本文へスキップ
日刊原田英語 Harada Eigo Daily
NEWSLETTER 標準 読了 12分

授業の余談は逆効果?「関係ない」の一言で本題が残る

ニュースレター|Vol.46

面白い写真や小話を足すと、生徒は乗ってきます。ところが、本題の覚え方は落ちる、という研究があります。2023年のドイツの実験では、写真を足した組が本題を約3割少なく書きました。「この写真は本題と関係ない」と先に言った組は、写真なしの組と同じでした。帯活動2本、教室英語4本、図を飾りなしで描く無料ツール4選つき。

監修:原田高志(原田英語.com)

おはようございます。今日は、授業に入れる面白い余談の話です。生徒は顔を上げます。それなのに、本題のほうが残りにくくなる、という実験があります。

09.24.2026 Vol.46

おはようございます。

今日の最後の節は、授業に入れる余談の話です。面白い写真や小話を足すと、本題の覚え方が落ちる。1998年にそんな実験が出て、2023年にも確かめ直されました。

救いもあります。2023年の実験では、先に一言足すだけで、その差が消えました。何と言えばよいかまで書きました。

注目記事は、受験のある高校で多読を続けた研究です。今日の無料ツールは、図を飾りなしで描くための4つです。

TODAY'S PICK

受験のある高校で多読を1学期。4人に1人は「きつい」側にいました

Acta Psychologica 第270巻 107791(2026年9月14日、オンライン先行公開)。Ding, Chau, Reynolds, Wang, Wei の5人

中国の高校で、クラス単位の多読を1学期続けた研究が出ました。対象は高校2年生(Grade 11)の95人です。2クラスで、担当は経験のある先生1人でした。

題は「Extensive reading under exam pressure」(試験の重圧の下での多読)。論文の要旨も、受験のある学校では多読が続きにくいと書いています。理由は3つです。

  • ・授業時間が足りない
  • ・試験の重圧がある
  • ・ほかの学習とぶつかる

アンケートの答えから、生徒は2つのグループに分かれました。多読がうまくはまった側が69人、きついと感じた側が26人です。

はまった側は、読解・読む速さ・語彙・読む自信のどれも、伸びたと感じた度合いがずっと高かったと報告されています。⚠ ここは生徒自身の答えで、テストの点ではありません。

自由記述などから出てきたのは、次のことでした。

  • ・語の難しさと、時間の足りなさ
  • ・辞書や翻訳を使う、文脈から推測する
  • ・ロールプレイのような、人と関わる活動
  • ・先生が、進める速さ・読む量・理解の支え・複数の形式の教材(multimodal resources)を調整したこと

95人のうち26人です。4人に1人より少し多い生徒が、同じ多読を「きつい」側で過ごしていました。

同じ本、同じ時間を与えても、生徒の受け取り方は1つになりません。この研究が数えたのは、そこです。

明日やれることは1つです。多読の時間の最後に、「今日の本はきつかったか」を手で示させてください。きついと答えた生徒の本だけ、1段やさしくします。

論文が挙げた先生の調整は、速さ・量・支え・教材の形式の4つでした。全員を同じ量で読ませる前に、まず量から動かせます。

WARM-UPS

今日の帯活動(5分でできる)

どちらも黒板だけでできます。1本目は本題と関係ない文を見つける5分、2本目は授業の終わりの3分です。

5つの文から、本題と関係ない1文を当てる

対象 中2〜高3 時間 5分 準備 黒板のみ

  1. 今日の本文の内容を、英語5文にまとめて黒板に書きます。そのうち1文だけ、話題は近いが本題と関係ない文にします
  2. 生徒に、本題と関係ない1文を選ばせます。1分で、ノートに番号だけ書かせます
  3. 隣の人と答えを見せ合い、なぜその文が関係ないのかを英語か日本語で1文言わせます
  4. 最後に、残った4文だけを全員で音読します。関係ない1文は消してから読みます
  • 💡 関係ない文は、たいてい本文の中でいちばん面白い文にしておきます。今日の最後の節の実験では、面白いのに本題と関係ない情報が、本題の覚え方を下げました。面白さと大事さは別だと、生徒が自分で見分ける練習になります。

