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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
TWO WORDS A DAY 時事英語 第11回 標準 読了 6分

backlash

/ˈbæklæʃ/ 名詞 英語ニュースに何度も出てくる語

「①(社会的な)反発、反動 ②(機械の)遊び、隙間」

a strong negative reaction by a group of people, especially to a social or political change

どこで出てきたか

Amid public backlash, surveillance tech company Flock announces platform changes

高まる反発を受け、監視技術企業Flockがシステムの変更を発表

出典: Spectrum News 13(2026年8月13日)

…said he's been surprised to see the 'growing community backlash' against Flock specifically, given the technology is not new and other companies sell it as well.

…Flockに対して『地域社会からの反発の高まり』が見られることに驚いていると語った。この技術自体は新しいものではなく、他社も同様のサービスを販売しているにもかかわらずだ、と。

Andrew Guthrie Ferguson教授(ジョージ・ワシントン大学ロースクール)(Spectrum News 13)

backlash は、企業や政府の決定に対して人々が一斉に反対の声を上げたときに使われる語です。上のニュースは、車のナンバープレートを自動で読み取る監視カメラを全米の警察に提供してきた企業Flockが、プライバシーをめぐる批判の高まりを受けてシステムを見直した、という話です。専門家は『Flockという企業名を名指しした反発の高まり』に驚いたと述べています。この語は政治・企業・SNSなど、幅広いニュースで繰り返し登場します。

この語の芯

押し返してくる力。誰かが動いたことの反動として、逆方向に強く返ってくる反応。

back 要素1 後ろへ、逆方向へ lash 要素2 むちで打つこと、強い一撃

backlash が英語に現れたのは1815年ごろ。もともとは機械の用語で、歯車どうしがかみ合う部分にできる『遊び』(がたつき)を指していました。かかる力が急に変わったときに起きる、逆向きの跳ね返りのことです。

この機械の意味が、社会や政治の場面に比喩として使われ始めたのは1929年ごろ。『動かした力が、逆向きに強く跳ね返ってくる』というイメージがそのまま、世の中の反発・反動を表す語に転用されました。

backlash=歯車の『遊び』が跳ね返る動き。社会を急に押すと、同じように反発が跳ね返ってきます

ここが面白い

backlash は『鞭が跳ね返る動き』を指す語だと説明されることがありますが、より正確には歯車やねじの『遊び』を表す機械工学の専門用語として生まれています。100年以上のあいだ工場や設計図の中だけで使われていた語が、1929年になって初めて『社会の反発』という意味で新聞に登場しました。日常語に見える backlash は、じつは機械の世界からやってきた、比較的新しい比喩なのです。

例文で確かめる

The new tax plan sparked a fierce backlash from small business owners.

新しい税制案は、中小企業の経営者たちから激しい反発を招いた。

She faced a huge backlash online after her comment went viral.

彼女の発言が拡散したあと、ネット上で大きな反発を受けた。

The company changed its policy to avoid further public backlash.

その会社は、これ以上の世論の反発を避けるために方針を変えた。

この形で覚える

face a backlash 反発に直面する
spark a backlash 反発を引き起こす
a growing backlash 高まりつつある反発
avoid a backlash 反発を避ける

似た語とどう違うのか

意味backlash との違い
outcry (怒りの)抗議の声 outcry は驚きや怒りで一気に上がる『抗議の叫び』、backlash はそれが行動として押し返してくる『反発』を指します。
backfire 逆効果になる backfire は計画や行動そのものが『裏目に出る』こと、backlash はそれに対して周囲から返ってくる反応のことです。
uproar (世間の)騒ぎ、大騒動 uproar は驚きや怒りで場が『騒然となること』、backlash はその怒りが具体的な反対運動や行動に変わったものです。

使うときの注意

ここで間違える
日本語で『バックラッシュ』はファッションや美容の話題で聞くことがありますが、英語の backlash はほぼ常に『反発・反動』の意味で使われ、機械用語として日常会話に出ることはまれです。
使える場面
ニュースや評論記事でよく使われるやや硬めの語です。友人との雑談では pushback(押し返し)のほうが軽く使われます。
発音・リズム
『バック・ラッシュ』と2語に分けず、【バクラシュ】とひと続きに、後ろの lash を強く読みます。

ミニコラム:反発ということばを、以前より多く見かける気がします

ニュースサイトを開くと、backlash や pushback、outcry といった『反発』を表す語に、以前よりも頻繁に出会う気がします。企業やお店の小さな判断ひとつが、SNSを通じて一気に大きな声になって返ってくる。歯車の遊びのような、もともとは小さな『がたつき』を表す語が、いまは社会全体の反応を表す語として使われているのは、偶然ではないのかもしれません。

英語のニュースを読むときは、backlash という語が出てきたら、誰の、どんな行動に対する反発なのかを一度立ち止まって確認してみてください。反発の大きさだけを追うと、何が本当に問題視されているのかを見失いがちです。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. backlash という語が、もともと専門用語として使われていた分野はどれか。