本文へスキップ
日刊原田英語 Harada Eigo Daily
NEWSLETTER 標準 読了 12分

プレテスト効果|教える前に答えさせると、あとで解けます

ニュースレター|Vol.45

教える前に問題を出しても、生徒は答えられません。それでいい、という研究があります。リッチランドらが2009年に出した実験では、先に答えさせた組の事後テストが75%、同じ時間だけ長く読ませた組が56%でした。正解できたのは、先の時点でわずか5%です。帯活動2本、教室英語4本、答えをその場で返すための無料ツール4選つき。

監修:原田高志(原田英語.com)

おはようございます。今日は、生徒に先に間違えさせる話です。答えられない問題を先に出す。それだけで、あとの覚え方が変わったという研究があります。

09.23.2026 Vol.45

おはようございます。

今日は秋分の日です。19日の土曜から続いた5連休の、最後の日になります。

今日の最後の節は、教える順番の話です。ふつうは説明してから問題を出します。それを逆にした実験があり、逆にしたほうが、あとのテストの点が高くなりました。

先に、黒板だけでできる帯活動を2本と、そのまま言える教室英語を4本。今日の無料ツールは、生徒の答えを集めて、その場で正解を返すための4つです。

TODAY'S PICK

ELEC英語教育賞が募集中。文部科学大臣賞は副賞30万円、締切は11月30日

一般財団法人英語教育協議会(ELEC)公式サイト。ICT教育ニュース 2026年9月17日の記事で告知

ELEC(英語教育協議会)が、2026年度のELEC英語教育賞の応募を受け付けています。文部科学省の後援です。

応募できるのは、国公私立の小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・義務教育学校です。昨年度から、学校単位だけでなく教員個人でも応募できます。

出すものは3つ。申請書・実践報告書・映像資料です。実践報告書はWordで書いてPDFにしたもので、A4で10ページまで。映像はMP4が1本、60分以内。締切は2026年11月30日(月)で、結果は2027年2月下旬までに連絡されます。

賞は3つあります。団体の取組で最も優れたものに文部科学大臣賞(副賞30万円)、優秀な取組にELEC理事長賞(10万円)、個人の取組に優秀英語授業実践者賞(10万円)です。

締切まで2か月あります。ただ、2か月かけられるのは書類のほうだけです。

出すものに映像が入っています。書類は11月に書けますが、映像は、授業をやっている日にしか撮れません。

連休が明けたら、1時間だけ撮っておいてください。出すかどうかは11月に決めれば足ります。撮ってあれば選べますが、撮っていなければ、その時点で応募できません。

個人でも応募できるようになった点も大きいところです。学校全体の取組でなくても、自分の授業だけで出せます。

WARM-UPS

今日の帯活動(5分でできる)

どちらも黒板だけでできます。1本目は本文を配る前の5分、2本目は答え合わせのやり方を変える5分です。

本文を配る前に、5問だけ答えさせる

対象 中1〜高3 時間 5分 準備 黒板のみ

  1. 次に読ませる英文から、答えが本文に書いてある問いを5つ作ります。今日の授業で扱う語や内容にします
  2. 本文を配る前に、黒板に5問だけ書きます。2分で、全部にノートへ答えを書かせます
  3. 「分からない問題も、空けずに何か書く」と先に言います。ここが大事なところです。白紙を出させません
  4. 書けたらノートを閉じさせ、本文を配って読ませます。正解はまだ言いません
  • 💡 ほとんどの生徒は、5問とも間違えます。間違えていいのです。今日の最後の節で紹介する実験では、先に答えられた割合は5%でした。それでも、あとのテストの点は上がっています。

書かせたら、30秒以内に正解を出す

対象 中1〜高3 時間 5分 準備 黒板のみ

  1. 語の意味や空所の答えを、生徒にノートへ書かせます。1問ずつです
  2. 書き終わった手が止まったら、その場で正解を黒板に書きます。「あとでまとめて答え合わせ」をやめます
  3. 自分が書いた答えと、黒板の答えを見くらべさせます。合っていた人に手を挙げさせて数えます
  4. 間違えた人に、自分が何と書いたかを1人だけ言わせます。それを消さずに黒板の隅に残します
  • 💡 順番を空けないのには理由があります。グリマルディとカーピキーの2012年の実験では、答えを考えてから正解を見るまでに間を置くと、効果が消えました。考えた直後に見せるのが、いちばん効きます。

CLASSROOM ENGLISH

そのまま使える教室英語

今日の4本は、どれも「答えを書かせてから教える」ときに使う言い方です。

本文を配る前に、問いだけ出すとき

Answer these five before you read anything.