授業の終わりに、今日の本題を英語1文で書かせる

対象 中1〜高3 時間 3分 準備 黒板のみ

  1. 授業の残り3分で、「今日いちばん大事だったことを、英語1文で」とだけ言います
  2. 1分半で、ノートに1文書かせます。日本語の語が混ざってもかまいません
  3. 先生も、自分が決めていた本題を1文で黒板に書きます
  4. 自分の1文と黒板の1文が同じ話か、手を挙げさせて数えます。余談のほうを書いた人の数も数えます
  • 💡 余談を書いた生徒が多い日は、その余談が本題に勝っていた日です。次の時間の余談を短くするか、「本題ではない」と先に言うかを決める材料になります。

CLASSROOM ENGLISH

そのまま使える教室英語

今日の4本は、余談の前後と、本題を示すときに使う言い方です。

本題から外れた話をする前に

This next story is just for fun, so you don't need to remember it.

次の話はおまけなので、覚えなくてかまいません。

just for fun で「おまけ、楽しむだけ」。今日の最後の節の研究者たちも、授業で先生が言う例として this part is just for fun を挙げています。

余談を終えて、本文に戻るとき

But I digress, so let's get back to the text.

話がそれました。本文に戻りましょう。

But I digress は「話がそれました」の決まった言い方で、Cambridge Dictionary の例文にも出ています。get back to で「〜に戻る」。

本題を示すとき

If you remember only one thing today, remember this sentence.

今日1つだけ覚えるなら、この文を覚えてください。

only one thing で、覚えるものを1つに絞ります。黒板の本題の文を指さしながら言うと、どれのことかがはっきりします。

多読で、本が難しすぎる生徒に

If this book feels too hard, you can switch to an easier one.

この本が難しすぎると感じたら、もっとやさしい本に替えていいですよ。

feels too hard は「難しすぎると感じる」。you can で、替えることが許されていると伝えます。注目記事の26人に向けた一言です。

AI TOOLKIT

AI × 英語指導

教師向け1つ、生徒向け1つ

教師向けPadlet の AI recipes

オンラインの掲示板 Padlet には、AI recipes という機能があります。ヘルプの説明は「AI recipes use the power of generative AI to create an entire padlet based on your description」(説明を打ち込むと、生成AIが掲示板をまるごと作る)。作れる形には、話し合いの掲示板・指導案・ルーブリック・年表などがあります。個人の Neon・Gold・Platinum のアカウントで使えます。⚠ 生徒用のアカウントでは使えません。⚠ ヘルプには、1回で作れる投稿は20ほど、2023年10月より後の出来事は知らない、とも書かれています。

使いどころ:🎓 多読の時間に使うなら、「Discussion board」を選び、学年と「読んだ本について英語で1文書く」と打ち込みます。できた掲示板に、生徒が読んだ本の感想を1文ずつ貼っていきます。⚠ ヘルプには、AIが不正確な情報を作ることがあると書かれています。配る前に全部の投稿を読み、本題と関係ないものや誤りは消してください。ヘルプも、仕上げは自分でするよう書いています。

生徒向けDeepL Write

自分で書いた英文を、AIが直してくれる道具です。サイトの説明は「文章力を向上させ、読み手に合わせて推敲」。スペルや文法の誤りを確かめ、語句や文の書き換え候補を出します。日本語の画面で使え、「今すぐ無料でお試しください」とあります。⚠ 訳す道具(DeepL翻訳)とは別の画面です。⚠ 生徒に使わせる前に、学校の規定を確かめてください。

使いどころ:🎓 生徒に渡すときは、「訂正のみ」と「変更箇所を表示」の2つを使わせてください。先に自分で英文を書き、それを貼ります。直された箇所だけを見て、なぜ直されたのかをノートに1行書かせます。⚠ 書き換え候補をそのまま全部受け入れさせないこと。自分の英文ではなくなります。

NEWS FLASH

今日のニュース

10月の研修を3本。1本目と3本目は同じ10月4日です。

JAPAN · 10.04

英語教育の目的を問い直す。10月4日、大阪と Zoom で森住衛先生の講演です

英語教育研究サークル学分会が、10月4日(日)に第17回研究会を開きます。会場とZoomの両方で参加できます。会場は大阪市淀川区西中島の「フィルスペ会議室《新大阪プライム》」です。

