った冗談まじりの悪い例を入れていると紹介しています。

例文で確かめる

I don't have the bandwidth to take on another project this week.

今週は、もう1つ仕事を引き受ける余裕がありません。

Do you have the bandwidth to help me with this report?

この報告書を手伝ってもらう余裕はありますか。

Video calls need more bandwidth than voice calls.

ビデオ通話は、音声通話よりも多くの通信量を使います。

この形で覚える

have the bandwidth to ~ 〜する余裕がある
mental bandwidth 頭の余裕
free up bandwidth 余裕を作る、(回線の)空きを作る

似た語とどう違うのか

語意味bandwidth との違い
availability (予定が)空いていること Fortune の記事では、Z世代の社員が bandwidth の言い換えに選んだのが availability で、たとえを使わずに予定が空いているかをそのまま聞く言い方です。
capacity 能力、受け入れられる量 capacity は人にも物にも使えるふつうの語で、bandwidth は通信のたとえを使った、会社らしいくだけた言い方です。
time 時間 I don't have time. は時間がないことだけを言い、I don't have the bandwidth. は時間に加えて気持ちや頭の余裕がないことも含みます。

使うときの注意

ここで間違える
bandwidth を「バンドの幅」と読むと意味が取れません。人について使われていたら「余裕」、回線について使われていたら「通信量」です。
使える場面
会社の会話やメールで使う、くだけたたとえです。Fortune の記事のとおり嫌う人もいるので、作文や面接では time や availability を使いましょう。
発音・リズム
最後は舌先を歯に当てる th の音で終わり、「ドゥス」とは言いません。Merriam-Webster は、width の d を言わない発音も載せています。

ミニコラム:流行の言葉は、すぐに古くなる

bandwidth の「余裕」という意味は、辞書に載って1年あまりで、もう決まり文句と呼ばれていました。そして2026年、Fortune は若い社員が苦手な言葉の1つとして取り上げています。会社で流行った言葉は、広まるのも早いぶん、古くなるのも早いのです。

一方で、意味の広がり方は英語の勉強に役立ちます。電波の帯から人の余裕へ、という流れが分かれば、初めて見た使い方でも意味を推測できます。

明日からできることは1つです。知っている語が思わぬ場面で使われていたら、辞書の最後のほうの意味まで読んでください。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 上司から "Do you have the bandwidth to join this project?" と聞かれた。上司が聞いていることはどれか。