何も読まないうちに、この5問に答えてください。

before you read anything で「何も読まないうちに」。読ませる前だとはっきり言うと、生徒は「習っていないのに」と言わなくなります。

手が止まって、何も書けない生徒に

A wrong answer counts, but a blank does not.

まちがった答えは数に入りますが、白紙は入りません。

count は「数に入る、意味がある」。同じ形を but でつないで後ろだけ does not にすると、言いたいところがはっきりします。

書かせた直後に、正解を出すとき

Look at your own answer before you look at mine.

私の答えを見る前に、自分の答えを見てください。

mine は my answer のことです。正解を見る前に自分の答えへ目を戻させる一言で、見くらべる順番を作れます。

間違えた生徒に声をかけるとき

Your guess showed you what to look for.

その予想が、何を探せばいいかを教えてくれました。

what to look for で「何を探せばいいか」。間違えたことを慰めるのではなく、間違えた答えが役に立ったことを伝えられます。

AI TOOLKIT

AI × 英語指導

教師向け1つ、生徒向け1つ

教師向けQuizalize

小テストを作って、クラスに配れる道具です。サイトは自分たちを「Make Learning Fun and Effective with Quizzes」(小テストで、学びを楽しく、効くものに)と説明しています。AIに問題を作らせる機能があり、無料のプラン(Basic)でも、月に3本までAIが作ってくれます。無料のプランは「Forever」(ずっと無料)と書かれており、クレジットカードは要りません。⚠ 表示は英語です。⚠ AIを無制限に使うのは有料のプランです。

使いどころ:🎓 今日の話に合う使い方は1つです。「この英文を読む前に出す問いを5問」を作らせます。打ち込むのは、扱う英文そのものと、学年と、「答えが本文に書いてあること」の3つです。⚠ 難しい問いを作らせないこと。先に答えさせる問いは、本文を読めば必ず分かるものにします。読んでも分からない問いを出すと、答え合わせのときに生徒が手ぶらになります。⚠ 無料だと月3本なので、週に1回の授業に1本と決めて使うのがちょうどよい量です。

生徒向けStudyFetch

自分の資料から、練習テストと単語カードを作る道具です。サイトの説明は「StudyFetch transforms your powerpoints, lectures, class notes, and study guides into ai study tools like flashcards, quizzes, and tests」(スライドや授業ノートを、AIが単語カードや小テストに変える)。PDFやスライドを入れると、そこから問題が作られます。サイトには「Getting started with StudyFetch is free」(無料で使い始められます)と書かれています。⚠ 表示は英語です。⚠ 生徒に使わせる前に、学校の規定を確かめてください。

使いどころ:🎓 生徒に渡すときは、「覚えてから解く」のではなく「解いてから覚える」と伝えてください。配ったプリントを入れて問題を作らせ、覚える前に1回解かせます。ほとんど解けませんが、それでかまいません。解けなかったところだけ、そのあと読み直します。⚠ 有料の機能もあります。無料でできる範囲だけを使うように、先に言っておいてください。

NEWS FLASH

今日のニュース

先生に関係のある3本です。1本目は明日、無料で聞けます。

JAPAN · 09.24

高校の先生が作った教育アプリの話。9月24日の夕方50分、無料のウェビナーです

ETS Japan が、9月24日(木)の17時から17時50分、オンライン(Zoom)で無料のウェビナーを開きます。題は「現場で作る教育アプリは教員の負担を軽減するか 〜高校教員の私が実践したAIツールの習得とアプリ開発の効果〜」です。

話すのは、明星中学校・高等学校の教諭、塚原智也先生。案内には対象として「中学・高等・高専の教職員の方」とあり、興味があれば誰でも参加できると書かれています。申し込んだ人は、あとからアーカイブも見られます。夕方の50分なので、部活の前後に入ります。