講演の題は「外国語教育の目的論・目標論を問い直す」。副題は「英語教育の『危うさ』の再確認のために」です。話すのは森住衛先生(大阪大学・桜美林大学名誉教授)です。

講演概要は、これまでの英語教育に、外国語教育の目的である「人格形成と恒久平和」への認識が薄かったと書いています。参加費(資料代)は1,000円、学部生は無料。申込の締切は10月3日(土)の17時です。

JAPAN · 10.11

教材を学びに変える3時間。10月11日、無料のオンラインウェビナーです

センゲージラーニング(ナショナルジオグラフィックラーニング)が、10月11日(日)の10時から13時、Zoom で無料のウェビナーを開きます。題は「教材が学びに変わる瞬間 -実践から学ぶ英語教育ウェビナー-」です。

対象は、中学・高校の英語教員、教育委員会、塾、英会話学校の関係者です。案内によれば、扱うのは授業デザインの工夫、生徒のより深い思考を促す活動、学習成果につながる実践例です。

案内の最初の一文は「優れた教材を用意することと、生徒にとって意味のある学びを実現することは、必ずしも同じではありません」。今日の最後の節と、同じ方向の話です。

JAPAN · 10.04

来年、教壇に立つ人へ。10月4日、教科書で授業を組み立てるワークショップです

一般財団法人語学教育研究所が、10月4日(日)に第3回学生研修室セミナーを開きます。オンライン(Zoom)です。題は「授業づくりワークショップ」。

講師は、水海道第一高等学校の中尾愛先生です。案内によれば、来年度「英語教師」として教壇に立つ人に向けて、教科書を使って授業をどう組み立てるかを一緒に考える会です。講師の試行錯誤や実践例も共有されます。

参加費は学生無料、学生以外は1,000円です。英語の先生を目指す学生に、そのまま教えてあげてください。

FREE TOOLS

無料の学習ツール4選

今号のテーマは「図を、飾りなしで描く」。今日の実験の教材では、本題の図は仕組みだけを描いた白黒の図で、足したほうはカラー写真でした。4つとも無料で使い始められます。

Excalidraw

ブラウザで使うホワイトボードです。サイトの説明は「a virtual collaborative whiteboard tool that lets you easily sketch diagrams that have a hand-drawn feel to them」(手描きの感じのする図を、かんたんに描ける共同編集のホワイトボード)。線が手描き風なので、写真のような飾りに見えません。板書の代わりに、話の流れを矢印でつなぐ図に向いています。⚠ 表示は英語です。

draw.io

図を描くための道具です。サイトの説明は「Free, open source diagramming application with 100M+ users」(無料でオープンソースの作図アプリ。利用者は1億人以上)。データは自分の好きな場所に保存でき、「we can't access it」(こちらからは見られない)と書かれています。文の構造図や、段落の関係図をきっちり描きたいときに向きます。

tldraw

こちらもブラウザで使うホワイトボードです。サイトの題は「very good free whiteboard」(とてもよい、無料のホワイトボード)。本文の流れを、四角と矢印だけで描きたいときに使えます。⚠ 表示は英語です。

Google 図形描画

Google の作図の道具です。説明は「Choose from a wide variety of shapes to create diagrams and charts」(たくさんの図形から選んで、図やグラフを作る)。Google のアカウントでログインして使います。学校で Google のアカウントを配っているなら、いちばん手早い選択肢です。使い方は、Google ドキュメント エディタ ヘルプの「図形描画とマークアップの使用方法」に日本語でまとまっています。

STORY BREAK

生徒に話したくなる小ネタ

どちらも「本題からそれる」語です。今日の話にそのまま続きます。

seduce は、もともと「わきへ連れていく」でした

語源辞典 Etymonline によれば、seduce が英語に現れたのは1520年代。ラテン語の seducere から来ています。se- は「わきへ、離れて」、ducere は「導く、連れていく」です。

最初の意味は、家来を説きふせて、主人への忠誠を捨てさせることでした。男女の「誘惑する」の意味は1550年代からです。Etymonline は、この意味はラテン語には無かったようだと書いています。

