backlog
/ˈbæklɔːg/ 名詞・動詞 英語ニュースに何度も出てくる語
「①(未処理の
a large amount of work, orders, or tasks that are waiting to be done
どこで出てきたか
Total company backlog grew to a record $715 billion, including over 6,200 commercial airplanes. 会社全体の受注残高は過去最高の7,150億ドルに増え、旅客機の受注は6,200機を超えました。
航空機メーカーのボーイングは2026年7月28日、受注残高が過去最高の7,150億ドルに達したと発表しました。注文は増えているのに、実際に完成して届ける機体の数が追いついていません。この『注文はあるのに、まだこなせていない量』を表す語が backlog です。移民審査の待ち件数や、裁判所の未処理事件を伝える記事でも、同じ語が繰り返し使われます。
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この語の芯
backlog=後ろにたまって、まだ流れていない量。
backlog は1680年代のアメリカ英語で生まれた語で、もとの意味は『暖炉のいちばん奥にくべる、大きな丸太』でした。手前の薪だけでは火はすぐに燃え尽きてしまいますが、奥に太い丸太を1本置いておくと、何日もかけてじわじわとくすぶり続け、火を絶やしません。
この『奥にたまっていて、時間をかけて少しずつ片付いていくもの』というイメージが、1880年代に『あとで使うために取ってあるもの』という比喩の意味に広がりました。さらに1930年代になると、いまと同じ『まだこなせていない注文・仕事の山』という意味で使われるようになりました。
同じ語根の仲間 logjam ((川で丸太がつかえることから)行き詰まり、停滞)
ここが面白い
backlog は、いま英語ニュースのあちこちに出てきます。ボーイングの受注残高(7,150億ドル)だけでなく、アメリカの移民審査は1,100万件以上が未処理のまま残っていると報じられ、ウィキペディアでさえ、公開を待つ下書き記事の山を backlog と呼び、有志の編集者が2026年8月の1か月間、その山を減らすための企画を開いています。
会社も、役所も、ボランティアの集まりも、抱えているのは同じ形の悩みです。入ってくる量に、片付ける量が追いついていない。それを1語で言い表せるのが backlog です。
例文で確かめる
The company's order backlog grew to a record high this year.
その会社の受注残高は、今年過去最高に増えた。
There is a huge backlog of visa applications waiting to be processed.
ビザの申請が、処理を待って大量にたまっている。
We need extra staff to clear the backlog before the deadline.
締め切りまでにたまった仕事を片付けるには、人手を増やす必要がある。
この形で覚える
| a huge backlog | 大量にたまった未処理分 |
| clear the backlog | たまった仕事を片付ける |
| a backlog of orders | たまった注文 |
| work through the backlog | たまった仕事を少しずつ片付けていく |
似た語とどう違うのか
| 語 | 意味 | backlog との違い |
|---|---|---|
| queue | (順番待ちの)列 | queue は待っている『人や物の並び』そのもの。backlog はまだ処理できていない『仕事の量』を指し、順番に並んでいるとは限らない。 |
| pile-up | 山積み、(交通の)玉突き | pile-up はくだけた言い方で、物理的に積み上がったイメージが強い。backlog はビジネスや行政の文脈でも使われる、より標準的な語。 |
| arrears | (支払いなどの)滞納、未払い分 | arrears はほぼお金の支払いにしか使われない。backlog は仕事・注文・書類など、幅広い『たまったもの』に使える。 |
使うときの注意
- ここで間違える
- 名詞のイメージが強いが、『backlog the requests(要望をため込む)』のように動詞としても使われる。文中の位置を見て品詞を判断すること。
- 使える場面
- ニュース・ビジネス文書・IT分野まで幅広く使われる、標準的でやや硬めの語。日常会話でも問題なく通じる。
- 発音・リズム
- /ˈbæklɔːg/。back を強く読み、log は軽く『ローグ』に近い響きになる。back と log の間を切らず、1つの語としてつなげて読む。
ミニコラム:たまっているのは仕事だけではない
backlog という語を知ってから英語のニュースを読むと、いろいろな場所に『たまっているもの』があることに気づきます。
会社の受注残高、役所の未処理の申請、裁判所で順番を待つ事件。形はそれぞれ違っても、『入ってくる量に、片付ける量が追いついていない』という構造は同じです。
暖炉の奥の丸太は、燃え尽きるまでに何日もかかります。backlog という語を作った人たちも、たまったものはすぐには片付かないということを、よく知っていたのかもしれません。
原田高志
確認クイズ
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Q1. backlog の語源として、本文の説明で正しいものはどれか。