JAPAN · 09.26

生成AIを使った英語指導。9月26日、パーマー賞受賞者が話します

一般財団法人語学教育研究所が、9月26日(土)にオンライン(Zoom)で講座を開きます。題は「パーマー賞受賞者に学ぶ極意4【オンライン】生成AIを活用した英語指導の今 〜AI literacyと教師の役割を再設計する〜」です。

話すのは、群馬大学の津久井貴之先生(2011年度のパーマー賞受賞者)。参加費は会員3,000円、非会員5,000円で、学生はどちらも半額です。非会員には年度の初期費用2,000円(学生500円)がかかります。

案内によれば、扱うのは「使うか使わないか」ではなく、生徒が生成AIを何のために、どう使うかを自分で判断できる力(AI literacy)です。

JAPAN · 09.27

小学校と中学校をつなぐ。9月27日、青山学院大学で無料のワークショップです

EASEL(小学校英語評価研究会)が、9月27日(日)の12時30分から17時、青山学院大学15号館5階13会議室でワークショップを開きます。参加費は無料、先着40名です。

さいたま市立文蔵小学校の藤栄麻衣子先生と、さいたま市立内谷中学校の上野仰先生が実践を報告し、そのあとパネルディスカッションと「Can-Do評価」のワークショップが続きます。ほかに長沼君主先生(青山学院大学)、アレン玉井光江先生(青山学院大学名誉教授)らが登壇します。

申し込みは9月23日(水・祝)の18時までです。今日が締切なので、行くなら朝のうちに決めてください。

FREE TOOLS

無料の学習ツール4選

今号のテーマは「答えを集めて、その場で正解を返す」。考えた直後に答えを見せる、というのが今日の話です。4つとも無料で使い始められます。

Retrieval Practice(retrievalpractice.org)

認知科学者の Pooja K. Agarwal さんが運営しているサイトです。自分たちの説明は「Harness powerful teaching strategies, unleash the science of learning, and transform your classroom with resources by cognitive scientists」(教える人のための、認知科学にもとづいた教材)。100点を超える資料が、無料でダウンロードできます。授業で使う手引きと、研修用のスライドが中心です。⚠ 全部英語です。

Google フォーム(テスト機能)

いつものフォームを「テスト」に切り替えると、採点と答え合わせが自動になります。公式の説明によれば、選択式・チェックボックス・プルダウン・記述式などで解答集(正解)を登録できます。点数を返す時期は「送信直後」を選べ、まちがえた問題・正解・点数を見せるかどうかも決められます。正解・不正解それぞれに文章やYouTubeの動画で解説を付けられます(選択肢1つずつではなく、正解用・不正解用の2つです)。⚠ 点数は、あとから [回答] の画面で手で付け直すこともできます。

Microsoft Forms

学校で Microsoft のアカウントを配っているなら、こちらが早いです。公式の手順によれば、正解にチェックを付け、配点を入れるだけで小テストになります。選択肢の1つずつに「メッセージ」を付けられ、生徒がその選択肢を選んだときだけ表示されます。まちがえた生徒に、なぜそれが違うのかをその場で返せます。⚠ 送信直後に点数を見せるかどうかの設定は、この手順のページには書かれていません。配る前に自分で1回答えて確かめてください。

Flippity

Google スプレッドシートに語と意味を打ち込むだけで、単語カードやクイズ番組の形に変えてくれる道具です。サイトの説明は「Quick & Easy Educational Tools」(すぐ使える、かんたんな教材の道具)。単語カード(Flashcards)・クイズ番組(Quiz Show)・ビンゴなどの形を選べます。FAQには無料だと書かれており、一部の機能は広告で成り立っています生徒用のアカウントやログインはありません。作る側は Google スプレッドシートを使うので、Google のアカウントが要ります。

STORY BREAK

生徒に話したくなる小ネタ

どちらも「まちがい」をめぐる語です。今日の話にそのまま続きます。

error は、もともと「さまよう」でした

語源辞典 Etymonline によれば、error が英語に入ったのは1300年ごろ。古フランス語の error(まちがい、欠陥、異端)から来ています。さらにさかのぼるとラテン語の errorem で、その意味は「さまようこと、道をそれること」でした。もとの動詞は errare(さまよう、まちがえる)です。