研究者は、今日の最後の節の「面白いけれど本題と関係ない情報」を seductive details と呼びます。読者を本題のわきへ連れていく細部、と読むと語源どおりです。

形容詞の seductive は、Cambridge Dictionary で「魅力的に見えるので、何かをしたくさせる」とも説明されています。

明日は黒板に se(わきへ)+ duce(導く)と書いてください。Etymonline によれば、produce(前へ導き出す)も introduce(中へ導き入れる)も、同じ ducere から出ています。

digress は、もともと「わきへ歩いていく」でした

Etymonline によれば、digress が英語に現れたのも1520年代です。ラテン語の digredi(わきへ行く、それる)から来ています。dis-(わきへ、離れて)と gradi(歩く、行く)でできた語です。

gradi のもとの根は「歩く、行く」を表す語で、同じ根から progress(前へ進む)・regress(後ろへ戻る)・transgress(越えていく)・degrade(格を下げる) が出ています。

英語では、話がそれたときの決まった言い方に But I digress. があります。Cambridge Dictionary の例文は「But I digress. To get back to what I was saying...」(話がそれました。さっきの話に戻ると…)です。

余談を話し終えたら、明日はこの一言で本題に戻ってください。「進む」の progress と同じ仲間だと言えば、digress(わきへ歩く)の絵も一緒に残ります。

QUOTE

今日の名言

今日の一行

“It seems that perfection is attained, not when there is nothing more to add, but when there is nothing more to take away.”

完璧に達するのは、もう加えるものが無いときではなく、もう取り去るものが無いときであるらしい。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)『人間の土地』(Terre des Hommes、1939年)第3章「道具」。英訳は Wikiquote による

スライドを作るとき、私たちは足すことを考えます。写真を1枚、小話を1つ、動画を1本。

今日の実験は、その逆を勧めています。本題と関係ないものは、取り去るのが先です。

取り去れないものもあります。生徒の顔を上げる余談は、授業に要ることもあるからです。そのときは、今日の最後の節のとおり、「これはおまけです」と先に言ってから話す。

明日やることは1つです。次の授業のスライドから、本題と関係ない1枚を外してみてください。

THE FLIP

常識がひっくり返る話

面白い写真を足した組が、本題を約3割少なく書きました

授業には、つかみが要ります。教科書の本文だけでは、生徒は顔を上げません。

だから私たちは、面白いものを足します。本文の題材にまつわる驚きの写真。先生自身の小話。ニュースの動画。生徒が「へえ」と言えば、その日の授業は生きたと感じます。

面白ければ、興味がわく。興味がわけば、よく覚える。そう考えるのは自然です。

では、その面白いものが、本題と関係なかったらどうなるのでしょうか。

ところが

1998年、ハープとメイヤーの実験です。Journal of Educational Psychology 誌(第90巻3号、414〜434ページ)に載りました。

4つの実験で、大学生357人に説明文を読ませました。一部の組の文章には、面白いけれど本題と関係ない細部を足してあります。研究者はこれを seductive details と呼びました。

結果です。足した組のほうが、本題の要点を少なく思い出し、応用問題の答えも少なく書きました。

2023年、ドイツでこの教材をもとにした実験が出ました。キーニッツ、クレブス、アイテルの3人で、Instructional Science 誌(第51巻4号、595〜616ページ)です。

参加したのは約250人。SNSと、ドイツの2つの大学の学生名簿で集めた人たちです。読ませたのは「雷はどうやってできるか」の説明文537語と、仕組みだけを描いた白黒の図4枚です。学ぶ時間は6分30秒に決めてありました。

一部の組には、飾りのカラー写真5枚と、229語の説明を足しました。中身は雷が落ちるとどうなるかです。たとえば広い浜辺の写真に「泳いでいる人は雷の格好の的」と添えてあります。雷の話ですが、雷のでき方とは関係ありません。

4つの組の、本題の書き出しの点数です(9点満点の平均)。

  • ・写真なしの組 … 2.56点
  • ・写真あり、何も言われなかった組 … 1.77点
  • ・写真あり、「関係ない」と先に言われた組 … 2.48点
  • ・写真あり、「別々に読め」と言われた組 … 2.09点