同じ根から出ているのが err(まちがえる)です。さらに古い形は「動いている、歩きまわる」を表す語だと Etymonline は書いています。

面白いのは、これが英語だけの話ではないところです。Etymonline は、多くのインド・ヨーロッパ語族の言語で「まちがい」を表す語が、もとは「さまよう、道をそれる」だったと書いています。ただし例外もあり、アイルランド語の dearmad(まちがい)は dermat(忘れること)から来ているとされます。

明日は、黒板に2語だけ並べてください。error と errare(さまよう)。そのうえで「まちがいは、行き止まりではなく、道をそれただけ」と言えます。答えを間違えた生徒に、この1語で返せます。

fail と false は、同じ語から分かれました

Etymonline によれば、fail が英語に現れたのは1200年ごろ。つづりは failen で、意味は「やろうとしたことを、やりとげられない」でした。古フランス語の falir(足りない、はずす、うまくいかない)から来ており、その先は俗ラテン語の fallire、ラテン語の fallere です。

この fallere の意味が、いまの使い方とだいぶ違います。「つまずかせる、倒す。だます」でした。

そして Etymonline は、fail と同じ根から出た語として false(まちがった)・fault(欠点)・fallacy(誤った考え)・default を並べています。fail と false が親戚だと分かると、4語をばらばらに覚えなくて済みます。

明日は、この4語を黒板に並べて1つだけ聞いてください。「どれも同じラテン語から出ています。もとの意味は何でしょう」。答えは「つまずかせる」です。fail は、もともと転ぶ話でした。

QUOTE

今日の名言

今日の一行

“Ever tried. Ever failed. No matter. Try again. Fail again. Fail better.”

やってみたか。しくじったか。かまわない。もう一度やれ。もう一度しくじれ。もっとうまくしくじれ。

サミュエル・ベケット(1906-1989)『Worstward Ho』1983年。「All of old. Nothing else ever.」に続く一節

この6文は、いまでは標語のように引かれます。⚠ ただし、もとの『Worstward Ho』は人を励ますために書かれた本ではありません。そこだけは、生徒に言うときに足してください。

それでも、今日の話にはそのまま重なります。Fail better を、ここでは「しくじり方を変えろ」と読んでみてください。

先に答えさせると、生徒は間違えます。そこで終わらせず、自分が何と書いたかを見てから正解を見る。これが、しくじり方を変えるということです。

明日やることは1つです。答えを見せる前に、自分の答えに目を戻させる。

THE FLIP

常識がひっくり返る話

答えられなかった問題のほうが、あとで解けるようになりました

教える順番は決まっています。説明してから、練習させる。テストは最後です。

理由もはっきりしています。習っていないことを聞かれても、生徒は答えられません。答えられない問題を出せば、自信をなくすだけです。時間ももったいない。その2分があれば、もう少し説明できます。

私もそう考えてきました。小テストは、教えたあとに出すものです。

では、順番を逆にしたらどうなるのでしょうか。

ところが

リッチランド、コーネル、カオの3人が、2009年に Journal of Experimental Psychology: Applied 誌(第15巻3号、243〜257ページ)に出した実験があります。

実験1。大学生63人。読ませたのは、オリバー・サックスの『火星の人類学者』(1995年)をもとにした2ページの英文です。脳の損傷で色が見えなくなった人の話でした。

2つの組に分けます。

  • 先にテストする組(36人) … 本文を配る前に5問へ2分で答え、そのあと8分読む
  • 長く読む組(27人) … 同じ本文を10分読む

どちらも合計10分です。

先にテストした組が、その時点で正解できたのは5%でした。ほぼ全員が間違えています。そして、正解できた問題は集計から外されました。つまり、以下は間違えた問題だけの成績です。