何も言われなかった組は、写真なしの組より約3割低い点でした。

そして、「関係ない」と先に言われた組は、写真なしの組と差がありませんでした。

言われた内容はこうです。写真の情報は学ぶ目的と関係なく、あとで聞かれない。大事なのは雷のでき方の情報だけで、それは赤い枠の中にある。

写真と本文を読んだ時間のうち、写真に使った割合も出ています(本人の申告)。何も言われなかった組が平均22%、「関係ない」と言われた組が17%でした。

差を作ったのは、写真があるかどうかだけではありませんでした。写真を大事だと思ったかどうかです。論文の要旨も、何も言われなかった組は「関係ない」と言われた組より写真を大事だと考え、そのぶん長く見ていた、と書いています。

研究者たちは、関係ないと伝えることを「小さいけれど見込みのある手立て」と書いています。授業での例も挙げています。

  • ・「this part is just for fun」(ここはおまけ)と言う
  • ・息抜きに見てよいが、そのあと本題に戻るよう伝える

⚠ 気をつけるところが4つあります。

1. どちらも主に大学生の実験です。日本の中高生で同じことが起きるかは、この2本からは分かりません
2. 読ませた文章の実験です。先生が口で話す余談を直接測ったものではありません
3. 2023年の実験は、題材が雷の1つだけで、オンラインで行われました。ほかの題材や教室で同じになるかは、この1本からは分かりません
4. 応用問題では、2023年の実験ではっきりした差が出ませんでした。差が出たのは、本題を書き出すほうです

キーニッツらは、レイ(2012年)などのメタ分析を引いています。過去35年の研究をまとめると、効果の大きさは「小さいものから中くらい」です。余談をすべてやめる理由にはなりません。

それでも、明日試せることははっきりしています。本題と関係ない話をするなら、その前に「関係ない」と言う。

動画で見る

研究にもとづく、マルチメディア学習の原則 (Harvard University) ハーバード大学の公式チャンネルの動画です。題は「Research-based principles for multimedia learning」(研究にもとづく、マルチメディア学習の原則)。英語です。

明日の授業でやること|明日は、余談の前に一言だけ足す

  1. 次の授業のスライドや配布物を見て、写真・小話・動画を1つずつ確かめます。本題の理解に要らないものに印をつけます
  2. 印をつけたものは、外すか、授業の最後に回します。残すものは、見せる前に「This next story is just for fun. テストには出ません」と言います。⚠ 言うなら、本当に出さないこと
  3. 本題の図や文には、枠や色で目印をつけます。2023年の実験では、本題を赤い枠で示し、そのことを先に伝えていました
  4. 授業の最後の3分で、今日の本題を1文で書かせます。余談のほうを書いた生徒が何人いたかを数え、次の授業の余談の量を決めます

この号で触れたリンク

このニュースレターにも、小ネタの節があります。本題の役に立たない話を、わざわざ載せています。

ただし、置き場所は分かれています。小ネタは第7節、本題は最後の節です。どちらが本題かは、見出しで分かります。

授業でも同じことができます。余談をやめる必要はありません。話す前に「これはおまけ」と言い、話し終えたら But I digress で戻る。2023年の実験で差を消したのも、この「関係ない」の一言でした。

明日は1つの授業だけ、余談の前に一言足してみてください。

またあした。

Vol.46 09.24.2026

よくある質問

授業の余談は、覚えることの邪魔になりますか。

本題と関係ない面白い情報を足すと、本題の覚え方が下がったという実験があります。2023年のドイツの実験では、写真を足して何も言わなかった組が、写真なしの組より約3割低い点でした。ただし、どちらも主に大学生が文章を読む実験で、先生が口で話す余談を直接測ったものではありません。

余談をやめなくても、差を小さくする方法はありますか。

先に「本題とは関係ない」と伝えることです。2023年の実験では、写真の情報は学ぶ目的と関係なく、あとで聞かれないと先に伝えた組が、写真なしの組と差がありませんでした。授業なら、話す前に「This next story is just for fun.」と言えます。

seductive details とは何ですか。

面白いけれど、学ぶ内容の本題とは関係ない細部のことです。ハープとメイヤーの1998年の論文は、これを interesting but irrelevant details と説明しています。seduce はもともと「わきへ連れていく」という意味の語です。