結果です。事後テストの正答率は、先にテストした組が75%、長く読んだ組が56%でした。

ここで、当然の疑いが出ます。先に問いを見たから、どこが大事か分かっただけではないか。

そこで実験2からは、大事なところを斜め字や太字にして、どちらの組にも同じように示しました。それでも差は消えていません。

実験4では、事後テストを1週間後にしました。158人。太字にしたうえで先にテストした組が55%、太字にして長く読んだ組が45%です。

実験5が、いちばん効くところです。76人を3つに分けました。斜め字にした語についての成績です。

  • 問いに答えさせた組90%
  • 問いを覚えさせただけの組(答えは書かせない) … 78%
  • 長く読ませた組63%

問いを見せるだけでは足りませんでした。答えを書かせた組が、いちばん上です。

この結果は、大事なところを目立たせただけでは説明がつきません。実験2から5では、斜め字も太字も、どちらの組にも同じように付いていました。差を作ったのは、答えを書いたかどうかです。

ただし、いつでも効くわけではありません。⚠ グリマルディとカーピキーが Memory & Cognition 誌(第40巻4号、505〜513ページ、2012年)に出した実験では、2つの条件で効果が消えました。

1. 語と語に意味のつながりが無いとき … 関係のある組み合わせでは73%と56%で差が出ましたが、関係の無い組み合わせでは24%と24%で、まったく同じでした
2. 考えてから正解を見るまでに、間があいたとき … 実験3では、短い間を置いただけで差が消えました

⚠ 語を覚えさせる場面については、そろわない報告があります。ポッツとシャンクスが Journal of Experimental Psychology: General 誌(第143巻2号、644〜667ページ、2014年)で、見慣れない英単語の意味や外国語の訳を覚えさせました。自分で答えを書いてから正解を見た組が、ただ読んだ組よりよく覚えていました。グリマルディらの結果と、同じにはなっていません。

⚠ リッチランドらの実験は大学生が対象で、日本の中高生ではありません。読んだのも母語の文章です。英語を学んでいる途中の生徒に、同じことが起きるかは分かりません。

それでも、明日試せることははっきりしています。先に答えさせる。書かせる。すぐに正解を見せる。この3つです。

動画で見る

思い出す練習が効く3つの理由 (Pooja K. Agarwal, Ph.D.) 今日のツールで挙げた retrievalpractice.org を運営する Pooja K. Agarwal さんのチャンネルの動画です。題は「思い出す練習が学びを伸ばす3つの理由」。英語です。

明日の授業でやること|明日は、本文を配る前に5問だけ出す

  1. 次に読ませる英文から、答えが本文に書いてある問いを5つ作ります。読めば必ず分かるものにします
  2. 本文を配るに、その5問へ2分で答えさせます。白紙を許さないこと。「分からない問題にも何か書く」と先に言います
  3. 答えを集めずに、そのまま本文を読ませます。正解はまだ言いません。読み終わったら、自分が書いた答えと見くらべさせてから正解を出します
  4. 「間を置かない」を守ること。次の時間に答え合わせをするのはやめます。考えた直後に見せるから効きます

この号で触れたリンク

今日の話の楽なところは、新しく用意するものが1つも無いことです。問いは、いつも授業の最後に出しているものをそのまま使えます。動かすのは順番だけです。

面倒なところは、白紙を許さないところにあります。「分からないので書きませんでした」を通すと、この5分は何も残しません。間違っていてもいいから書く、と毎回言ってください。

そして、答え合わせを先延ばしにしないこと。グリマルディらの実験では、短い間を置いただけで差が消えました。次の時間に回せば、同じことが起きるおそれがあります。

明日は1クラスだけ、5問から試してみてください。

またあした。

Vol.45 09.23.2026

よくある質問

プレテスト効果とは何ですか。

教える前に問題を出しておくと、そのとき答えられなくても、あとの記憶が残りやすくなる現象のことです。リッチランドらが2009年に報告しました。実験1では、先に答えさせた組の事後テストが75%、同じ時間だけ長く読ませた組が56%でした。先の時点で正解できたのは5%だけで、正解できた問題は集計から外されています。

答えられない問題を出すと、生徒が自信をなくしませんか。

「答えられなくて当たり前だ」と先に言ってください。実験でも、正解できたのは5%でした。間違えるのが前提の問題だと分かっていれば、白紙は減ります。大事なのは点を取らせることではなく、何か書かせることです。

答え合わせは、次の時間でもいいですか。

その場でしてください。グリマルディとカーピキーの2012年の実験では、答えを考えてから正解を見るまでに短い間を置いただけで、差が消えました。考えた直後に見せられないなら、先に答えさせる意味が薄くなります。